山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2017年6月1日

共謀罪法案 参考人から多くの疑問・指摘

参院法務委員会、1日は午前中参考人質疑で午後は対政府質疑が行われ、私は参考人質疑を担当しました。

与党推薦の西村弁護士は、TOC条約の立法ガイド日本語訳に誤訳がある、条約批准のために共謀罪が必要と。与党議員もその発言を繰り返し述べさせていました。
しかし、野党推薦の二人の刑事法学者、新倉教授、松宮教授がそれぞれの角度で共謀罪法案の矛盾と問題を明らかにしていきます。傍聴にいらした方にも、わかりやすい対比だったのではないかと思います。

私は、主に松宮教授に質問。
冒頭の意見陳述のなかでも特徴的だったのが、政府案もすでに、TOC条約を文字通り墨守する必要はないことを前提としているとの指摘。従来の676から277の罪に「絞り込んだ」と評価する政府ですが、それは4年以上の自由刑を対象に合意罪をつくることを求める条約に、形式的には反します。「共謀罪をつくらなければ条約には入れない」論は、政府自ら否定していることになる。

条約の目的は、捜査共助・司法共助にあります。国際組織犯罪の情報を交換したり、犯人の引渡しをしたり。その際問題となるのは、「双罰性」といって、お互いの国で同じ行為が罪となるかどうか。それは実質的に罪となればよいのであって、字面だけを追って同じ罪を書き込めばよいというものではない。
むしろ問題となるのは、日本が死刑を残していること。ロシアを含むヨーロッパの国など死刑廃止の国々は、条約上、死刑が残る国への犯罪人引渡しを拒むことができます。条約に入ったとしても、こうした問題で条約の目的を達することができない。共謀罪などつくらなくとも加入できるのだから、もっと議論すべき点があるのではないかーー。

そのほか、法案のいくつもの論点で矛盾や問題をご指摘いただきました。今後の審議に生かしていきたい。
ことは刑法犯を定める法律です。問題を残したままにすることは、人権侵害に直結します。もちろん、外務省が「精査が必要」だという国連特別報告者への回答も、審議の必須アイテム。

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