2023年6月14日
刑法及び母体保護法改正案を提出
日本共産党として、刑法及び母体保護法改正案を議員立法で参議院に提出。倉林明子さん、吉良よし子さんとともに、発議者として事務総長に法案を手渡しました。
4月に経口中絶薬が薬事承認され、人工妊娠中絶のあり方が大きく変わります。宮本徹さんが厚労委員会で質問しており、リプロダクティブヘルス&ライツの遅れの打開は緊急の要請です。この機に党として法改正も提案しようと相談してきました。
法案の柱は次の2点です。
第一に、刑法の自己堕胎罪、同意堕胎罪、業務上堕胎罪と致傷罪を廃止する(不同意堕胎罪は残ります)。
第二に、母体保護法の配偶者同意要件を廃止します。暴行脅迫による妊娠など対象の限定要件も廃止します。
堕胎罪は「おなかの子どもも家長のもの」という家父長制に根ざしたもので、望まない妊娠で中絶を躊躇させるスティグマとなり、女性の自己決定権を奪ってきました。男性配偶者が同意すれば罪でなくなるという母体保護法にも合理性はありません(母体保護法は旧優生保護法。議員立法で当初から配偶者同意要件がありましたが、なぜ必要かという説明はされていません)。中絶の非犯罪化という国際社会の流れを踏まえ、堕胎罪そのものを廃止すれば、配偶者同意要件も対象の限定要件も意味をなさなくなるため必要なくなります。
なお、中絶は指定医師によるという要件もあり、高額な中絶費用も大きな問題です。「掻爬法」と呼ばれる外科的処置を行う医師としての指定であり、経口薬が一般化されれば必然性はありません。そこで法案では、指定医師の制度のあり方や中絶の保険適用など経済的負担の軽減策について、検討条項に盛り込んでいます。
参議院法制局の調査では、この内容の法案が国会に提出された例は過去にないとのこと。一石を投じ、実現させることができるよう努力したい。