2016年4月5日
特別養護老人ホームとグループホームを視察
世田谷区で特別養護老人ホームとグループホームを訪れました。「介護難民」とも称される事態、対策はいまや喫緊の課題です。
特養「芦花ホーム」の石飛医師は、いまでも珍しい特養の勤務医。「平穏死のすすめ」の著者で、ホームでの看取りを進められています。「口で食べる」ことを強調され、胃瘻など経管摂取に頼らず自然で人間らしい生き方を大事にされていることを感じました。
老衰は誰にでも当然に訪れるものであり、病気を発見すればその完治を目指すという医療のあり方とは別の視点での対処が必要と。「看取り」は医師が担うもう一つの仕事だという指摘は、本質的なものだと思います。
介護に当たる職員のみなさんは、事故が起きたとき家族や上司に叱られることより、自らの責任を真っ先に考えるそうです。それだけの職責を負って仕事をしている方々の、その役割に見合った待遇を保障することは、高齢社会における政治の責任だと思います。
どちらの施設も、利用者のみなさんが明るく楽しそうにされていたのが印象的です。人生のターミナルを、人間らしく迎えられる社会でありたい。