山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2018年2月22日

原子力規制委員長に、原発の火山対策を質問

参議院の資源エネルギー調査会で、原子力規制委員長などに質問。

この日は元々調査会の予定が入っていましたが、後から憲法審査会も開かれることになり私はバッティングしてしまいました。兼任の議員がいるとわかっていても開催する。改憲に急ぎたい自民党の姿勢の、一つの現れでもあり、二重に許しがたい。
そんなことで、調査会で規制委員長の説明を聞いた後、いったん憲法審査会に向かい仁比聡平議員の発言を聞き、再び調査会に戻りました。

原子力規制委員会に対する質疑は今年初めて。この間、生業訴訟の福島地裁判決や、伊方原発差止め裁判の広島高裁決定など、重要な司法判断が続いています。それらを受けた行政の態度を質すのが今日の趣旨。

広島高裁で問題となったのは、火山対策でした。阿蘇山が過去最大規模の噴火を起こせば、火砕流が半径160kmの範囲で押し寄せる可能性があり伊方もその範囲に入ります。巨大噴火の可能性が小さいとは言えないとし、立地不敵=伊方ではダメとしたのが高裁決定です。
安全審査をやり直すべきではないかと問うたのに対して、更田豊志委員長「やり直すつもりはない」、しかし、火山噴火は予測できないというのが研究者の共通認識です。原子力規制委員会だけが予測できるというのかーーこれには「噴火の規模や時期は予測できない」と認めざるを得ませんでした。ならばなぜ、原発の運用期間中には巨大噴火は起きないという予測を前提とした判断ができるのか。

すでに再稼動している鹿児島県の川内原発は、160km圏内に5つのカルデラ火山があります。九州電力はモニタリングを行い、巨大噴火の兆候をキャッチすれば原子炉を止め、燃料体も搬出する計画だとしています。ではいかなる基準で原子炉停止を決めるのか、燃料体はどこへどのように運び出すのか。
規制庁は、九電の社内規定を確認したと答弁したものの、その具体的な内容については「確認していない」という。結局、巨大噴火など起こらないとタカをくくっています。そもそも規制庁は、モニタリングの技術などないと言っている。やれないことをやれるかのように言い安全をうたうのは、新たな安全神話にほかなりません。

予想されたことですが、質問中に与党席からヤジもありました。1万年に1回の巨大噴火に備えるのはムダだ、無理だという空気があります。
しかし、1万年に1回の災害でも安全機能を確保せよというのが原子力行政です。それはとりもなおさず、原発事故がもたらす「異質の危険」ゆえです。しかもあの東日本大震災は、多くの人にとっての「想定外」が現実となり得ることを示したではないか。

最後は、原発ゼロ、再エネ大量導入への転換を求めて、25分の質問を終わりました。

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