山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2025年・第217通常国会

自衛隊「統合作戦司令部」発足 米軍指揮下 敵基地攻撃運用の危険

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
イスラエルが十八日、パレスチナ・ガザ地区への大規模な攻撃を強行しました。ガザの保健当局によれば、攻撃の再開から五日間で六百三十四人が亡くなったといいます。物資の搬入が停止し、医薬品が不足する中で、多くの負傷者が病院に運ばれているともいいます。イスラエルが軍事作戦を開始した二〇二三年十月以降、ガザでの死者が五万人を超えたといいます。
外務大臣に伺います。
イスラエルによる攻撃は、停戦合意を一方的に破り、ジェノサイドを再開するものであり、断じて許されません。政府の認識を伺います。

○外務大臣(岩屋毅君) 今御指摘がありましたように、三月十八日以降、イスラエル軍がガザ地区の広範囲で軍事作戦を実施しており、民間人を含む多くの死傷者が発生していると承知しております。我が国として強くこれを懸念をしております。
本年一月に発効した停戦合意によって多くの人質が解放され、人道状況の改善と事態の鎮静化に向けた重要な一歩が始まったと評価をしてきておりますだけに、大変遺憾に思います。
米国、カタール、エジプトによる粘り強い仲介努力の継続を我が国としてしっかり支持していきたいと思っております。

○山添拓君 懸念、遺憾、ですからやめるよう求めていくべきだと思うんですが、私は、米国のトランプ政権がこのイスラエルの攻撃を事前に把握し、事実上これを容認してきたと、このことも重大だと思うんですね。
大臣、この点についての認識はいかがですか。

○国務大臣(岩屋毅君) 米国が本件に関してどういう形でどういう関与をしたのかということについては、私どもとしては承知をしておりません。

○山添拓君 いや、それでは済まされないと思いますよ。どういう対応を取ってきたか承知していないということでは済まされないと思います。なぜなら、この間、トランプ氏はガザ所有などと暴言を吐き、あるいはイスラエルへの軍事支援も強めてきたからです。私は、そういう中で日本政府の姿勢も問われると思います。イスラエルに対してはもちろん、攻撃をやめ、停戦協議に戻るよう求めるべきだと思いますし、トランプ政権に対しても言うべきことは言うべきだと、このことは指摘しておきたいと思います。
今日、三月二十四日、午前中の質疑にもありましたが、自衛隊の統合作戦司令部が発足します。安保三文書に基づき平時から有事まで陸海空自衛隊を一元的に指揮するとされ、その効果が発揮されるのは、反撃能力、敵基地攻撃能力だと指摘もされます。どの目標にどのように兵器を使って攻撃するのか、これを三つの自衛隊がそれぞれ行うよりも一元的な指揮の下で行う方が重複や相打ちを避けるなど、効率的で効果的だからです。
防衛大臣、間違いないでしょうか。統合作戦司令部は敵基地攻撃能力の一元的な指揮も担っていくものですね。

○防衛大臣(中谷元君) 自衛隊の最高指揮官として自衛隊を運用する際は、そういった海外からの直接侵略の可能性とか、また災害とか、大規模災害とか、あらゆるオペレーションがありますので、こういった各自衛隊の統合運用、これをスムーズに行う、そしてシームレスに行う、並びに領域横断で実施ができる、そういうようなことをできるために統合作戦部隊を新設をいたしました。これによりまして、自衛隊の運用に関して平素から部隊を一元的に指揮できるようになりますので、この事態の状況に、推移に応じた柔軟な防衛体制をより一層迅速に構築することが可能となります。また、統合によって作戦や、同盟国、同志国の司令部と情報の共有や作戦面での協力を一元的にできるために、統合運用の実効性が向上するものだと考えております。
その上で、統合作戦司令部は、平時から有事まであらゆる段階における活動において陸海空自衛隊による統合作戦の指揮を行うことになることから、お尋ねの反撃能力につきましても、この反撃能力を活用した作戦についても指揮を行うということになります。
なお、反撃能力の行使のみを念頭に統合作戦司令部の新設を決定したものではございません。

○山添拓君 敵基地攻撃能力、反撃能力の運用も担うということでした。
もっとも、より本質的な狙いは、米軍との指揮統制の統合に向けた体制づくりにあると言えるかと思います。昨年七月の日米2プラス2共同発表では、横田基地に所在する在日米軍司令部を統合軍司令部として再編することを明らかにしました。現在は基地の管理などに限定されている司令部機能を、部隊の運用や共同作戦計画の立案を行うなど、言わば戦闘司令部にしようというものです。共同発表では、再編する在日米軍を自衛隊の統合作戦司令部の重要なカウンターパートとなることが意図されるとしています。
大臣、これはどういう意味でしょうか。

○国務大臣(中谷元君) これは、去年2プラス2が行われまして、米軍が現在の在日米軍をインド太平洋司令軍の隷下の統合作戦司令部として再構成するという意図を公表しております。それを受けまして、昨年九月に、日米両国が指揮・統制の枠組の向上に係る作業部会、これを設置をしまして、統合軍司令部としての再構成をされた日米軍の能力や任務、これを含む組織構成の検討、またそれを踏まえた自衛隊の統合作戦司令部との米軍カウンターパートの関係の整理を始め、多岐にわたる内容の検討を今行っているところでございます。
一月に、日米防衛相会談におきまして、向上された指揮統制の枠組みにおける日米連携の在り方について議論を加速をさせて深めていくということを確認をしてきておりますので、引き続きこの作業部会等を通じて、日米の調整要領や連携の強化について議論をしているところでございます。

○山添拓君 いろいろおっしゃるんですけど、中身に踏み込んではお話がありません。
当時、オースティン国防長官は、これは在日米軍の創設以来最も重要な変化だと、過去七十年で最も強力な進展の一つだと強調しておりました。ですから、これは単なる連携の強化ということにすぎず、質的な変化を伴うものだと思います。それはすなわち、在日米軍と自衛隊との指揮統制機能の統合に向けた一歩を踏み出すものだと言えるかと思います。
今大臣が述べられました共同発表に基づいて設置されている作業部会ですが、日米の指揮・統制の枠組の向上に係る作業部会ですね。これは防衛省に伺います。これまで何回開催し、どのような内容を協議したんでしょう。

○防衛省 防衛政策局長(大和太郎君) お答え申し上げます。
本年九月に、失礼しました、昨年九月に日米両国は指揮・統制の枠組の向上に関する作業部会を設置して、第一回作業部会を開催いたしました。また、大臣からもお話ししたように、今この作業部会のプロセスの中で、統合軍司令部として再構成された在日米軍の任務や能力を含む組織構成の検討、また、これを踏まえた自衛隊の統合作戦司令部と米軍のカウンターパート関係との整理を始め、多岐にわたる内容について検討を行っているところであります。
第二回以降の作業部会の開催実績あるいはその詳細については、相手方との関係もあることから逐一お答えできないことを御理解願えればと存じます。

○山添拓君 多岐にわたり協議をしているということですから、これは国会に報告いただく必要があるかと思います。
会議録など協議内容を明らかにするように求めます。委員長、お願いします。

○委員長(滝沢求君) 後刻理事会において協議いたします。

○山添拓君 再編後の米軍の統合軍司令部をどこに置くのか。昨年十一月、米軍準機関紙のスターズ・アンド・ストライプスは、都心への移転を計画中、六本木の麻布米軍ヘリ基地、赤坂プレスセンターですね、これを候補地として検討中と報じました。政府に伺いますと決まったことはないとお話しになるんですが、十二月三十日付けの時事通信では、日本政府関係者の話として、米側の都心移転を歓迎し、対面に勝るコミュニケーションはないと語ったなどと報じております。
一方、この麻布米軍ヘリ基地、その周辺住民は、これまでもヘリの離発着による騒音に悩まされ、事故の不安を抱え、港区も区議会も基地の早期撤去を求めてきたんですね。二月四日、大臣に宛てた港区長と区議会議長連盟の要請書もその旨を記して、要請を重ねています。
大臣に伺います。
作業部会で、麻布ヘリ基地については、このように地元から早期撤去、返還が求められている、そういう場所だということを米側に伝えていますか。

○国務大臣(中谷元君) 在日米軍との関係は、やはり日米安全保障上の非常に大きなテーマでありまして、現在、この再編等につきまして、日米間で、この指揮・統制の枠組の向上に係る作業部会、これを設置して議論をしております。
防衛省としましては、引き続き、この問題につきましては、周辺地域に与える影響が最小限になるように米側に働きかけを行っていくとともに、統合軍司令部の具体的な場所が決まった際には関係自治体に対して丁寧に説明するなど、適切に対応していく考えでございます。

○山添拓君 いや、決まってからでは遅いんですよ。決まってからでは遅い。今既に、港区も区長も区議会議長も早期撤去と、従来どおりの要請を政府に求めているわけですから、そういう事実があるということは米側にもお伝えいただく、いただいてしかるべきだと思うんですが、これはいかがでしょう。

○政府参考人(大和太郎君) 先ほど申し上げましたとおり、作業部会のプロセスの中で統合軍司令部の具体的な場所も含め議論を継続しているところであります。
繰り返しになりますが、防衛省といたしましては、米軍施設等が引き続き周辺地域に与える影響が最小限となるよう米側に働きかけを行っていくとともに、統合軍司令部の具体的な場所が決まった際には関係自治体に対して丁寧に説明するなど、適切に対応していく考えであります。

○山添拓君 明確に伝えていただくべきです。影響が最小限になるどころか、基地の機能強化ですから、そして質的な変化を伴うわけですから、これ、基地の恒久化、そして司令部化、戦争司令部化ですね、それにつながるような統合軍司令部の六本木移転、強化は、これはやめるように求めたいと思います。
指揮統制の統合について、米国トランプ政権から看過できない発言が出ています。
国防次官候補のエルブリッジ・コルビー氏は、三月四日の上院公聴会で日本との軍事関係について評価を問われて、次のように答えています。軍事関係は堅固に見えるが、私は更に一層深化させ、韓国軍との間に存在する関係のように統合の一つのモデルに向かう必要があると考えている、幸いなことに、前政権下での過去数年の取組と日本自身の悪化している脅威への認識によって、基盤となる推進力が存在する。
大臣に伺います。韓国軍との間に存在する関係のようにとはどういう意味でしょうか。また、そのような統合に向かうべきだというコルビー氏の発言を大臣はどのように認識していますか。

○政府参考人(大和太郎君) 国防次官候補のコルビーさんの発言の真意についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申しますけれども、日米間で様々な能力の発揮のため緊密な連携を図ることは当然であります。
自衛隊の統合作戦司令部創設や在日米軍の再構成後も、自衛隊による全ての活動は、主権国家たる我が国の主体的な判断の下、憲法、国内法令などに従って行われること、また、自衛隊及び米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動することに何ら変更はありません。また、自衛隊の指揮については、法令で定めているとおり、日本国内閣総理大臣が最高指揮官として自衛隊を指揮監督することにも変わりはございません。
また、日米の防衛協力のためのガイドラインにおいて、自衛隊及び米軍の活動について、各々の指揮系統を通じて行動すること、また各々の憲法及びその時々において適用のある国内法令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われることが明記されておりまして、こうした点が日米の共通の認識となっているところであります。
したがって、自衛隊が米軍の指揮統制下に入ることはなく、これらを前提とした上で、いかに日米間の連携を強化できるかという観点で日米の指揮統制に係る調整要領や連携の強化について検討してまいります。

○山添拓君 日米の共通の認識になっていないようですよ。
米韓同盟における有事の指揮権というのは、在韓米軍司令官が米韓連合軍の司令官を務めるというものです。日米関係もこれと同様の統合モデルに向かうべきだとコルビー氏は述べているわけです。
今答弁があったように、自衛隊が米軍指揮下に入ることは、これは一貫して政府は否定してきました。憲法九条の下で武力行使の一体化が許されないからです。それに反する見解を米側が示しているわけです。この期に及んでコメントしないということでは済まされないと思います。大臣、いかがですか。

○国務大臣(中谷元君) コルビー氏がまだ次官に就任されておりませんけれども、その公聴会で意見を述べたということは承知をしておりますが、この内容等につきましては全くこの日本の状況を理解しておられないというふうに思います。
と申しますのも、やはりまず、自衛隊の活動は、主権国家たる我が国の主体的な判断の下に、日本国憲法、そして国内法に従って行われると、そして、自衛隊と米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動しているということをやってまいりました。そのことにつきましては何ら変更することはございません。韓国とは違います。日本は日本の独立の法律、憲法によって自衛隊を運用し、そしてこの米軍の指揮統制下に入ることなく、その前提に日米で連携していくという基本はしっかり堅持してまいります。

○山添拓君 全く理解していない方がこういう発言をして国防次官になったら困ることになるんじゃないかと思いますけれども、別の点を伺いたいと思います。
CNNテレビは、先日、米国防総省が組織や体制を見直すために検討している案の中に在日米軍強化計画の中止が含まれていると報じました。内部文書では、中止すると十一億ドル、約千六百億円の節約につながると記されているといいます。
これも大臣に伺いますが、二月の首脳会談の共同声明では、自衛隊及び米軍のそれぞれの指揮統制枠組みの向上と述べています。今日も強調されているように、米軍と自衛隊とはそれぞれ独立の指揮統制なのだと述べられています。総理や大臣の説明、一貫してそれぞれ指揮統制を強化というものかと思います。そうなりますと、私が伺いたいのは、仮に米側が節約のためだと言って強化計画をやめたとしても、日本には関係ないということになりますね。

○国務大臣(中谷元君) コルビー氏はまだ国防次官に就任していないんですね。(発言する者あり)報道ですか。その報道につきましては、我々も報道があったということは承知しておりますけれども、その中身につきましては承知しておりません。つまり、その根拠にしても金額にしても内容にしても、全く正式にお話はないわけでございますので、やはりこういったものにつきまして、しっかりとしかるべき方とお話をしまして、それで確認をした上でお答えをすべきことではございます。

○山添拓君 先ほど米側とは緊密な連携とおっしゃったんですけど、余り緊密でもないように感じますよね。承知していないでしょう。(発言する者あり)就任して、コルビーさんは就任していないんですけれども、いや、やっぱり私が今申し述べましたのは、国防総省が今後強化計画を中止するのではないかと、こう報じられている問題です。
大臣は、今月三十日にヘグセス国防長官と会談するとされますが、仮に米側からあたかも取引のように、この強化計画をやめる、千六百億円削減のために、節約のためにと、こういう問題が持ち出されても、それには付き合うことなく、それぞれ勝手にやりましょうと、こういうふうにお返しするのが筋だと私は思います。
これだけではありません。ジョージ・グラス次期駐日大使は、三月十三日の上院公聴会で次のように述べています。我々は、日本に対し、防衛費も増額に重点を置いてもらいたいと考えている、日本は二〇二七年までにGDP比二%に引き上げることに合意した、さらに、首相は必要であればもう少し引き上げることも議論できると発言している、したがって、日本側とこの点について話し合い、双方にとって有利な結論を導き出せることを楽しみにしている。
大臣に伺います。
総理は、日本の軍事費を幾らにするかは日本が決めると述べていますが、米国側では違うようです。二%への引上げは日本が合意したものと述べています。そうなんでしょうか。また、総理は、必要であればもう少し引き上げることも議論できると米側に述べたんでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) そうではありません。総理は、そういう数字のこととか増加をするというようなことは言及しておりません。私にもその話をしておりません。
ですから、これまで総理がおっしゃるように、防衛協力というのは数字ありきではなくてやはり中身が重要でありまして、日本としては、いかにアメリカに対して対応しているのか、そして、これから日本の防衛や周辺の地域の安定のためにどれだけの量と金額が必要なのか、そういうことはしっかりと話合いをして決めていくべきであるということで、日本での防衛につきましては日本人自らが決めることだというふうに申しております。

○山添拓君 日本がGDP比二%への引上げも合意したと述べている点についてはいかがですか。

○政府参考人(大和太郎君) ちょっと合意したというコメントについては分かりませんが、いずれにせよ、今の、現在の国家防衛戦略において、防衛力の抜本的強化は将来にわたり維持強化していくという必要があるということ、そして日米の共同声明において、二〇二七年度よりも後に抜本的に防衛力を強化していくことは、現行の日本の国家安全保障戦略等に基づく既存のコミットメント、これを再確認したものであるということであります。

○山添拓君 グラス氏は駐留米軍への日本の貢献について触れて、私たちが必要とする兵器システムの更新、日本と連携して進める指揮統制システムの強化、非常に高額な取組になると、したがって、私は間違いなく日本と協議し、この支援の増額について話し合う必要があると考えていると、こういうふうにも言っています。
支援の増額、何でしょうか。

○委員長(滝沢求君) 時間ですので、答弁は簡潔に願います。

○政府参考人(大和太郎君) 今おっしゃっているのは同盟強靱化予算、いわゆるホスト・ネーション・サポートですが、そのことに関するコメントかと思います。
公聴会でのやり取りの一つ一つにコメントはいたしませんが、その上で申しますと、同盟強靱化予算は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、在日米軍の安定的なプレゼンスを支えるとともに、同盟の抑止力、対処力を強化していくことが必要であるとの認識の下、我が国の厳しい財政状況も踏まえて日米間で合意されたものでありまして、これについては日米両政府の合意に基づいて適切に分担されていると考えています。
現行の特別協定期間終了後、終了以降の経費負担の在り方について予断すべきではないと考えますが、今後とも日本側の適切な負担の在り方について不断に検討してまいります。

○委員長(滝沢求君) 申合せの時間が参りました。おまとめください。

○山添拓君 時間ですから終わりますけれども、着任前から、政府側の認識と違って、米側は日本の軍事費の増額をあからさまに要求しているわけです。ところが、それを伝えておられない。トランプ政権を批判せずに、認識の違いを指摘もせずに唯々諾々と要求に従うような、そういう日米同盟絶対というのはいいかげんにやめるべきだと、このことを……(発言する者あり)着任したら、じゃ、おっしゃっていただくように求めたいと思います。
質問を終わります。

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