2018年6月10日
安倍働かせ方改革と「雇用によらない働き方」テーマで議論
全労連・非正規センターの全国交流集会2日目。昨日の全体会に続いて、今日は分科会とデモが行われました。全国から約600名が参加されたとのこと。
13用意された分科会のひとつ、安倍働かせ方改革と「雇用によらない働き方」をテーマとした分科会で講師を担当しました。
働かせ方大改悪の法案が国会で審議真っ只中というタイミング。大争点の高度プロフェッショナルはもちろん、過労死ライン合法化の上限規制や名ばかり同一労働同一賃金も問題だらけ。特に労働時間の異常データ問題は、労働時間規制を論じる前提を崩す事態に至っています。
「雇用によらない働き方」は、安倍政権が「多様な働き方」をうたうなかでねらわれる労働法制そのものの破壊を目指すものです。すでに業務委託や請負、一人親方などで問題とされてきたテーマですが、今後はIT化をテコにクラウドワーク、シェアリングエコノミーなど大幅な拡大を図っています。
働く者を雇用の外に置く。それは、保険や税金、仕事のための道具や材料などをすべて働き手の負担として、企業の側はコストをかけずに利益を上げる仕組みです。ライドシェアの例で言えば、タクシーより料金を下げさせ利用者を増やし、ドライバーからは仲介手数料をちゃっかり徴収する、ウーバーやリフトといった仲介業者=プラットホーム事業者は、初期投資さえすれば濡れ手で粟。
働く側は、年金や雇用保険はおろか、労働基準法も労災保険法も労働組合法も適用のないところで仕事をすることになります。
一方で高プロのように労働時間の規制を外し、他方で雇用関係から労働者を追い出す、これは、経済界が労働法の規制をいかに煙たがっているかを示しています。
むき出しの利益追求のために、働く者やサービスの利用者の安全が脅かされることとなってはならない。資本主義経済にあっても、公正な社会が求められます。現在の世界的な流れに、くさびを打ち込む国内外の共同が必要です。
私が参加した分科会には31名が参加されました。討論もたっぷり一時間。雇用外の働き方がすでに広がっている実態などお聞かせいただき、有意義な時間となりました。