2016年6月3日
選挙でいかに選ぶか
自民党作成のパンフ「国に届け」ーーこのなかのマンガ「軽いノリじゃダメですか?」には、早くから批判が集まっています。18歳選挙権をにらんだものですが、「軽いノリ」での投票を前提にするのは、初めて選挙権をもつ18歳19歳をあまりにもバカにした話ではないか。
男子は政治に関心があって女子は参院選すらしらないという設定には、もちろん唖然とします。それとともに、私はこの主人公の女子生徒が、とうとう誰とも意見を交わすことなくまるで投票先について議論するのはタブーであるかのようななかで投票するという設定に、違和感があります。
親とも友人とも話すことなく、スマフォで調べた候補者の「理念とか志とか」で決めている。そういう選択を否定はしませんが、パンフでこのように描くのは、こうあるべきという自民党の思想の表れでもあるのではないか。
しかし、これでは民主主義は、投票で選ぶだけ。あとは「国に届け」と祈るばかり。どんな政治を望むのか、そこへどうかかわるのか、選挙でいかに選ぶのかという視点は、まったくないように見えます。
投票の秘密は、国家に投票先を明かさないという自由であって、国民の間の自由な議論を妨げるものではない。しかしこのマンガからは、まるで誰に投票するかは秘密にすべきことのような印象を受けます。
引用した記事の最後には、「『若者は軽いノリでいい』。自民党がそう考えているなら、大きな勘違いと言わざるを得ない。」とある。若い世代は、いまの政治にもっと厳しい目を向けています。そのことを知ってか知らずか、批判の矛先を向けられたくない自民党の思いが反映したものか。
http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160603/k00/00m/010/002000c