法務委員会で名古屋入管でのウィシュマさん死亡事件について質問。
今日は入管集中審議という位置づけの審議で、与野党各党がこの問題で質問しました。
亡くなる約3週間前の2月15日、名古屋入管はウィシュマさんを「拒食者」ではないかと疑いはじめ、17日には拒食者として扱うことを決定、22日に本庁に報告しますが、23日には拒食者でなくなったと判断し、24日にその旨を本庁に報告します。この間の15日には、後にも触れる「飢餓状態」が疑われる尿検査結果が出ています。
入管のいう「拒食」とは摂食障害などではなく、「ハンスト」のことです。通達文書のなかに、拒食の理由や職員による説得を行うことなどが細かく記されていることからも明らかです。ところがウィシュマさんは、ハンストをしていたわけではありません。入管庁も「ハンストではない」と明言。ではなぜウィシュマさんを「拒食」と判断したのか。
通達では、拒食者について拒食の理由や健康状態を本庁に報告するよう定めています。どんな報告があったのか尋ねましたが、「わからない」という。
通達では、これらを勤務日誌に記録するよう求めています。どんな記録があるのか尋ねましたが、「手元にない」「個人情報だ」と拒みます。
そもそも入管庁は拒食者をどこまで把握しているのか。過去、何人の拒食者が報告されたかを尋ねたところ、「網羅的には把握していない」ーーこれでは、拒食者として報告を求めていても本庁は何もしていないに等しいではないか。
2月15日の尿検査は、ケトン体だけでなくウロビリノーゲンも3+という異常値が出ています。急性肝炎や、赤血球が壊れて起きる溶血性貧血などの疾患が疑われる数値。ところがこれは、報告書に一切触れられていません。なぜかと尋ねたところ、「報告書作成にあたって意見を求めた有識者から何も言われなかった」
さらにさかのぼり、1月26日の尿検査にも、ケトン体+が出ています。これだけでもさらなる検査を必要とする値です。いかなる対応をしたのか尋ねたところ、「わからない」
最終報告書が、報告書の名に値しないものであることが次々浮き彫りになっています。真相解明がまだまだ必要です。