2016年5月10日
全貌が明るみになった「パナマ文書」
「パナマ文書」が注目されるタックスヘイブン。租税回避地のペーパーカンパニーに出資する大企業や大資産家が、これだけまとまって明るみに出たことが世界に衝撃を与えています。日本関連でも設立された24の法人、400近い出資者の名前があったとのこと。
租税回避の仕組みと、これを大富豪たちが「活用」してきたことは、次の記事でも明らか。
タックスヘイブンの利用を企業の「努力」や「工夫」であるかのように評価する向きもありますが、単なる税逃れでしかない。
日本では、大企業に対して大減税が続けられています。国税と地方税をあわせた法人実効税率は3年連続の減税が狙われ、2013年度に37%だったのを29.97%に、さらに下げていくと。
株で儲け減税で恩恵を受けた企業が最終利益を増やしても、その分は働く人に回らず、もちろん下請けへと回る保障もなく、株主の利益を膨らませるばかり(トリクルダウンの破綻…)。しかもその株主の利益がタックスヘイブンに流れ、本来納めるべき税金すら逃れている。政府は「パナマ文書」報道を受けても調査しないと言います。
大企業と大資産家に対して、何重にも甘い汁を吸わせる政治。誰を向いた政治なのかが、こんなにわかりやすいことはない。