2024年3月22日
防衛調達特措法改定案に反対の討論
今日は外交防衛委員会で二階建ての審議。午後は自衛隊の兵器などの調達契約の特例法の審議でした。財政民主主義を壊し、大軍拡を財源面で支える悪法であり反対しました。
委員会での反対討論をご紹介します。
=====================
日本共産党を代表し、防衛調達特措法改定案に反対の討論を行います。
本法案は、5年の時限立法である防衛調達特措法、いわゆる長期契約法を恒久化するものです。
反対理由の第一は、財政民主主義に反し、国会の予算審議権を侵害するからです。
憲法89条は、財政民主主義に基づき予算単年度主義を採用しています。戦前、侵略戦争に突き進んだ政府が軍事費を特例扱いし、甚大な犠牲をもたらした痛苦の教訓に照らし、特に軍事費について民主的コントロールを及ぼすためです。
現行特措法は、財政法で例外的に最長5年とされる国庫債務負担行為を、防衛調達に限りさらに最長10年に延長するもので、いわば特例の特例です。10年にわたる軍事費の先取りは、予算単年度主義をあまりにも形骸化するものです。
政府は、後年度負担分の支出も毎年議決を経るので財政民主主義に反しないと強弁しますが、中途解約した場合に政府が負う損害賠償リスクは具体的に説明しませんでした。事実上、国会の予算審議権を奪うことになるのは明らかです。特例の特例について時限立法を恒久化し、さらに国会の関与を弱めることは断じて許されません。
反対理由の第二は、安保三文書に基づく大軍拡の財源を確保するものだからです。
敵基地攻撃能力となる長射程ミサイルの取得やイージス・システム搭載艦の整備、全国の自衛隊施設の強靱化など、岸田政権が専守防衛を投げ捨て空前の大軍拡を押し進める下で、今年度の後年度負担は総額10.7兆円、来年度は14.2兆円に急増しています。このうち長期契約によるものは今年度約4800億円、来年度約7900億円に上り、本法案はこうした軍備拡張の財源を将来にわたって保障しようとするものです。
審議を通じて明らかになったように、来年度予算案で計画される兵器輸入は、契約額の9割が後年度負担とされ巨額の借金を将来に回します。国庫債務負担行為全体の総額は年間5兆円台から11兆円台へと倍増し、このうち軍事費が占める割合も5割前後から7割近くへと跳ね上がっています。異常な軍事偏重が財政の硬直化をいっそう深刻にし、子育てや医療、介護などくらしの予算を圧迫しています。
政府は、長期契約によるコスト縮減効果を強調しますが、5年で43兆円に上る大軍拡の下では微々たる額に過ぎません。
対話と協力の東アジアをつくる平和外交を進め、平和もくらしも脅かす大軍拡を中止することこそ、最大のコスト縮減というべきです。
以上指摘し、反対討論とします。