2023年9月23日
交通政策について政府機関とパリ市でヒアリング
パリでの滞在最終日は交通政策について政府機関とパリ市でヒアリング。
2019年の法律で人権に適合し、誰もが移動できるようにすることが明確にされました。気候危機への対策やサービスの近代化も方向づけられ、様々に施策が進められています。
おもしろいと思ったのは、自動車移動の共有を図るシステム。毎日1億人の車移動があるものの、通勤目的のため75%が一人で運転。CO2の排出も多くなります。これを解決するために、「自動車共通移動」というシステムをつくり国が投資し、車移動を2以上でシェアしようとしています。
公共交通の整備を担当する助役は、「パリの車を半分に減らしたい。そのために鉄道の整備と自転車の活用を進めている。鉄道無料化と自動車の小型化が今後の課題」と。
この助役はフランス共産党員で、「フランスでは大企業にお金を出させて交通網を整備している。大成功だ」と楽しくお話しくださいました。とても有意義な懇談でした。
これらの合間に、今年6月、警官による少年の銃撃事件があったパリ郊外のナンテール市にも立ち寄りました。
移民の住民が多く、周辺に比べて所得が低いものの、経済的に著しく厳しい地域ではなく、今年夏に「暴動」と呼ばれる事態に至ったのは警官の差別的な言動が原因といいます。いまは静けさのなかにありましたが、フランス社会にいまも多くの分断があることを感じました。
土曜日にパリを経ち、東京に帰ります。