日弁連の貸金業法改正10周年シンポジウムに参加。勉強するつもりでうかがいましたが、ご挨拶の機会もいただきました。
2006年にグレーゾーンを撤廃する法改正がされ、サラ金被害に劇的な変化をもたらしました。当時、5社以上から借入れていた人は230万人だったのが、直近では10万人を切るぐらいに。多重債務を理由とする自殺は年間8000人が600人に。
10周年の成果を確認するシンポかと思いきや、新たな問題が起きつつあることが紹介されました。
2006年改正では貸金業者による貸付に総量規制が設けられ、年収の3分の1を超えて貸すことが禁止に。ところが銀行など金融機関の個人融資では上限はなく、いまや銀行系の貸付総額がサラ金を上回る事態とのこと。
言われてみれば、私も弁護士として担当した破産事件では、銀行系のカードを複数つくり方々から借り返せなくなったという例が。銀行は、サラ金業者に機関保証させ、与信審査もほとんどせず貸し付ける。シンポでも指摘されていましたが、金融緩和で銀行が簡単に資金を確保できるものの融資先がなく、安易に個人への貸付に走っているように思います。
低賃金で不安定な非正規雇用、消費の落ち込みで先行きの見えない中小事業者、健康保険料さえ支払うのが困難な年金生活者など、当たり前にくらすことができない実態があります。社会に出たときすでに借金を背負う奨学金制度があります。多重債務に苦しむ人を生んでいる政治を変えることもまた、避けては通れない課題です。
なお写真は、同席していた清水ただし衆院議員撮影。清水さん、ありがとうございます〜。
しまった、一緒に撮ればよかった!