2023年9月22日
グランド・パリ・エクスプレスの建設を進める公営企業
パリ5日目。今日は朝から冷たい雨でしたが夕方には上がり、素晴らしい青空に。それでも気温は低く、一気に秋めいています。
午前中はグランド・パリ・エクスプレスの建設を進める公営企業へ。すべての道はローマに通ずと言わんばかりに、フランスは多くの鉄道がパリを起終点としておりパリ郊外から別の郊外へ行くには一度パリに入る必要があります。これを解消し、新しい人の流れをつくるために2016年に決定したのがグランド・パリ・エクスプレスで、シャルル・ド・ゴール空港への路線なども含めて200km、69の駅をもつ5つの地下鉄道を15年で建設しようとしています。パリ中心部の地下鉄はやはり全部で200kmほどですが完成まで100年以上かかっており、いかに急ピッチの計画かがわかります。
この会社は建設だけを担う公営企業で、運営はパリを含むイル・ド・フランス地域をカバーする別の事業者が入札で決めます。代表は知事がつとめ、パリとその周辺8県で構成。
この事業者の収入の半分はパリ市内に事業所をもつ従業員11人以上の企業が負担しています。従業員がいるということは通勤に鉄道を使うのでそのコストは負担しようという発想で、中心に行くほど負担率は高く、従業員に対する給与支払額の2〜3%だそうです。
日本の鉄道事情とは何から何まで違っていて、「公共交通」という位置付けがはっきりしているように思います。とても興味深く学びました。