山添 拓 参議院議員 日本共産党

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2023年5月11日

日米の宇宙大軍拡について質問しました

外交防衛委員会で日米の宇宙大軍拡について質問しました。日本は長年、「宇宙の平和利用」を原則としてきましたが、2008年の宇宙基本法から軍事利用に道をひらき、安保3文書でいっそう突き進もうとしています。その危険性を指摘し、軍拡競争ではなく軍備管理・軍縮に向けた交渉のために力を尽くすべきと求めました。外務大臣もその必要性を否定はできませんでしたが、実体が伴っているとは言えません。

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 日本共産党を代表し、日米宇宙協力に関する枠組協定に反対、二国間航空協定に関する日・EU協定、及び、サイバー犯罪条約の第二追加議定書に賛成の立場で討論します。

 以下、日米宇宙協力に関する枠組み協定の反対理由を述べます。

 本協定は、日米間の宇宙分野における協力の基本事項を包括的に定めるはじめての協定であり、運用・探査、輸送、航空技術など幅広い分野を対象に「日米同盟の協力分野をいっそう広げること」がねらいとされます。

 政府が昨年閣議決定した「安保3文書」の一つ、国家安全保障戦略は、「宇宙の安全保障分野での対応能力を強化する」とし、続く宇宙開発戦略本部の宇宙基本計画工程表は、今年夏を目途に宇宙安全保障構想を策定するとしました。

 4月に公表された宇宙基本計画の改定案は、「安全保障のために宇宙システムの利用を抜本的に拡大していく」とし、敵基地攻撃能力となるスタンド・オフ・ミサイル等の実効性確保のための衛星コンステレーションを活用した情報収集体制の構築、準天頂衛星システムの開発・運用、極超音速滑空兵器(HGV)の探知・追尾のための技術実証など、米国との連携を含めて軍事利用を大幅に拡大しようとしています。

 本協定は、こうした日米の戦略的とりくみを推進するものとなるのは明らかです。

 日本版GPSとされる準天頂衛星2機に、米国宇宙軍のセンサーを搭載するといいます。2016年、当時の安倍首相は「米国の宇宙軍事利用の補完とか従属では全くない」などと答弁していましたが、元々米国の求めに従った増備であり完全なごまかしでした。

 日本の衛星のセンサーが収集した情報を米軍に提供し、米側が攻撃することになれば、特定の国の武力行使を直接支援するために偵察行動など情報収集を行う、武力の行使の一体化と評価される事態も容易に想定されますが、質疑を通じてもまともな認識は示されませんでした。

 宇宙空間を利用した情報収集は、米国が進めるIAMD構想に不可欠です。日米一体で敵基地攻撃とミサイル迎撃を行おうとするものであり、認められません。

 米中ロが開発・配備競争を進める極超音速兵器については、軍拡競争をあおるのではなく、軍縮のための外交を日本が先導すべきです。

 国境のない宇宙空間で軍事利用を広げれば、平和と安全が脅かされることは明らかです。米国主導の宇宙軍拡を是認する本協定は、わが国が長らく堅持してきた「宇宙の平和利用」原則とはとうてい相容れず、承認できません。以上、討論とします。

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