2016年4月10日
「ルポ老人地獄」を読みました
朝日新聞経済部による「ルポ老人地獄」を読んでみました。「老後はブラック」という見出しが書店で目につき。昨年12月の出版。2014年1月から2015年3月まで連載された「報われぬ国 負担増の先に」が基になっています。
都市でも地方でも、「下層化する老人」が生々しく描かれ、目を覆いたくなるほど。
夫婦で月30万円の年金、過不足なく老後を過ごすかに見えた2人が病気のために高額な医療費がかかりみるみる困窮に陥る。「老人ビジネス」でサービスとも呼べない介護事業で利益を上げる事業者、汚職にまみれる政治家。生活保護受給者に対しても国保料の差し押さえを辞さない自治体。
私たちのすぐ近くで、「下層」が広がっていることに、いまさらながら驚愕。
川崎市の有料老人ホームで入所者3人が相次いで転落死し、職員が逮捕される事件がありました。職員の入れ替わりが激しいホームだったそうですが、果たして職場はどのような環境だったのか。
介護・福祉労働者には非正規も多く、賃金は全産業平均より月10万円低い。離職率も高い。人間らしい老後のための職場で働く人が、人間らしく生活できないと辞めていく事態は、一刻も早く改善すべきです。
共産党を含む野党が国会に提出した介護職員処遇改善法案について、塩崎厚労大臣は理由もなく「政府は反対だ」と断言。自公やおおさか維新は反対討論すらしない。
誰にでも訪れる老後です。誰もが安心して迎えたいと願っています。そのための法案について、「なぜ反対か」すら言えない安倍政権とその補完勢力。安保法制であんなに「国民の命を守る」といいながら、私たちのくらしを預かる自覚は全くないのでしょう。早く国会から立ち去っていただきたい。