21日、再びTPP特別委員会で質問に立ちました。
この日の委員会、私の前に質問した辰巳コータロー議員の質問に対して、政府が答弁不能に陥り審議が中断。辰巳さんの質問は、政府がTPPを先取りして国内のルールを歪めていることを明らかにしたものでしたが、そのことを正面から認めようとしない。素直に認めればいいのに。
私は16日に引き続きISDS条項を取り上げ、司法権をも侵すものだと指摘しました。
外国投資家が日本で裁判を起こして敗訴し、それがけしからんとISDSで国際仲裁に持ち込み、仲裁では勝つという矛盾が起こり得ます。負けた政府は賠償するのかと問うと、仲裁に従い賠償すると石原大臣。それだけでも大問題。
一方で金田法務大臣は、日本が仲裁で負けてもその判断に従わない場合があることを前提に、投資家が強制執行の手続きをとれば、そのなかで公序良俗違反を主張できると答弁。仲裁で負けても、日本の裁判所で勝っていれば、判決自体が立派な「公序」となるからです。
一体どちらに従うのか。
岸田外務大臣は、仲裁と判決の両方を踏まえ、ISDSの手続きが無意味にならないようにすると。
結局、ISDS条項を盛り込む以上、その判断を尊重せざるを得なくなるのです。そもそもが投資先国の司法制度を信頼しない投資家のための制度なので、当然と言えば当然。国内裁判所の判断は仲裁判断の下に置かれ、主権を侵害する事態は明らかです。
わかりにくい話で大変恐縮です。
しかし法律的には、どうにも納得できない、納得しようのない事態に直面していることを明らかにしたい気持ちで臨みました。
日本の裁判所の判断は、必ずしもいつも国民の利益を実現するものではありません。しかし、労働事件や公害事件など、様々な分野で勝ち取ってきた判例の蓄積があります。解雇権濫用法理のように、判例から法律になったものもあります。そうした判例法理すら、ISDSによって破壊されかねない。現に世界的には起きています。決して許すわけにはいかない仕組みです。
下記は22日付しんぶん赤旗。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-11-22/2016112202_01_1.html