2016年・第192臨時国会
- 2016年12月12日
- 消費者問題特別委員会
築地市場の豊洲移転問題、タクシー運転手の初乗り運賃組み替え案について質す
- 要約
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- 山添議員は、築地市場の豊洲移転について、「土壌汚染が依然確認されるなかでの移転は許されない」と主張。
- 東京の初乗り運賃組み替え案について、中長距離利用者にとっては値上げとなることを明らかにし、その影響について十分な検証がされないまま実施すべきでないとして、撤回を求めた。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
消費者問題特別委員会では初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
食の安全、安心、消費者行政にとって大変重要な課題です。東京都が進める中央卸売市場、築地市場の豊洲への移転に関わってお聞きしたいと思います。
この間、大々的に報道もされておりますとおり、都民、国民が怒りと不安を持って見ている問題です。中央卸売市場の移転には、農水大臣の認可が必要です。この認可に当たっては、国が五年ごとに策定する中央卸売市場整備計画に適合することが要件となっています。二〇一六年一月の第十次中央卸売市場整備計画を策定した際、農水省の食料・農業・農村政策審議会食品産業部会というところに、建屋の地下を含む敷地全体に盛土をする土壌汚染対策を実施することが報告をされています。今日お配りしている資料の一と二にあるとおりで、これは東京都の資料を基に農水省が提出し、報告をしているものです。
ところが、もう御承知のとおり、実際には市場の地下に盛土がされていなかったわけです。東京都からの報告が虚偽だった以上、この審議会自体をやり直し、そして豊洲を整備計画の対象から外すべきではないか、この十月三日、衆議院予算委員会での日本共産党の笠井亮衆議院議員の質問に対して、農水大臣は、審議会の対象から外すかどうかも含め厳正に検討すると答弁をされています。その後、十月十四日、審議会が開かれまして、農水省が豊洲移転問題を報告をしています。
伺いますが、その際、盛土がなかったこと、あるいは東京都の従来の報告が虚偽だったということについて農水省は報告をしたのでしょうか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) お答えいたします。
今委員御指摘の、本年十月十四日の食料・農業・農村政策審議会食料産業部会におきましては、農林水産省の事務方から、築地市場の豊洲地区移転をめぐる東京都の動きに関しまして、小池都知事が移転の延期を発表したこと、東京都が豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議及び市場問題プロジェクトチームを設置して、今後の対応の検討を進めるとしていること、東京都から許可申請が出された場合の手続等の現状を報告したところでございます。
なお、豊洲市場の中央卸売市場整備計画上の位置付けにつきましては、この報告内容には含まれておりません。
○山添拓君 質問にお答えいただきたいんですが、盛土がなかった事実、あるいは虚偽の報告がされたということ、そのことはこの審議会では報告されていませんね。
○大臣政務官(矢倉克夫君) そのこと自体には、報告はいたしておりません。
○山添拓君 これはおかしいと思います。議事録を読みましても、報告は確かにされていないわけです。東京都が作った資料にも、九月十日に小池知事が盛土問題で緊急記者会見をしたということがあるだけです。整備計画の前提となる重大な事実が報告されていないと。
次回の審議会では、農水省、報告されますか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) まず、委員御指摘の十月三日の予算委員会におきましては、山本農林水産大臣から、審議会の対象から豊洲市場を外すかどうかも含めて厳正に検討をするというようなこともお答えした上で、今後につきましては、東京都が設置した市場問題プロジェクトチームや専門家会議におけるこのような大事な検証の推移や結果を注視しながら検討してまいるというふうに述べております。
農水省といたしましても、市場設置の責任者である東京都の動きを今後も推移を、経過をしていきたいというふうに思っております。その前提で、次回の分科会につきましてはまだどのような形での報告をするかはまだ検討はいたしておりませんが、まずは東京都の動きをしっかり確認してから検討したいというふうに思っております。
○山添拓君 いや、私は、国がきちんと事態を把握して報告もすべきだと思います。
次に行きますが、東京都はまた地下水の浄化を確認し、水位を低下させるという地下水管理システムによって地下水位を常時基準水面から一・八メートルの高さにするんだと。農水省が審議会に報告した際の資料、お配りしている資料二ですが、ここにも、土壌・地下水対策として地下水の管理、括弧して水質・水位と書いていますが、明らかにされているとおりです。
ところが、日本共産党東京都議団の調査で、この地下水管理システムが機能していないことも明らかになりました。資料の三を御覧ください。これは軒並み三メートル以上の水位になっているんですね。六街区、これは水産仲卸売場棟ですが、本格稼働した十月十四日よりもむしろ上昇していると。五街区は青果棟です。七街区は水産卸売場棟です。これも一旦下がった後上昇していると。地下水の水位を一定に保つというこのシステム自体が機能していないわけです。盛土がされている部分も含めて再汚染している可能性が指摘をされています。
地下水管理システムは土壌汚染対策の柱の一つとして東京都も位置付けてきたものでした。機能していないとなれば、この点でも整備計画の前提が崩れることになると考えますが、ですから重大な問題だと思います。国は、東京都からこの点での報告は受けているんでしょうか。そして、この問題についてどのように認識されているでしょうか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) 豊洲市場への移転に関しましては、市場開設者である東京都がこの移転の認可申請の段階までに適切な土壌汚染対策を取ることが必要と考えております。農水省としましても、まず都が申請をいただいて後、いろいろまた御判断をする場合で、タイミングであるかと思っております。認可申請を受けていない現段階におきましては、今委員からも御指摘のありましたその地下水管理システムの稼働状況等につきまして、東京都からも逐一報告は受けておりません。
いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたとおり、現在、東京都の方で設置をいたしました専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおきまして、土壌汚染対策を含め議論がなされているというふうに承知をいたしております。その内容も踏まえまして、豊洲市場における食の安全性の確保につきましては、市場開設者である東京都が責任を持って対応することが必要であるというふうに考えております。
○山添拓君 東京都が責任を持って対応するのは当たり前なんですよ。その上で国はどう対応を取るべきなのか、このことが求められている対応だと思います。
盛土がされていない問題と同様に、この地下水管理システムも、市場の整備計画、これは国の整備計画です、その前提とされていたわけです。都の報告内容をきちんと審議会に報告すべきではないか。今、都が検討している内容をこの審議会にきちんと報告すべきじゃないか、逐一報告すべきではないかと思いますが、改めてお答え願えますか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) 改めてではございますが、まずは市場開設者である東京都が、今、土壌汚染対策を含めて議論がなされているものと考えております。農水省といたしましては、その対応をしっかり注視をしてまいりたい、このようなスタンスでいきたいと思っております。
○山添拓君 注視をするだけでは私は足りないと思います。この点でも審議会をきちんとやり直し、国の整備計画から一旦豊洲を外して、そして今後を検討していくべきではないかと思います。
次に参りますが、小池都知事が今年の八月、豊洲への移転延期を表明した際の根拠の一つが、二年間掛けて行う地下水のモニタリング調査の最終結果が出るその前に移転するのは疑問だという点でありました。
資料の四を御覧いただきます。土壌汚染が一定の基準を超えた場合には区域の指定がされます。豊洲市場の予定地は、現在汚染が存在する区域だと、形質変更時要届出区域というものに指定をされています。土壌汚染対策法では、汚染が除去できた場合に区域指定を解除することになっています。資料の四でいいますと、左側の下の方のルートですね。その条件が、二年間のモニタリングで環境基準以下であることが確認されると、こういうことになっています。
これに対して、汚染の除去を行わずに、盛土などを行うのみで区域の指定を受けたまま土地を利用することも可能ではあります。しかし、この農水省が作成された資料の中では、生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には想定し得ないと、こういうふうに書かれています。農水省としてこの考えに変わりはないでしょうか。お答え願います。
○大臣政務官(矢倉克夫君) 委員、今御指摘いただきました、また御提示いただきました資料に、御指摘のとおり、生鮮食料品を取り扱う卸売市場用地の場合には想定し得ないと、このような記載があることは御指摘のとおりでございます。
委員からも先ほどお話もありました、土壌汚染対策法上は、この形質変更時要届出区域の上に卸売市場が建つことそのものは、法律上、否定はされていないという理解でおります。
その上ででございますが、こちらの記載の趣旨は、であったとしても、東京都がこの汚染の除去の措置を行わず盛土等のみを行った状態で卸売市場用地として申請をすることについては想定し得ないという趣旨で書かせていただいたものでございます。
そのような趣旨であることについては変わりはございません。
○山添拓君 その上で、豊洲では今年九月に発表された八回目のモニタリングで環境基準を上回るベンゼンやヒ素が検出をされたわけです。ここに中央卸売市場を造るのは想定し得ない事態であり、このままでは許されないということだと思いますけれども、農水省としてもそのような認識でしょうか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) 先ほども申し上げましたが、まだ市場開設者である東京都から移転の認可申請を受けておりません状態でありまして、まずは東京都が設置をした専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて土壌汚染対策を含む議論がなされているものと承知をしております。
今、委員が御指摘の問題等も含めて、農水省といたしましては、まず責任者である都が今議論をされているところでありますので、そこを注視をして、申請を待った上で議論をするという形になります。
○山添拓君 申請を待たずに、逐一事態が変わっていますから、逐次情報提供を受けて、その上で検討し、審議会にも適切に情報提供をしていくべきではないでしょうか。いかがですか。
○大臣政務官(矢倉克夫君) 何度も同じお答えで大変恐縮ではございますが、まずは法の立て付けといたしましても、やはり東京都がしっかりここの場所に移転をするという申請をして、そのための資料等もそろえていただかないと、我々も判断しようがないところでございます。法の立て付け上も、それを受けた上で農水省として動くというのが手続上も適正であるというふうに認識しておりますので、その方向で今は進めさせていただきたいというふうに思っております。
○山添拓君 認可の段階で法にのっとって適切に判断をする、これは当然そうだと思います。しかし、この中央卸売市場の整備に当たっては、整備計画を国が定めると、そこで豊洲が位置付けられています。その豊洲を位置付ける際に、様々な、土壌汚染対策も含めて、東京都から報告がされ、これを受けて農水省がこの審議会に報告を出しているわけです。ですから、もう既に農水省も、東京都がどのような対策をするのか、これは把握しているわけです。その把握してきた内容が虚偽だと分かった、実際とは異なることが分かったわけですから、今改めて審議会を開き直し、そしてその中で真摯に検討していくべきだと思います。
二年間のモニタリングのことについても、建設工事を容認してきた農水省自身の姿勢も問われます。元々、二年間モニタリングすべきだ、この資料でもそのような方向性で位置付けておきながら、建物の建設は先にさせてしまったわけです。建物ができてしまえば、その後はモニタリングも、あるいは汚染が分かった場合の除去の対応も困難になります。現に今そうなっています。二年間のモニタリングを終えて、区域指定をきちんと解除してから建設工事に入るべきだったと思います。ですから、この問題では国が既に重大な責任を負う事態になっていることを認識された上で今後の対応に当たっていただきたいと思います。
大臣に伺いますが、食の安全、安心、消費者行政においてもとりわけ重要な課題だと考えます。築地市場を経由する食品、大変な数に上ります。全国から集まり、全国にまた流通するわけです。東京都が虚偽の報告によって汚染対策は大丈夫だというふうにしてきたことに対して、卸や仲卸など関係者の皆さんだけでなく、首都圏や全国の消費者が怒りと不安を持って事態を見ています。消費者行政を担当する大臣として、この問題についての御認識を伺えますでしょうか。
○国務大臣(松本純君) 豊洲への移転により生じる様々な問題に関しましては、市場開設者である東京都が第一義的にはその責任を有しておりまして、土壌汚染対策工事等を進めてきたものと承知をしているところでございます。
消費者及び食品安全担当大臣として、食の安全確保については国の最も重要な責務の一つであり、国民の健康の保護が最も重要であるという基本認識の下、最新の科学的知見に基づき適切な措置が講じられる必要があると考えております。今回の問題に関しましては、引き続き食の安全が確保されるよう、東京都の対応を注視してまいりたいと存じます。
○山添拓君 土壌汚染が依然として確認される中での移転は許されないと考えます。消費者行政を預かる大臣としても、食の安全、安心確保、絶対に譲れないというメッセージを引き続き発していただくべきだと思います。
次に、別のテーマですが、タクシーの初乗り距離短縮運賃に関わって伺いたいと思います。
資料の五を御覧いただきますが、東京二十三区と武蔵野、三鷹地域のタクシー運賃については、国交省と消費者庁が協議を行い、その過程で消費者委員会の意見を聞くことになっています。これを受けて、現在、今の初乗り二キロ七百三十円という運賃を一・〇五二キロ四百十円にすることが計画をされています。加算運賃は九十円から八十円になりますが、加算の距離は二百八十メートルから二百三十七メートルへと短縮をされます。渋滞の場合など時間距離併用制の運賃では、百五秒ごと九十円だったものが九十秒ごと八十円に運賃が上がるスピードが早くなるわけです。
資料六を御覧いただきます。距離によって現在より高くなったり安くなったり差がありますけれども、大体六・五キロを超えると必ず値上げになるとされています。
この運賃の組替え、改定は初乗り値下げという触れ込みなんですけれども、ふだんから中長距離を利用する方にとっては値上げになります。私も話を伺いますが、自宅から遠いところの保育園にしか子供を預けることができず、毎日のようにタクシーで三千円ぐらい使ったという方もいらっしゃいました。これから忘年会シーズンになれば、深夜、長距離を利用するという方も増えるだろうと思います。
ところが、今回は値下げと値上げをセットにしたために、値上げの場合には本来行われる総括原価方式を使った計算、検証もされていない。
国交省は、今回の運賃組替えが中長距離の利用者にとって値上げとなることをお認めになるでしょうか。また、値上げの事実について、利用者への周知徹底、どう進めていくおつもりでしょうか。
○政府参考人(堀家久靖君) お答え申し上げます。
東京のタクシー初乗り運賃は現在二キロまで七百三十円と、海外の主要都市に比べ高い水準にありますが、これをおおむね一キロまで四百十円に引き下げることにより、タクシーの短距離需要や訪日外国人の観光需要の喚起を図る効果があるものと期待をしております。
今回の初乗り運賃の引下げによりまして、短距離利用者からの運賃収入につきましては一定の減収が見込まれることから、その減収を中長距離利用者の運賃の引上げによってカバーし、全体として運賃収入が変わらないように運賃を組み替えることとしておりまして、新たな運賃を現在の運賃と比較いたしますと、おおむね二キロまでは引下げとなり、おおむね二キロから六・五キロまでは引下げになる部分と引上げになる部分があり、委員御指摘のようにおおむね六・五キロ以上では引上げになる予定でございます。
国土交通省としましては、消費者委員会からの御意見も踏まえまして、新たな運賃を適用日の三十日前までに公示をし、プレスリリースを行うとともに、タクシー事業者に対しましても、十分な広報活動を実施し、利用者への丁寧な説明を行うよう指導をしてまいりたいと考えております。
○山添拓君 これは八月から九月まで実証実験が行われたんですが、そのときにも短距離は値下げになるという側面ばかりが強調されていました。実際に値上げとなって、初乗り以降の上がり方が速過ぎるということで降りてしまった、怒って降りちゃったという乗客もおられたという話も聞きました。初乗りの値下げばかりを強調すべきではないと思いますので、是非対策をお願いしたい。
これは、一方で事業者の側にしてみれば、初乗り運賃の値下げによって運送収入は下がるわけです。これが消費者にどう影響するか。
資料の七を御覧ください。
タクシー運転手などの労働組合である自交総連が現在の売上げ実績を基に新運賃ではどうなるか、これを試算してみました。運転手一人一人で見ると、軒並み減収の結果になりました。多い人では三千円近く減っています。減収分カバーするには毎日八千円の売上げを二回ぐらいこなさないといけない、八千円といえば深夜の中長距離二回ぐらいだと、こういうことでした。
実証実験では、タクシー事業者の収入がどの程度の減額になるのか、あるいはその影響については一切検証がされていないと聞いています。東京ハイヤー・タクシー協会の調査では、初乗りで降りる利用者の割合というのは、都心部で二五%、住宅街では三〇%を超えています。東京のタクシー労働者は、今でも年収約三百九十万円。ほかの産業に比べて三百万円も低く、しかし労働時間は二百七十時間も長い。こういう現状が初乗り値下げで更に悪化することが懸念されます。値下げが過当競争をもたらし、賃下げやあるいは長時間労働につながる、安全な運行にも影響を与え得る問題だと考えます。
利用者の安全、安心を維持できるのかどうか、国交省にお尋ねをいたします。
○大臣政務官(根本幸典君) 今回の初乗り運賃の値下げにより短距離利用者から運賃収入については一定の減収が見込まれますが、これについては中長距離利用者の運賃の引上げによってカバーすることとしております。さらに、初乗り運賃の値下げについて、短距離を中心にタクシーの新たな需要が喚起されることを期待しているところです。
よって、新運賃の実施の結果、減収となり、安全、安心の確保に影響が出るような事態は想定しておりませんが、新運賃の実施後、輸送実績等を踏まえて必要な検証を行ってまいりたいというふうに考えております。
○山添拓君 実証実験を行った際には、運賃の値下げがどう影響するかということは検証もされていないわけです。やってみてその後事後検証だ、これでは本当に安全、安心確保できるのか、これが大きな不安だと思います。
事業者や運転手に自己努力を求めて、初乗り運賃で、そういう安くなったところで利用者を増やしていくべきだと、期待するんだということなんですけれども、つまり事業者の側にあるいはドライバーに自己努力を求めていくということにならざるを得ないと、これまでの収入の水準を維持しようとすればですね。ところが、そうなると今までのドライバーの仕事の仕方では商売にならないということで、下町の駅や商店街からタクシーがいなくなる、都心に集中してしまうと。そうなれば、渋滞だとかあるいは排ガスの問題はもちろん、公共交通機関の一端としての機能も持続できなくなるのではないかと思います。初乗り距離の短縮運賃の認可はやめるべきだと考えます。
大臣に伺いますが、大臣も所信において、公共料金の決定、変更においては消費者に与える影響が十分考慮されるように取り組むとおっしゃっています。影響というときに、値上げで消費者の負担が増加するということだけでなく、値下げであっても、それによって消費者の安心、安全に関わる、脅かすような事態をもたらしてはならないと思います。軽井沢スキーツアーバスの事故でも明らかなように、値下げの過当競争が労働条件の低下をもたらし、安全性を脅かす事態が現に起きています。
消費者委員会は、値上げの当否については検討していますが、値下げがもたらす影響、利用者の安全、安心、あるいは地域の足に与える影響、こういったことについても消費者の立場から検証していく、検討していくことが必要ではないかと思いますが、大臣の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(松本純君) 東京都特別区、武蔵野市、三鷹市地区タクシーの運賃組替えにつきましては、消費者委員会から、国土交通省は、タクシーのサービスの質や安全性が低下したり、タクシー運転手の賃金水準や勤務時間等の労働環境が悪化したりすることがないよう、継続的に事業者の監視を行い、必要に応じ対策を講じるべきであるとの意見をいただきました。現在、こうした消費者委員会による意見を踏まえまして、国土交通省とこの運賃組替えについて協議をしているところでございます。
今後の実施におきましては、国土交通省におかれては、消費者委員会による安全性に関する意見も踏まえ、状況に応じ適切に対策を講じていただきたいと考えているところでございます。
○委員長(石井みどり君) 山添拓君、時間が来ておりますので、質問をおまとめください。
○山添拓君 以上で終わります。ありがとうございます。