山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2024年・第213通常国会

武器輸出大国へ進むな 次期戦闘機共同開発条約 本会議質問

○山添拓君 日本共産党を代表し、次期戦闘機共同開発条約、GIGO設立条約について質問します。
ICJ、国際司法裁判所は、二十四日、イスラエルに対し、ガザ地区南部ラファでの攻撃を直ちに停止するよう暫定措置を命じました。法的拘束力のある命令です。
ところが、イスラエル政府は、ラファでの軍事行動はパレスチナ市民の殺害につながらないなどと述べ、命令後も攻撃を続けています。政府は、どう認識し、どう対応していますか。日本政府を含め、ガザ攻撃の国際法違反を正面から非難しない姿勢が国際法や国際裁判所の判断を無視するイスラエルを助長してきたのではありませんか。即時停戦のために日本政府はいかなる外交を行うのか、答弁を求めます。
米国バイデン政権は、十四日、イスラエルに対して砲弾や戦闘用車両など総額十億ドル、千五百五十億円以上の武器を売却する方針を議会に通知したとされます。こうした米国の姿勢がICJの命令をも意に介さないイスラエルの攻撃続行を可能にしているのではありませんか。
政府は、二十四日、ロシアによる北朝鮮からの武器調達に関し、ロシア関係者の資産凍結など制裁措置を強めることを決めました。その理由は何ですか。
イスラエルに対しても、ロシアに対しても、第三国による武器輸出が戦闘の継続を支え、犠牲を拡大している現実をどう認識していますか。
以上、外務大臣の答弁を求めます。

〔副議長退席、議長着席〕

本条約は、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の開発、生産、輸出を管理し推進するための政府間機関、GIGOを設立するものです。
モデルとされたNATOユーロファイター・トーネード管理機関、NETMAは、二つの戦闘機の共同開発や輸出を管理するNATOの一機関です。しかし、日本はNATOの一員ではありません。なぜNETMAと同様の組織をつくるのですか。米国以外のNATO加盟国と初めて戦闘機の共同開発を行う狙いは何ですか。
次期戦闘機に関する共同首脳声明は、抑止力の強化を強調しています。一方、パートナー国となる英国は、二〇〇三年、イラク戦争に参戦し、二〇一一年、リビアの内戦に介入、二〇一四年からイスラム国への空爆を始め、二〇一八年にはシリアの化学兵器施設への空爆に参加するなど、各地で戦闘行為を繰り返してきました。イラク戦争をめぐっては、二〇一五年、ブレア元首相が誤りだったとして謝罪し、翌年、独立調査委員会が根拠なき戦争だったと断罪するに至りました。この四半世紀に限ってみても、英国が中東地域で平和と安定を壊してきた事実をどう認識していますか。その英国との戦闘機の共同開発がなぜ日本にとって抑止力向上と言えるのですか。
二〇二二年十二月、政府と与党が次期戦闘機の共同開発を決めた時点では、日本から第三国への輸出は行わない前提だったといい、翌二〇二三年一月から三月にかけて、英国やイタリアが輸出による貢献を求めていることを認識したとされます。事実なら、協議入りした直後に前提が崩れていたことになり、余りにも不自然です。英国やイタリアが輸出に関心を持っていることはNETMAの実績からも当然予想されます。むしろ当初から輸出を前提に協議に入っていたのではありませんか。ごまかしはやめるべきです。
輸出による価格低減努力とは、日本からの輸出解禁で販路を拡大し、量産で売上げを増やし、相対的に開発コストを抑える狙いにほかなりません。次期戦闘機の開発に関わって、これまで支出した国費は幾らですか。安保三文書の五年間で幾らと見込んでいますか。開発費の総額に上限は設けますか。青天井に開発費をつぎ込み、利益を確保するには売りさばくしかないとばかりに突き進むつもりですか。お答えください。
輸出の対象は次期戦闘機に限るといいます。しかし、与党協議の座長だった小野寺五典元防衛大臣は、戦闘機というハードルの高い装備が最初に認められた、第三国移転の道は開けた、新しい案件を追記していけばいいだけで、何の制約もないなどと早々に述べました。最新鋭の戦闘機が輸出可能なら、艦船や弾薬など、あらゆる殺傷兵器も輸出できて当然と考えているのではありませんか。
現に戦闘が行われていると判断される国へは輸出しないといいます。現時点でそれは何か国あり、具体的にはどこですか。
衆議院で政府は、米国について、米国内において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していないと答弁しています。国外で侵略していたとしても、国内で戦闘が行われていなければ現に戦闘中ではないということですか。基準が全く定かでなく、幾らでも恣意的判断ができるのではありませんか。
輸出に当たり、二重の閣議決定で厳格なプロセスを経るといいます。閣議決定に至る政府・与党協議の資料や議事録は公開しますか。プロセスは全く不透明ではありませんか。
以上、防衛大臣の答弁を求めます。
外務大臣は武器輸出の制限について、原則について、国連憲章を遵守するとの平和国家としての理念を引き続き堅持していくと述べています。しかし、日本の平和主義は、国連憲章のみでなく、憲法九条に立脚するものです。憲法に基づく平和国家の立場をどう認識していますか。
国際紛争の助長を回避するため、武器の輸出は行わない。武器輸出禁止は、一九七六年に三木内閣が政府統一見解として表明し、一九八一年、衆参本会議の全会一致の決議は、日本国憲法の理念である平和国家としての立場を踏まえ、これを国会の総意と確認しています。
その後、政府は、武器輸出禁止を非核三原則と並ぶ国是であると国会で繰り返し答弁してきました。殺傷兵器の最たるものである戦闘機の輸出まで解禁するのは、国是としてきた武器禁輸をいよいよ骨抜きにするものです。到底許されないのではありませんか。
以上、外務大臣の答弁を求めます。
次期戦闘機は無人機との連携機能が特徴とされ、日米で共同技術研究に合意しています。人工知能、AIに有人機の戦闘パターンを学習させ、自律的に攻撃したり、おとりになったりするといい、その最大のメリットは、撃ち落とされても人が死なないこととされます。AIが自律的に攻撃するなら、敵に照準を合わせ、発射ボタンを押す心理的抵抗もなくなります。戦闘行為のハードルを下げ、犠牲を一層拡大させかねません。防衛大臣はその認識をお持ちですか。
外務大臣、こうした兵器は、開発競争に加わるのではなく、禁止の国際規範作りでこそリードすべきなのではありませんか。
次期戦闘機を受注する三菱重工とIHIなど、軍需産業は特需に沸いています。川崎重工を加えた大手三社の今年三月期の受注高は前年比二・二倍の三兆一千八百億円、来年三月期も同水準が見込まれるといいます。
今年二月に開かれた防衛力の抜本的強化に関する有識者会議で防衛省が議論を求めた論点には、防衛力の抜本的強化と経済成長の好循環を生み出すこととあります。軍事費倍増と輸出解禁を背景に、軍需産業を特別扱いで支え経済成長をと本気で考えているのですか。それは、産業も経済も軍事に従属させ、社会全体にゆがみをもたらしかねません。防衛大臣の認識を伺います。
軍事分野でこそ政治と金の闇が問われます。
二〇一七年、防衛大臣だった稲田朋美氏が予定していた政治資金パーティーを中止し、購入者に返金。当時の収支報告書から、防衛省の受注企業二十三社が計百十四万円のパーティー券を購入していたことが明らかになりました。大臣規範との抵触も疑われます。
防衛大臣は、御自身の政治資金団体や所属する派閥の政治資金パーティーで軍需産業に幾らパーティー券を買ってもらっていますか。次期戦闘機を受注する三菱重工、IHI、三菱電機の三社について、過去十年の実績をお示しください。
戦闘機の輸出解禁は、憲法九条に基づく平和国家としての日本を大きく逸脱するものであり、断じて容認できません。武器を売り歩き利益を増やす、武器輸出大国へ突き進むことは許されないことを重ねて強調し、質問とします。(拍手)
〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

○外務大臣(上川陽子君) 山添拓議員にお答えいたします。
ICJの暫定措置への認識や対応についてお尋ねがありました。
日本政府は、国連の主要な司法機関であるICJの暫定措置命令は、当事国を法的に拘束するものであり、誠実に履行されるべきものであると考えています。
多数の避難民が集中するラファハにおける全面的な軍事作戦には我が国としても反対であり、人質の解放が実現するよう、そして人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されるよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しています。
一昨日のカッツ・イスラエル外相との電話会談において、私から、こうした日本の立場を伝えるとともに、ラファハ検問所の活用を含め、人道支援活動が阻害されることのないよう求めたところです。
我が国として、ガザにおける危機的な人道状況を深刻に懸念しています。五月二十六日もラファハの難民キャンプ等に対する空爆により多数の民間人が犠牲となったと報じられましたが、とりわけ女性や子供が戦闘の犠牲となって命を落とすことは、本当に耐え難いものであります。
人道状況の改善や事態の早期鎮静化に向け、引き続き外交努力を粘り強く積極的に行っていきます。
即時停戦のために日本が行うべき外交についてお尋ねがありました。
戦闘が長期化する中、現地の危機的な人道状況が更に深刻さを増していることを深く憂慮しています。我が国として、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また人質の解放が実現するよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しています。
私自身、日本が築いてきたイスラエルやパレスチナを含むアラブ諸国との良好な関係を踏まえ、人質の解放と停戦が一刻も早く実現するよう、安保理やG7の一員として関係国とも緊密に連携しつつ、環境整備に取り組んでいます。
一昨日には、イスラエルのカッツ外相に対して電話会談で即時停戦等について直接働きかけるなど、外交努力を行ってきているところです。
人道状況の改善、また事態の早期鎮静化に向け、引き続き外交努力を粘り強く積極的に行っていきます。
米国の姿勢とイスラエルの攻撃についてお尋ねがありました。
ガザにおける人道状況が一層深刻さを増す中、米国は、人々の安全を確保し、支援するための信頼できる実行可能な計画なしにラファハでの軍事作戦を進めるべきではないとの考えであり、その旨をイスラエル側に伝えてきていると承知しています。また、米国が人質の即時解放や人道状況改善等のために精力的な外交努力を行っていることを高く評価しています。
人質の解放と戦闘の休止をめぐって引き続き調整がなされているところであり、今後の見通しは予断できませんが、我が国としても、このような動きが早期に実現するよう、関係国と緊密に連携しつつ、環境整備に取り組んでいます。引き続き、外交努力を粘り強く積極的に行っていきます。
ロシアによる北朝鮮からの武器調達を受けた我が国の制裁措置についてお尋ねがありました。
ロシアによる北朝鮮からの武器調達については、関連の国連安保理決議に違反するものであり、ウクライナ情勢の更なる悪化につながり得るものであることから、これを強く非難してきています。
ロシアによるウクライナ侵略が長期化する中、引き続き国際社会と連携して対応していくことは極めて重要であり、こうした観点から、五月二十四日、我が国として追加制裁措置をとるべく閣議了解を行いました。具体的には、米国等との、等の同志国と協調して、ロシアのウクライナ侵略を支えるためのロ朝軍事協力に関与した十一団体及び一個人に対する資産凍結措置の導入を決定しました。
今後も、我が国として、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現すべく、国際社会と連携して取り組んでいきます。
第三国による武器輸出が戦闘に与える影響についてお尋ねがありました。
ガザ地区におけるイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものであり、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないと考えます。
その上で、ガザ地区をめぐる情勢については、戦闘が長期化する中、現地の危機的な人道状況への対処が最優先課題です。我が国として、人質の解放と停戦が実現するよう、関係国とも緊密に連携しつつ、イスラエルへの働きかけ等を行っており、今後もこうした外交努力を粘り強く積極的に行っていきます。
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序全体の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて認められません。これまでもG7の関連の声明において、第三者に対し、ロシアによる侵略への物的支援を直ちに停止するよう呼びかけているところです。
一日も早くウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するべく、我が国として、G7を始めとする国際社会と連携し、厳しい対ロ制裁を講じるとともに、強力なウクライナ支援にしっかり取り組んでいきます。
防衛装備移転に関し、平和国家としての立場や次期戦闘機の移転についてお尋ねがありました。
防衛装備移転三原則においては国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を堅持することとされており、国際の平和及び安全を維持することや国際紛争の平和的解決等を定めている国連憲章を遵守することは、憲法前文において宣明している平和主義の精神にのっとったものです。その上で、我が国自体の戦争放棄、戦力の不保持等について定めた憲法第九条は、防衛装備移転を規律するものではないと解しています。
また、次期戦闘機の完成品の移転については、いわゆる二重の閣議決定と三つの限定を盛り込んだ上で、我が国からパートナー国以外の国への直接移転を認め得ることとしたものです。
このように、通常の防衛装備移転よりもより厳格な要件とプロセスを設けることで、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を堅持することをより明確に形で示すことができると考えています。
人工知能を使用し、自律的に攻撃する兵器に関する国際的な規範作りについてお尋ねがありました。
近年、急速な技術の発展を背景に、AIの軍事的な利用に関する議論が活発化しています。我が国は、国際人道法の原則は、AIなど新興技術を活用するものを含め、あらゆる兵器に適用されるべきとの立場です。
その上で、我が国は、特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みの下、自律型致死兵器システムに関する議論に参加しているほか、二〇二三年十一月には米国主導のAIと自律性の責任ある軍事利用に関する政治宣言への支持を表明しました。
我が国としては、責任あるAIの軍事利用について、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論を通じ、広く国際社会において共通の認識が得られるよう、国際的な議論に今後も積極的かつ建設的に参加していく考えです。(拍手)

〔国務大臣木原稔君登壇、拍手〕

○防衛大臣(木原稔君) 山添拓議員にお答えいたします。
まず、NETMAと同様の組織をつくる理由及び米国以外の国と戦闘機を共同開発する狙いについてお尋ねがありました。
GCAPはNATOの下のプログラムではありませんが、本条約は、戦闘機の共同開発に係る機関として、ユーロファイターの事例を参考にしつつ、国際機関を設置し、効率的な開発体制を構築するものです。また、次期戦闘機の開発を進めるに当たって、要求性能の実現可能性、スケジュール、コスト等の様々な観点から、米国も含め国際協力の在り方を検討した結果、英伊との共同開発が最適な選択肢であると判断したものです。
基本的価値を共有し、共に米国の同盟国である日英伊三か国の協力は、今後何世代にもわたり両国との幅広い協力の礎となるものと考えています。
次に、英国の中東地域での活動に対する認識と、次期戦闘機の共同開発と抑止力の関係についてお尋ねがありました。
他国のこれまでの動向の逐一についてコメントすることは差し控えます。
その上で、次期戦闘機の共同開発は、三か国の技術を結集し、コスト等を分担しつつ、優れた戦闘機を開発するものです。こうした優れた戦闘機は、我が国の防衛に必要不可欠な航空優勢を維持することで抑止を保ち、平和を守るものであると考えています。
次に、次期戦闘機の我が国から第三国への輸出の必要性に関する認識及び次期戦闘機の開発費についてお尋ねがありました。
次期戦闘機の共同開発を決定した二〇二二年十二月の段階で我が国としては英伊が将来的な第三国への輸出を重視していることは既に認識していましたが、協議を進める中で、英伊は調達価格の低下等に向けて完成品の第三国移転を推進することを貢献の重要な要素と考え、我が国にも同様の対応を求めていることを我が国として徐々に認識するようになったものです。このように、政府として認識が変化してきたことは事実であり、我が国から、当初から輸出を前提に協議に入っていたという御指摘は当たりません。
また、次期戦闘機は、令和二年の開発着手以降、令和五年度予算までの開発経費として約二千五百六十八億円、関連研究経費として約四百九十八億円の計約三千六十六億円を計上しており、日英伊共同開発を前提に防衛力整備計画の期間に相当する五年間に限って経費を試算した結果、開発経費として約〇・七七兆円と見積もっています。他方、開発総経費については、日英伊共同開発に当たっての具体的な作業分担等、本条約も踏まえた国際協力の詳細な在り方により今後大きく変動し得ることから、お答えできる段階にはありません。
その上で、次期戦闘機の開発費については、必要な経費をしっかりと精査した上で、年度ごとの予算案として国会で御審議いただき、国民への説明責任を果たした上で確保していくものであり、青天井に開発費をつぎ込み、利益を確保するために売りさばくしかないとの御指摘には当たりません。
次に、我が国から第三国への直接移転についてお尋ねがありました。
国際共同開発・生産した完成品の我が国からの第三国への移転について、GCAP以外に現時点で具体的に想定されている案件はなく、今後については予断を持ってお答えすることは困難です。
その上で、本年三月の制度見直しにおいて、第三国直接移転を認めるのはGCAPで開発される完成品に係る防衛装備に限定したところですが、今後、第三国直接移転を要する国際共同開発・生産のプロジェクトが新たに生じた場合には、その必要性を十分に検討することとなるため、あらゆる殺傷兵器も輸出できて当然と考えているものではございません。
次に、防衛装備移転三原則の運用指針の文言及び資料の公開についてお尋ねがありました。
武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に該当するか否かの判断は、具体的な移転案件が生じた際に防衛装備移転三原則に従って案件を審議する中で、仕向け国・地域における戦闘の規模や期間等を踏まえて個別具体的かつ総合的に行われるものであることから、一概にお答えすることは困難です。
その上で申し上げれば、ペトリオットミサイルの移転について、政府としては、仕向け国、すなわち米国内において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していません。
次期戦闘機の第三国への直接移転について、移転先国を、国連憲章の目的と原則に適合する方法で使用することを義務付ける国際約束の締結国に限定しております。さらに、防衛装備の移転に際しては、一般に移転先の適切性について、国際の平和及び安全に与えている影響や、また最終需要者の適切性について、防衛装備の使用状況及び適正管理の確実性等を考慮することとされていることから、現に他国への侵略を行っている国に移転することは想定されず、基準が全く定かでなく幾らでも恣意的に判断ができるとの御指摘には当たりません。
また、本年三月の制度見直しにおいては、今般の閣議決定に加え、実際に移転する際には個別の案件ごとに改めて閣議決定することとしておりますが、閣議決定に係る資料を含めた行政文書の公開については、情報公開法を始めとする関係法令にのっとって適切に対応してまいります。
その上で、防衛装備移転を含め、我が国の政策について国民の皆様の理解を得ることは重要であると考えており、政府の考えについては国会における質疑などを通じて適切に説明してまいります。
次に、AIと自律型の兵器についてお尋ねがございました。
我が国としては、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性を有する兵器の開発を行う意図は有していないとの立場を明確にしているところです。防衛省としても、装備品の取得や研究開発を行っていくに当たり、この方針に従って適切に対応してまいります。
次に、防衛力の抜本的強化と経済成長についてお尋ねがありました。
御指摘の防衛力の抜本的強化に関する有識者会議においては、防衛力の抜本的強化に加え、国力を総合した国全体の防衛体制を強化し、経済成長を実現できる安全保障の確保が必要との観点から委員の方々には御議論をいただいたところであります。したがって、産業も経済も軍事に従属させ、社会全体にゆがみをもたらしかねないとの御指摘には当たりません。
次に、政治資金パーティーについてお尋ねがありました。
個々の政治団体や個人の政治活動に関するお尋ねについて、政府の立場としてお答えすることは差し控えますが、いずれにせよ、政治資金については、関係法令にのっとり適切に処理し、公表をしております。(拍手)

ページ
トップ