山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2017年3月18日

残業時間の上限規制に重大な「抜け穴」

17日、残業時間の上限規制につき、働き方改革実現会議で新たな案。13日の経団連と連合との「労使合意」を受けたもの。そのなかで、重大な「抜け穴」があると指摘されています。

いわゆる過労死ラインとされる2〜6か月平均80時間や1か月100時間の残業は、法定労働時間を除くすべてを含みます。平日はもちろん、休日出勤すればその分も。
ところが、政府が上限規制として検討している月45時間、年360時間は、あくまで「時間外労働」分であり、「休日労働」分は含まない。そして特別条項による年720時間にも休日労働は含まないーーこのことは、15日の予算委員会で私が質問した際にも、加藤大臣が述べています。

13日の「労使合意」では、繁忙期の80時間や100時間には休日労働を含むとしたものの、720時間には含むとはしていません。するとどうなるか。

6か月までOKという繁忙期は月80時間働かせる(休日含む)、繁忙期以外は時間外は月45時間までですが、このほかに週一の法定休日については別枠となるので、例えば日曜日のたびに10時間出勤すれば、10時間×4週=40時間。繁忙期以外でも、例えば月85時間の残業が合法となります。
繁忙期であろうがなかろうが、休日労働を駆使すれば恒常的に過労死ラインで働かせることにーー。

この矛盾は、元々厚労省の所管する労働基準法を、働き方改革実現会議なるものを設けて担当大臣まで置き、「時間外労働」だけを議論し「休日労働」を置き去りにしてきた結果にほかなりません。現場の実態を見ることなく、また働く者の立場に立つことなく進めてきたために、ここへきてボロが出たということではないか。

もちろん、過労死ラインを前提とする上限規制を設けるということ自体が、許しがたい。このまま決定させるわけには、いきません。

(朝日新聞記事)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170318-00000013-asahi-pol

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