2016年8月19日
福島現地調査2日目、南相馬市にて
昨日に続いて、今日は浜通りの南相馬市を訪れました。
7月12日に避難指示が解除された小高(おだか)地区を、市議の渡部寛一さんに案内していただきました。福島から飯館村を経て南相馬に入る道中から、至る所に黒いビニール袋の山が。放射性廃棄物の仮置き場が次々と現れます。
写真は小高の仮置き場で、このあたりは水田だったとのこと(近くの住居はすべて津波で流された)。「仮置き場」だけに、環境省は保管期間を3年程度としています。しかし、中間貯蔵施設のメドが立たず、3年を超えるので別の場所へ移動される例もあるといいます。
南相馬市の桜井市長とも懇談。私は初めてお会いしましたが、3.11当時の孤立した状況、地域を立て直していかなければならない現在のありよう、国の被災自治体への態度など、生々しいお話でした。
政治が推進してきた原発が、ひとたび事故を起こせばどれだけのコストがかかるのか、賠償、除染、収束と廃炉のための何十兆円というコストをきちんと明らかにすべきだ、再生可能エネルギーをもっと進めるべきだ、とも。
小高地区の16名の方に、お話を聞かせていただきました。
もう戻らないと決意して、他所に自宅を新築したものの、小高に残した自宅のローンが残り、退職金を全部充てて支払ったという方。すでに小高の自宅に戻り、数年前から野菜も育て基準値を下回ったのでおすそ分けもしているという方。「自分の選択がいいのかどうかわからないが、自分の家に住めることの幸せを感じている」という言葉が印象的でした。
それぞれの方の選択が、いずれも尊重される方向が目指されなければならないと思いますが、避難指示の解除とともに賠償打ち切りという、被害を切り捨てる政治になっています。
国会議員になって初めての福島調査でしたが、変化している実態を現場の声でうかがうことができ、有意義でした。今後の国会活動に活かしたい。
現地のみなさま、お忙しいなか本当にありがとうございました。