3日、超党派の議員連盟「原発ゼロの会」で福島第一原発を視察。私は今回初めて、事故後の敷地内に入りました。
驚愕する事実の連続で、また事故が決して終わっていないことを痛感しました。
事故後から原発対応の拠点となってきたJヴィレッジで概要説明を受け、構内までのバスに乗り換え。以前、帰還困難区域への出入りで検問となっていた頃に訪れた際には物々しい雰囲気でしたが、いまはすっかり変わっています。2018年にはサッカー場として使えるようにするのだとか…
福島第一の構内には、新しい事務棟や食堂も入った大規模な休憩施設が新設されています。私たちもこの食堂で昼食。メニューは定食、丼、麺などいずれも380円でかなりお腹がふくれます。6時から19時営業のローソンもあり、売れ筋はシュークリームだとか。1日6000人の作業員(東電社員を除く)が働いているといいます。
構内の視察に向かい、ホールボディカウンターでチェックを受け線量計を持ちます。服装がかなり簡素で驚きました。貸し出される靴下を二重に履き、靴をビニールで覆い、マスクをしてヘルメットも被りますが、体全体を覆うような防護服は着ないらしい。年々簡素化しているのだとか。
バスで構内を回ります。凍土壁のための冷媒をつくっているプラントで話を聞きます。今年6月から凍り始め、これからその効果を検証するとのこと。しかし凍らせたつもりでも地下水の流れで凍らない箇所や、地下30mまでの温度をセンサーが感知できていない箇所もあるそうです。冷媒を冷やすのに1万数千世帯分の電気を使うそうです。
1号機から4号機を見下ろす、海抜35mの地点でもバスの外を歩きます。原子炉建屋まで50mぐらい。線量はみるみる上がり、約170μSv/h。1号機建屋直近のモニターは1600μSv/hといいますが、その少し先を作業員の方が歩いているのも見えました。バスで通ったなかで最も線量が高かったのは2号機と3号機の間を通過した時で、253μSv/h。だんだん感覚がおかしくなります。
構内にはまだまだ瓦礫と化した部分があり、建屋の壁には津波が到達した高さの痕跡も。ひしゃげて移動した燃料タンクもそのままでした。
視察は1時間ほど。被ばく線量は0.02μSvでした。それでも視察を終えると、どっと疲れます。目に見えない放射線の恐怖をこんなに感じたのは初めてでした。その現場で日々働く方々には頭が下がりますが、作業員の方も含めて軽装になっているのは気になります。
今後、1号機から順に燃料プールから使用済み核燃料の取り出しを行うため作業が進められています。安全を確保しつつ、その経過は逐一明らかにすべきだと思います。建屋カバーは撤去され瓦礫が取り除かれ、事故後初めて、原子炉建屋内の様子が明らかにされます。事故経過と原因究明のためにも欠かせないプロセスであり、世界中が注目しています。