山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2025年・第217通常国会

呉市日本製鉄跡地での防衛拠点整備計画 白紙撤回を

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
広島県呉市日本製鉄跡地で計画される複合防衛拠点について伺います。
防衛省にまず伺います。なぜ呉なのでしょうか。

○防衛省 整備計画局長(青柳肇君) 呉地区は、護衛艦隊、潜水艦隊、輸送隊所属の多くの艦艇が所在する海上自衛隊の重要拠点の一つでございます。そして、南西方面や日本海へのアクセスも良く、加えて海上輸送群も配備される予定であるなど、今後、同地区の重要性は更に高まると考えてございます。
このような中、広大な新日鉄瀬戸内製鉄所呉地区跡地の活用として同地区に多機能な複合防衛拠点を整備したいと考えており、それにより、装備品の維持整備、製造、訓練、補給等を一体的に機能させることで部隊運用の持続性を高めることが可能となり、防衛力の抜本的強化に資するものと考えてございます。

○山添拓君 地元で伺いますと、海田に近い、岩国に近い、佐世保とも連携する、そういうことも説明がありました。それはそういう意図なんでしょうか。

○政府参考人(青柳肇君) まさに先ほど申し上げたように、海上自衛隊の重要拠点ということと、南西方面、日本海へのアクセスが非常にいいということ、そして海上輸送群も配備されるということで、重要性が非常に増しているということでございます。

○山添拓君 台湾有事なども念頭に、南西諸島に武器や弾薬、食料などを供給する兵たん基地として最適という意味だろうと思います。しかし、それは相手の攻撃対象となることも当然意味することになります。
日鉄が呉製鉄所の操業停止を発表したのは二〇二〇年二月です。関連企業を合わせ三千三百人の雇用が大問題となり、広島県、そして呉市、国の合同緊急対策本部で議論が進められました。一方、跡地の利活用については、県と市がコンサル会社に委託し、検討を進めていたさなかの昨年三月四日、突如、防衛省が県と市に多機能な複合防衛拠点の整備を申し入れました。
先月、当委員会の派遣で呉市を訪れ懇談した際、市長は、突然だったとおっしゃる一方、何となくそういう空気はあったとも述べておられました。参加した委員の皆さんも御記憶のことかと思います。
防衛省に伺いますが、この計画はいつ発案して、いつから日鉄に打診してきたのでしょうか。
○政府参考人(青柳肇君) これまで、昨年三月四日に広島県、呉市、日本製鉄と協議を行いまして、防衛省の方から、多機能な複合防衛拠点の整備につきまして、その概要やスケジュール等について御説明をいたしました。そして意見交換を行ったところでございます。
その後、本年、あっ、同年九月に同様の協議を行いまして、大まかなゾーニングに関する中間報告を行い、令和七年度概算要求に計上した事業についても御説明したという経緯でございます。
○山添拓君 私が聞いているのはその前です。いつ防衛省で発案し、いつ日鉄に最初に打診をしたのかということです。

○政府参考人(青柳肇君) 表立って始めましたのは、昨年三月の四日に広島県、呉、新日鉄と協議を行ったということで、これが県や市に対しましても初めての御説明ということになるものでございます。

○山添拓君 百三十ヘクタールに及ぶ広大な土地の一括購入、そして整備という大規模な計画です。これ、一晩で思い付くようなものではありません。
いつ、どのように検討を始め、どの段階で日鉄に打診したのか、委員会に明らかにするように求めたいと思います。

○委員長(滝沢求君) 後刻理事会で協議いたします。

○山添拓君 本件の土地購入と今後の整備費用、これは総額幾らと見込んでいるのでしょうか。そして、それは五年で四十三兆円の範囲内の話なのか、それともその別枠なんでしょうか。別枠であるとすれば、それは幾らでしょう。

○政府参考人(青柳肇君) まさに今、呉地区に整備を考えておりますこの多機能な複合的防衛拠点には、民間の誘致も含みます装備品などの維持整備、製造基盤、そして防災拠点及び部隊の活用基盤、あとは岸壁などを活用した港湾機能、この三つの機能を整備したいと考えてございまして、これを今整備するために各方面と調整中ということでございまして、まだ総額をお話しする段階ではございません。

○山添拓君 要するに、五年で四十三兆円の枠外の話だということでしょうか。

○政府参考人(青柳肇君) この事業につきましては、この五年間で支出するものがあれば、全てではないと思いますが、この五年間で支出するものがあれば、それは四十三兆円の枠内ということでございます。四十三兆円程度の枠内ということでございます。

○山添拓君 これはおかしな話じゃありませんか。五年で四十三兆円というのは積み上げた数字だとこれまで説明してこられたわけです。ところが、これから積み上げていく数字も四十三兆円にどんどん入っていくんだとおっしゃっています。
そして、この計画はあと数年で終わるという話ではないでしょうから、そうなりますと、この先広大な整備を進めていくことになれば、莫大な予算をこの先も必要としていくということになるだろうと思います。安保三文書の段階で具体的に明示されていなかった計画なんですよね。
防衛省が呉市に示している計画には、装備品などの維持整備、製造基盤エリアなどの記載があります。装備品とは具体的には何を指すんでしょうか。

○政府参考人(青柳肇君) 現在、様々な企業と意見交換を進めておりまして、製造等を行う対象装備品の選定を行っているという段階でございまして、今まさに、誘致する時期や企業数、こういうものはまだ決定していないという状況でございます。

○山添拓君 米軍の兵器も整備や製造の対象ですか。

○政府参考人(青柳肇君) 現在まさに、先ほど申しましたように、様々な企業と意見交換を進めている段階でございまして、まだ決定しているものというのはないということでございます。

○山添拓君 図面にはヘリポートの記載がありますが、ヘリの整備も計画しているのでしょうか。

○政府参考人(青柳肇君) お答えいたします。
大変繰り返しになって恐縮でございますが、まだ様々な企業と意見交換を進めていて、どういう製造等を行う対象の装備品、これを選定をするかと、選定を行っているという段階でございまして、何を造るかというものは今この時点ではお答えできないというのは御理解いただきたいと思います。

○山添拓君 維持整備、製造基盤と言いつつ、装備品として何を造るかということも説明がないわけです。私は現地で伺ったら、ヘルメットなんか造るんだとおっしゃっていましたけどね。ヘルメットなら百三十ヘクタールも要らないですよ。そういう話じゃない。
そして、ヘリの話を、今御説明がありませんでしたが、もしヘリについても維持整備ということになりますと、試験運転、訓練も想定されます。呉は海上自衛隊の基地ですから、艦艇や潜水艦は多く配備されていますが、ヘリの訓練となりますと、騒音や事故の危険、これは異質のものになります。
これ、まだ決まっていないということなんですね。

○政府参考人(青柳肇君) お答えを申し上げます。
まさに今我々が申し上げているのは、多機能な複合的防衛拠点には、民間誘致を含む装備品などの維持整備、製造基盤、そして防災拠点及び部隊の活動基盤と、岸壁などを活用した港湾機能という三つを整備することを考えてございまして、もう少し具体的に申し上げれば、自衛隊の任務に必要不可欠な装備品を製造する企業を誘致するということ、また、ヘリポートや物資集積場などの防災拠点や艦艇配備、訓練場、火薬庫などの部隊の活動基盤を整備する、さらには、これらの機能と連携して、岸壁などを活用した港湾機能や休養施設を整備するという、こういうことを念頭に置きながらまさに今検討を進めているという状況でございます。

○山添拓君 要するに、具体的な説明はないということです。それ自体が私は大問題だと思うんです。
大臣に伺いますが、自衛隊が戦後、百三十ヘクタールもの広大な土地を購入し、官民共同の軍事拠点を整備するのは初めてのことです。住民に対して、計画の具体的な内容と予想される影響について説明すべきではありませんか。

○防衛大臣(中谷元君) 多機能な複合防衛拠点の整備につきましては、関係者の皆様に丁寧に説明しながら進めていく考えでありまして、令和六年三月以降、広島県、呉市、呉市議会に対して、その構想やゾーニング案の進捗を説明をいたしております。また、日鉄跡地の購入に関する地元の関心が高いことを踏まえまして、地域の皆様への説明につきましては、今後の検討の進捗や地元自治体の意向も伺いつつ、引き続き検討させていただきたいと思っております。
なお、この今後の計画等につきましては現在作成中でありますが、呉には護衛艦隊、それから潜水艦隊、また輸送隊の多くの艦艇が所在をいたしております。これらの艦船は、当然、メンテナンス、この修理や維持の拠点も必要でありますので、やはりこういったものも含めまして、この装備品をいかに活用していくかということにおきましてはこういった複合防衛拠点が必要でもございますし、また、日米間におきましても、防衛装備移転の中で、米側の艦艇において日本の国内で修理をしたり、また製造したり、そういうことについては今、今後協議をいたしていこうという考えでありまして、様々な観点におきまして今の新しい時代において適切な防衛協力の在り方も模索をいたしておりますし、また、このような艦艇の維持整備、補給、こういった在り方も検討しながら我が国の防衛体制を維持しなければならないということでございます。

○山添拓君 市民団体の日鉄跡地問題を考える会からは、説明会を求める二万の署名が出されています。住民に対する説明も検討されますね。

○防衛省 地方協力局長(田中利則君) お答えを申し上げます。
先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、本件については地元の御関心も非常に高いということでございます。今後の対応につきましては、地元自治体の御意向も伺いながら、引き続き対応について検討させていただければと思っております。

○山添拓君 住民の理解を得る努力すらせず計画を進めるということは、これは断じて許されないと思います。
旧軍港市転換法、いわゆる軍転法が制定されたのは一九五〇年です。呉市のほか、横須賀市、佐世保市、舞鶴市の旧軍港市を平和産業都市に、平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与することを目的とするとされました。
複合防衛拠点はこれに全く逆行すると言えると思います。百三十ヘクタールの日鉄跡地を国が一括購入すれば、これは国有地になります。市長と懇談した際、現在この土地の税収は幾らかと尋ねましたところ、個別企業のことで答えられないという御回答でした。固定資産税、都市計画税、法人市民税、推定年額は五億から十億とされますが、国有地になりますと、これがゼロになります。
大臣に伺います。私たちが懇談した際、市長は配慮いただきたいと、国には御配慮いただけるものと思っているというお話でした。いかなる配慮を検討されているんでしょうか。

○防衛大臣(中谷元君) 先ほどお話をいたしました多機能な複合の防衛拠点の整備に向けた土地の取得については、現在も日本製鉄と協議を行っているところでありまして、その取得による税収の増減につきましては、現時点でお答えする段階にはないということでございます。
その上で、やはり国有地に対して固定資産税は課税されないものと承知をいたしております。
なお、そのような状況を勘案しまして、米軍、自衛隊が使用する飛行場や演習場等の用に供する固定資産が存在する市町村に対しては、総務省において、その固定資産税の代替性格を基本として基地交付金が交付されているところでありまして、この総務省所管の基地交付金については、防衛省としては確たることをお答えすることはできませんが、対象となる施設整備が行われた場合には、総務省に対して基地交付金の適切な算定のために必要な情報の適時適切な提供を行うということになります。

○山添拓君 基地交付金、今、海上自衛隊呉基地の交付金、八十五ヘクタール、一・三億円だといいます。この日鉄跡地の整備を、広島県や呉市が進めてきた呉市に適した産業拠点として整備を進めていけば、その経済波及効果は十年で六兆三千億円、最大ですね、雇用者数千八百人、日鉄時代を上回るような試算も出されております。これは税収に反映します。民間活用でこそ税収が見込まれ、市の財源、財政が潤い、住民福祉の増進にもつながります。
軍事施設が集中してきた呉市は、一九四五年、空襲が続きました。海軍工廠などが狙われましたが、特に七月一日夜から二日未明にかけては市街地が標的にされ、その晩だけで千八百人以上が亡くなったといいます。無数の焼夷弾が降り注ぐのを見たという人がいます。呉に軍事施設があったから狙われたと、二度とあんなことが起こってはいけないと、そういう声に耳を傾けるべきだと考えます。計画を白紙撤回するよう求めまして、質問を終わります。

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