新国立競技場の建設現場を、調査で訪れました。現場監督の過労自死事件を受けて、現場の状況と再発防止策を聞くためです。
亡くなったとされる前1ヶ月に212時間に及ぶ超長時間労働を強いられ、かつ会社には過少申告させられていた23歳の男性。
担当していた場所は工期が遅れていたといいます。今日、現場で説明した日本スポーツ振興センター(JSC)の担当者は、遅れがあっても全体としては大きな問題ではなかったという認識でしたが、それならなぜこれほどの長時間労働になったのか。
現場は、大会組織委員会のセキュリティガイドラインにより入退場が厳しく管理されています。静脈認証システムという装置で、元請の大成建設は、すべての作業員の入退場を把握していたことになります。
JSCの説明では、システムは防犯上の設備であって労務管理のためではないというのですが、把握していた事実は大きい。だいたい今日見てみると、認証システムには「出勤」「退勤」というボタンまである。入退場というより、出退勤を把握していたというべきです。
今回の事態を受けて、20時以降は詰所を閉鎖することとしたほか、システムのデータを事業主に提供し活用を促すことにしたといいます。
現場内には休憩施設や女性用も含めたシャワー室があり、健康相談所やウォッシュレット付トイレなど他の現場にはない設備も。現在は毎日約1000人が働き、内装工事に移ればその数は倍になるという。暑さも寒さも厳しい作業。少しでも快適に、かつ安全を絶対とする作業が求められます。
衆議院の宮本徹さん、畑野君枝さん、参議院の吉良よし子さん、都議会の里吉ゆみさん、とくとめ道信さん、いび匡利さんとご一緒しました。現場内は撮影禁止といい、入り口付近の写真です。