爆発的な感染拡大が進み、しかし危機感を共有しない菅首相のもとで楽観論も広がり、見通しのないまま明日から緊急事態宣言が拡大されようとしています。
菅首相や小池都知事は、「ワクチン接種が進み高齢者の感染は減った」「重症者も少ない」「医療提供体制は第三波と違う」などと言い続けてきました。確かにどれも間違いではありません。しかし、そんなに大丈夫だと言うならなぜ宣言は拡大・延長なのか。
SNS上でも「陽性者数だけでみるべきでない」「なぜいまだに医療ひっ迫なのか」という意見が散見され、政治の発信がますます不信を広げています。
東京都がいう「重症者」は国の基準より狭く、①人工呼吸、②ECMO(人工肺)とされます。一方、「重症患者に準ずる患者」は、③ハイフローセラピー(高濃度酸素吸入)、④①〜③が間もなく必要、⑤①〜③から離脱直後、⑥①〜③はないが生命の危機、をいい、いずれも一般的な印象では重症というべき状態です。
この①〜⑥の合計は、東京ではすでに第3波の水準に達しています。しかもこれらのピークは新規感染者のピークから遅れてやってきますが、今回はまだ新規感染者のピークが見えず、さらに増えると予想されます。
母数が増えれば、重症者も「準ずる患者」も当然増え、病床も医師や看護師も不足し、医療はひっ迫します。
感染拡大のフェーズが変わり、重症者しやすい高齢者の感染を抑えればよいという段階ではないのに、政治が遅れた認識を広げているのでは行動変容は期待できない。なによりも首相や都知事の行動変容、認識の変化が求められています。
グラフは医師で比例東京ブロック予定候補の谷川智行さん作成。この間、感染状況と医療の現状を詳しく分析し発信されています。