山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2017年1月31日

タクシー初乗り410円への疑問

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1月30日から、東京23区などでタクシーの料金体系が変わりました。「初乗り410円へ」という見出しで、テレビも新聞も大きく取り上げています。私も昨年12月に消費者問題特別委員会で取り上げたテーマ。

はじめの約1kmまでが410円。その後1.7kmまでは値下げとなり、6.5kmを超えると値上げとなります。
報道では、値下げで利用しやすいという利用者の声を前面に出すものがほとんど。訪日外国人客にも利用が広がると期待するものも。

しかし、取材されたドライバーのなかには、減収をおそれる声もありました。東京では、都心部で25%、住宅街で30%の利用者が初乗りで降りています。ドライバーにとっては、値下げの減収をカバーするには深夜や長距離、あるいは深夜かつ長距離の利用者を待って稼ぐしかありません。いまでも年収約390万円、決してもうかる仕事ではなく、しかし労働時間は他の産業より年間270時間も長い。

タクシー利用者が減り続けるなか、規制緩和でタクシーの数は増えてきました。過当競争を防ぐための公定運賃が下げられると、仮に利用者が多少増えたとしても、さらなる競争の激化は避けられない。結果として減収や深夜に及ぶ長時間労働となる可能性が高いことは容易に想像できます。労働条件に多大な影響を与える、そうなれば安全も確保できないではないかと政府に問えば、事後的な検証で対応するとの答弁。ほとんど見切り発車です。

タクシー運賃という一種の公共料金を下げるということは、その分はどこかにしわ寄せが行く。それが輸送手段の最低限の条件である安全を脅かす事態となっては、ならない。

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