2016年9月1日
無秩序な「民泊」解禁でいいのか
「民泊」の調査で京都に。政府は今度、ホテルや旅館とは異なる業態として、民家やマンションの一室を宿泊に提供する民泊を全面解禁しようとしています。それが果たしてよいのか、すでに民泊が多く市も実態調査を行った京都市を訪れたもの。
市議のみなさんに現状をうかがい、市の民泊プロジェクトチームからも聞き取り。京都の旅館ホテル生活衛生同業組合のみなさんとも交流しました。旅館業の現場からは、無秩序な規制緩和に対してこのままではいけないという真剣な声を聞かせていただきました。
地域の方からも話をうかがいましたが、合法違法を問わずすでにいわゆるゲストハウスが相当に広がり、街の光景が変わっているそうです。平日でも多くの外国人が行き交い、宿泊先を探してインターフォンを鳴らしたりタバコや話し声による騒音など、様々に問題が起きているとのこと。
AirBnBという世界有数のサイトでは、京都で約4000件のゲストハウスを紹介(日本では東京の1万数千、大阪の8000〜9000に次ぐ規模)。実際にサイトで紹介されている民泊に行ってみました。普通のマンションの一室。ここが宿泊施設とは到底思えないところに、ひっそりとあります。
衛生面や火災の対策、対応など、責任が曖昧になるようなあり方は、宿泊者に対してはもちろん、周辺住民に対しても矛盾をはらみます。
現在2000万人の訪日旅客を、政府は4000万人(2020年)をめざすといいます。宿泊施設は不足します。しかしだからといって、なんでも提供できればそれでよいということには、ならない。