2017年・第195特別国会
- 2017年12月7日
- 国土交通委員会
森友疑惑「口裏合わせ」大阪航空局課長の証人喚問を求める
- 要約
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- 学校法人「森友学園」への国有地売却について、「値引きの根拠が不十分」とした会計検査院報告書に対する国交省の対応について、大臣の認識を問う。
- 「口裏合わせ」の場に同席した大阪航空局の永尾和也補償課長の名前が初めて明らかにされ、同氏の証人喚問を求めた。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
学校法人森友学園への国有地の売却に関わって会計検査院が報告書を参議院に提出し、政府による八億二千万円の値引きが根拠が不十分、ごみがあるとした面積も深さも混入率も十分な根拠が確認できないと指摘をされています。大臣は、繰り返し重く受け止めると述べています。
ところが、この場でも伺った大臣所信では一言も触れておりませんし、それどころか、先日の予算委員会では、我が党の辰巳孝太郎議員の質問に対し、九・九メートルまでごみがあった可能性はあると言い張り、まるで検査院の指摘を否定するかのような答弁でした。
大臣は、今後改めるということはいろいろおっしゃるんですけれども、本件については検証する必要はないと、こう考えているということなんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 森友学園の国有地売却に関しまして、参議院からの要請に基づき、独立した行政機関である会計検査院による検査が行われてきておりまして、これまで国土交通省としても最大限の協力をしてきたところでございます。
今回、会計検査院からは、仮定の仕方によっては処分量の推定値は大きく変動する状況にあることなどを踏まえれば、撤去処分費用を算定する際に必要とされる慎重な調査検討を欠いていた、文書の一部が保存されておらず、詳細な内容を確認することができないなどについて指摘されているところでありまして、国土交通省として、その結果については重く受け止めなければならないと考えております。
国土交通省といたしましては、この検査結果や国会等での御議論も踏まえまして、今後、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 やっぱり、やるとも、その検証、検討するともおっしゃらないんですね。
大臣は記者会見では、第三者的な検査院の調査は十分な調査であって、それ以上の細かい調査を国交省でできるとは思わないと、こう述べております。そうであれば、ずさんな算定で不適切だったということを認めて、まず国民に対して謝罪をするべきじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪航空局が実施をいたしました地下埋設物の撤去処分費用の見積りにつきましては、売主の責任が一切免除されるとの特約を付けることを前提にいたしまして、その実効性を担保するため、既存の調査、大阪航空局等が実施をいたしました既存の調査に加えまして、工事関係者からの新たなごみの報告や職員による現地確認など、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであります。こういった当時の前提や経緯を踏まえまして、さきの通常国会では、事実関係の整理を基に、適切な見積りであると御説明をしてきたところでございます。
会計検査院の報告書では様々御指摘をされておりますけれども、大阪航空局の見積りは、売主の責任が一切免除されるとの特約を付すことを前提に、限られた時間の中、検証、見積りを報告をしなければならないという状況下で行われたぎりぎりの対応であったと認識をしてございます。
しかしながら、今般の会計検査院の御指摘は重く受け止め、今後、同様の事務を遂行する場合には、見積りに必要な作業時間をしっかりと確保した上で、より丁寧な事務の遂行に努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 全く反省ないんですよね、重く受け止めたと言いながら。これ、国民は決して納得しておりませんので、よくそれは受け止めていただくべきだと思います。
この不適切な事態が国側と森友側の口裏合わせの末に行われたという事実が明らかにされています。二〇一六年三月下旬から四月、財務省、航空局、森友学園が協議をし、三メートルより深いところにごみがあったことにしようと談合する模様を示した音声データについて、財務省はその存在を認め、昨日、衆議院国土交通委員会で我が党の宮本岳志議員が質問したのに対し、大阪航空局補償課長外一名が同席したと認めています、鉢呂議員からの質問にもあったとおりです。この補償課長は何という方ですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
議員の御指摘の打合せは三月から四月にかけての森友学園との打合せと思われますけれども、この打合せに出席していましたのは、昨日私から答弁いたしましたとおり、大阪航空局の補償課長と担当一名でございまして、その補償課長の名前は永尾課長という者でございます。
○山添拓君 ようやく名前を明らかにされたんですね、航空局側の人間でこの場所に同席した方。この永尾さんですが、今も同じ役職ですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) はい、引き続き在籍をしております。
○山添拓君 ストーリーだとか、そんなところでつくりたいとか、そういった発言の場に居合わせた方です。
委員長、口裏合わせの実態を明らかにするためには出てきていただく必要があると思います。この場でも証人喚問して話を聞けるようにしていただきたい。
○委員長(野田国義君) 後刻理事会で協議させていただきます。
○山添拓君 我が党はこの問題を引き続き追及いたしますけれども、全く反省がないという姿勢をまず改めていただくということは最低限必要だと考えます。