2023年7月27日
日本最西端の与那国島へ
赤嶺政賢さんと先島諸島を訪れています。今日は日本最西端の与那国島へ。私は与那国も八重山諸島も初めてです。自衛隊基地や港湾整備の計画地を視察するとともに、住民のみなさんとも懇談しました。
東京から2000km、台湾までは110km。台風の影響で今日は望めませんでしたが、晴れた日には台湾の山並みが見える国境の島です。
戦後、自衛隊も米軍もいなかった島に2016年、陸自の「沿岸監視隊」が置かれました。今年度は電子戦部隊を配備し、ミサイル部隊も配備するといいますが、住民も議会も聞かされていなかったことでした。ましてや敵基地攻撃能力となる長射程のミサイルを置けば、標的となることは目に見えています。
政府もその懸念を前提に、戦争になれば避難できるようにするとか、シェルターをつくるなどといい、先日も官房長官が訪れ町長と懇談したようです。しかし、いくらその瞬間に逃げたり隠れたりできたとしても、その後はどうなるというのか。
人口減が続くなか、公共事業のように地域のためになればと思い誘致に反対しなかった人もいたでしょう。蓋を開けてみると、自衛隊関係者が所得を押し上げたものの元からいる人の収入は増えず、しかし家賃は上がったといいます。漁業者は、漁に出るより尖閣諸島の監視に出た方が実入りがいい、農業も、耕作放棄地が広がり、経済は決して好転せず、人口減少も止まりません。
「こんなはずではなかった」というのが、あらゆる面での実感ではないか。
そして「このままでは住み続けられなくなる」ーー産業が衰退し、若い世代が戻らず、いつ何時戦争になるかと脅されるなかでは、いまのうちに移住しようとする人が出るのもうなずけます。
政治は戦争準備ではなく、外交努力で戦争を回避すべきです。島で住み続けられるよう希望をもてる支援こそ必要です。