ミャンマーでの3日目は、ヤンゴンから首都のネーピードに向かいました。北へ約300km、2006年に首都機能移転でつくられた人口都市です。
標高の低い山脈を見ながら北上する飛行機からは、見渡す限りの荒野が。真新しい空港から、何車線もある道路をさらに北上すること40分。途中の道端には牛が行き来するのを見つつ、国会や官庁のある地域にたどり着きます。ただし、官庁街ではなくそれぞれの省庁がとんでもなく離れています。
計画財務省、工業省、教育省、運輸・通信省をまわり、それぞれ大臣や副大臣と意見交換しました。
計画財務大臣に、スーチー氏も述べている「法の支配」について質問したところ回答のなかで、「(民政移管という)表面的な変革は簡単に見えるが、国民の意識が変わるのは時間がかかる」と話されていました。
JICAで政策にかかわっている方は、地方に行くとこのことを強く感じるとおっしゃっていました。軍隊式の影響が色濃く残り、地方は中央の命令でしか動かない、動けない。結果として中央の命令を待つだけになる。地方で行政に当たるのも中央政府から派遣される国家公務員で、順繰りに異動するので地方に定着した政治にならないとのこと。
ミャンマーでは、1962年から続いた軍事政権が88年の民主化運動を封じ、2011年に軍人による民政化、2016年、満を持して選挙を通じた本格的な民政移管を成し遂げました。その歴史には、人々の長い忍耐とたたかいの力を感じます。その力が本当に発揮され民主政治を軌道に乗せるには、相応の時間がかかるかも知れません。そしてそのことを認識した上で政治に当たる姿勢に、新鮮な思いがしました。
写真2枚目は、チョウ・ウィン計画財務大臣と。