2016年7月23日
浜通りで裁判所の現地検証
福島原発事故の被害賠償訴訟で22日、裁判官による現地検証。福島地裁いわき支部での「避難者訴訟」は、私が弁護士登録直後から昨年まで取り組んできた事件です。
提訴後、早い時期から、裁判官に現地へ出向くよう求めてきました。未曾有の原発事故によってふるさとが失われた実態は、現場で感じなければわからない。原告団も弁護団も同じ思いで、今回の検証にこぎつけました。みなさんに敬意を表する思いです。
記事で紹介されている「仮置き場」のほか、広野町や楢葉町の仮設住宅や商店街、介護施設、小学校なども検証したとのこと。
私が担当してきた原告ご夫婦も楢葉町のお住まいで、自宅跡地を裁判官が訪れました。裁判の担当は先輩の笹山尚人弁護士に引き継いでもらっていますが、昨日は検証の昼休みに現地から電話が!ご本人から、「先生覚えてますか?」と言われてしまいました。もちろん覚えておりますとも! ご自宅をうかがい近くを案内していただいたことも、ふるさとの景色が目に浮かぶような意見陳述をしていただき法廷が水を打ったように静まり返ったことも、よく覚えています。
写真は、今年3月に訪れた楢葉町。避難指示は2015年9月に解除されていますが、住宅のすぐ近くに仮置き場の緑のシートが広がる…
現地での検証は9月にも行われるとのこと。被害はいまだ続いているという実態を踏まえた、全うな賠償を!