2023年9月20日
パリ滞在3日目は国民議会から
パリ滞在3日目は、まず日本の衆議院にあたる国民議会へ。仏日友好議連会長と懇談した後、議会内を見学。フランス革命後の1798年から使われている歴史ある建物です。昼食をとりながら女性の権利と男女共同参画を担当する委員会の委員長とも懇談しました。
衆参で国会を構成する日本と異なり、フランスは元老院と国民議会はそれぞれ独立の存在で、直接投票で選ばれるのは国民議会です。
パリテの実現についてうかがうと、話は雇用における女性の地位向上へ。政治分野で女性が増えるということは、経済社会的な男女の平等と不可分の問題でありそれが国民的な意識を変え、立候補する女性が増え、女性候補に投票する国民も増えるということなのだと実感します。
候補者を男女同数にしなかった政党には、ペナルティとして政党助成金が減額されます。その実例はあるのかとうかがうと、「私の政党が罰金になった」と仏日議連会長。結構な額だそうですが、右翼政党で元々地域で長く活動を重ねてきた男性候補者を出さざるを得なかったのだとか。
午後は女性と家族の人権に関する情報センター全国連盟(FNCDIFF)で懇談。
1972年に設立され、困難な女性に対する情報提供や相談を約100県の全県で実施。相談の多くがDVを背景とするものだといいます。フランスではひとり親家庭が利用できる支援も多くありますが、それだけでは最低賃金にも満たないため、働いて自立できるような支援を行っているとのこと。
特に問題となってきたのが父親からの養育費の支払い。父親が支払いを拒んだり支払い不能の場合に、国の基金で立替払いする仕組みがあります。元は暴力被害に遭った母親を対象としていましたが、最近対象を拡大。フランスは共同親権の国ですが、その下で子の養育が脅かされる事態が起きていることを学びました。
夜は外務省のプログラムを離れて、フランス最大の左翼政党である「服従しないフランス」の議員と懇談。
昨年末、東京でお会いしたサントゥール議員と再会を果たし、新たにエルシリア議員、マチルド・パノー議員団長とも交流することができました。同党はフランスで数少ない反原発を掲げる政党であり、福島第一原発の汚染水放出についての国内の受け止めを聞かれました。また中絶合法化のための憲法改正案を国会に提出し、両院で可決されたということも話題に。
フランスで友人を得て、とても有意義な懇談でした。