国土交通委員会で議員立法の質疑に立ちました。法案は「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律案」。
建設業では重大な労働災害が増加傾向にあり、2015年の年間死者数は327名に上ります。雇用されて従事する労働者、個人事業主である「一人親方」を問わず、建設工事に従事する人の安全と健康の確保は重要な課題であり、日本共産党も法案の発議に賛同しました。そこで今日は、政府の認識を問う立場で質問。
公共工事の設計労務単価はこの間、引き上げられてきました。処遇を改善し担い手を確保するためです。
ところが、相場が上がったはずなのに現場の賃金は上がらない。むしろ設計労務単価との差は広がっています。なぜなのか。大臣にその認識を質しましたが、理由らしい理由を説明しません。
私は、背景には多重下請け構造における中抜き(ピンハネ)の影響もあるのではないかと問いました。ところが、国交省も厚労省も、下請け各層における賃金額について把握していません。長年問題とされてきたのに、調査すらしないのはおかしいではないか。問題意識すらないということなのか。
今度の法案との関係では、社会保険料など法定福利費について、一人ひとりの労働者まで確実に行き渡るようにすることが求められます。
国交省は来年4月から、社会保険の加入義務があるにもかかわらず未加入の事業者について、現場に入れないとの方針を示しています。しかし、請負代金が安くて加入したくてもできないという実態がある。値切るゼネコンに、下請けは従うしかないのが現実です。だからこそ今度の法案なのであり、実効性を確保する必要があります。
処遇改善、担い手確保というのなら、下請け各層の賃金の実態、法定福利費が適切に支払われているか、少なくとも調査を行い正していくべきだと問いました。国交省は、「いろいろな実態調査をしながら適切に対応する」と述べましたが、確実に行う必要があります。
建設労働者のみなさんが傍聴に来られており、終了後に私の部屋にもお見えになりました。少しでも現場の力になれるよう、今後も実効性の担保に努めたい。