国土交通委員会の予算委嘱審査でスーパー堤防を取り上げました。
東京の荒川や江戸川、大阪の淀川など全国で5水系、計120kmで高規格堤防が計画されています。通常の堤防を越える洪水が来ても、決壊しない堤防、なだらかな勾配で越水が流れ壊滅的被害を防ぐというのですが、高さの30倍の幅で堤防を拡大するため莫大な費用と時間がかかります。民主党政権で一時凍結されたものの、国交省の巻き返しで部分的に復活。
現在の整備率は、約2.8%、3.3kmに過ぎず、国交省はいつ完成するか「見通しを示すことはできない」と。1987年から30年で2.8%なら、単純計算で完成まで1070年もかかるではないかと言うと、他党の議員から失笑が漏れる。
江戸川区北小岩で強引に進められている事業では、今年1月、国が約束した地盤の強度不足が明らかに。堤防上に住宅を建てることが許される、スーパー堤防ゆえに起きた事態に怒りが広がっています。国交省は対策をとると述べましたが、いつまでとは語れない。事業自体の合理性を揺るがす事態ですらあると思います。
そもそも矛盾に満ちたスーパー堤防事業を進めるのはなぜなのか。建設業界も旧建設省も、建設残土の受け入れ先としてスーパー堤防を考えていました。いまもリニア新幹線やオリンピックなど、残土が想定されつつその処理先を探している事業がたくさんあります。そのはけ口としてのスーパー堤防であってはならないではないかと問うたのに対し、大臣は、残土処理のための事業ではないと明言。さすがにこれを肯定するわけにはいかないと踏んだようです。
事業中止を求め、引き続き取り組みます。