2020年・第201通常国会
- 2020年3月24日
- 法務委員会
法務委員会で、黒川検事長の定年延長問題について、性刑法改正に向けた検討について質問しました。
- 要約
-
- 法務委員会で、黒川検事長の定年延長問題について、性刑法改正に向けた検討について質問しました。 伊藤詩織さん事件の民事訴訟判決は、『合意のない性交』は『不法行為を構成する』としています。法務大臣も「性的自由の侵害」と答弁しました。暴行脅迫要件の撤廃等、刑法改正に繋げていきたい。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
初めに、検察庁法改定案について伺います。
前回の質疑で、法務省は昨年十月末の時点では検事長の定年延長は必要ないと考えていたと、このことを指摘いたしました。ところが、今年一月に一転をし、検事長は六十三歳以降、検事総長は六十五歳以降も続けられる仕組み、役降りの特例規定が入れられました。
大臣に伺いますが、その立法事実、立法の必要性は何ですか。
○国務大臣(森まさこ君) 役降り特例の立法事実というお尋ねでございました。
一般職の国家公務員については、定年を六十五歳まで引き上げつつ、組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持するため、役職定年制を導入することとされました。
今般、検察庁法の改正においては、検察官につき、一般職の国家公務員同様、定年を六十五歳まで引き上げますが、組織の新陳代謝を確保し、組織活力を維持する必要は検察官にも妥当することから、検察官役降り制を導入する必要がございます。
改正後の国家公務員法において、役職定年制の導入により役職定年に達した職員を一律に降任又は転任することとなるところ、当該職員の職務の遂行上の特別の事情があって、当該職員を異動させることにより公務の運営に著しい支障が生ずる場合があり得ることから、役職定年制の特例が設けられることとされております。
この点、検察官についても、検察官役降り制の導入により次長検事や検事長については年齢が六十三歳に達した日の翌日に検事に任命することとなりますが、当該次長検事及び検事長の職務の遂行上、特別の事情があって、その異動により公務の運営に著しい支障が生ずる場合に、引き続きその官及び職を占めたまま勤務させる必要があると考えられます。そのため、検察官についても、国家公務員法と同様に役降りの特例を設けるものとしたものでございます。
○山添拓君 今、最後におっしゃられた、検察官についても公務の運営に支障を生ずる場合があると、そのために六十三歳以降も検事長をやらせる旨の規定を入れたのだということでした。
資料の一ページを御覧ください。
しかし、その必要はないというのが昨年十月末時点での法務省の考え方でした。検察官には特例規定を設ける必要がないことについてと、こう題しまして、その理由も記されております。理由も記されているんですね。皆さんも御覧いただきたいと思うんですが、検察官には職制上の段階がなく柔軟な人事運用が可能だ、定年の誕生日で退官をするので国家公務員一般のように年度末で一斉退職することはないと、異動も誕生日を基準として行っているので一斉に異動するようなこともないのだと。
大臣、今年一月までの間に、こうした事情、一つでも変化したものがありますか。
○国務大臣(森まさこ君) 検察庁においては、これまで検察官に勤務延長の適用がないことにより公務の運営に著しい支障が生じた特段の事例は見当たりませんでした。そのため、法務省においては、昨年十月末頃時点では、職員の異動により補充すべきポストが一斉に生じるおそれのみを念頭に置き、検察官については、勤務延長及び役職定年の特例に相当する規定を設けなくとも公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難いと結論付けていたものでありました。
しかしながら、昨年十二月頃から、担当者において、従前の解釈を維持するのが妥当かという観点に立ち戻って検討を行った結果、昭和五十六年当時と比べ、社会経済情勢は大きく変化し、多様化、複雑化しており、これに伴い犯罪の性質も複雑困難化している中、検察官についても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずることが一般の国家公務員と同様にあると考えるに至ったものでございます。
○山添拓君 ですから、そうした検討は去年の十月でもう終わっているんですよ。その上で、公務に支障が生じることはないんだという結論が記されていたわけです。
大臣今おっしゃいましたけれども、去年の十月から、十二月から検討して解釈変更することにしたんだと。
資料の二枚目、今年の一月、法文案の修正理由を述べたものです。その冒頭には、検察官にも勤務延長が適用されると整理したことから条文の修正を行ったんだとしております。
そうしますと、大臣、結局、この立法事実というのは、解釈変更したからこういう法文に変えたのだ、法案に変えたのだ、こういうことになりますね。
○国務大臣(森まさこ君) 先ほど申し述べたとおりでございますけれども、これまで検察官に勤務延長の適用がないと解釈をしていたものでございますが、そのため、法務省において、昨年十月頃時点に、内閣法制局と協議の結果、一旦法案を作ったものでございますが、その法案は提出するには至りませんでした。そのため、時間ができたため、昨年十二月頃から担当者において、改めて従前の解釈を維持するのが妥当かという観点に立ち止まって検討を行った結果、先ほど述べたとおりでございますが、役降り制度についても必要があると解釈したものでございます。
○山添拓君 つまり、解釈を変えたから役降りの特例を入れたのだと、こういうことですよね。もう一度、念のため伺います。
○政府参考人(川原隆司君) 立案の経過に関することでございますので、私から答弁をさせていただきます。
先ほど山添委員から御指摘のございました、昨年十月に私どもから法制局に出した資料でございますが、これは、山添委員も御指摘がございましたように、これの資料については、この資料の中に、このように、検察官については、適切な時期に異動を前倒しするなどすることが容易であって、異動により補充すべきポストが一斉に生ずることにもならないことから、現在も国家公務員において導入されている定年による退職の特例に相当する規定も置かれていないということでございまして、これは、一斉の異動によるその後任の補充に難を生ずることがないからという観点から、このときは不要だと言っていたものでございます。
その後、大臣からも再三御答弁いただいていますが、昨年の十二月頃から私ども刑事局の担当者において検討した中では、そういった観点とは別の観点、すなわち、検察官についても、業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害が生ずることが一般の国家公務員とは同様であるということの観点に立って解釈を最終的に変えるに至ったものでございまして、ここには、同じ観点から見て、ある事由があったなかったという問題ではございませんので、昨年の十月以降に、その昨年の十月までの検討のときには必要がないとしていたものに対して、それを、立法事実が生じたというものではなくて、立法事実が生じた、このような解釈変更に至りましたのは、昭和五十六年当時の改正国家公務員法の当時との違いに思いを致したからでございます。
○山添拓君 思いを致したからというお言葉ありましたけれども、要するに、解釈変更したから法案も変えたということなんですよね。その解釈変更の理由として大臣が述べられたのは社会情勢の変化でしたが、これ法務省によれば交通事情とネット化、犯罪の複雑化ですけれども、それが特定の人を特定の職務に継続して就かせる理由にならないということは先週も指摘したとおりであります。
要するに、黒川氏を続投させたい、この違法人事が発端となって解釈変更が行われ、その解釈変更を行ったがために法案まで修正を余儀なくされたと、こういうことですよ。幾ら取り繕って説明されても、これは否定できないです。直ちに撤回されるべきだ、このことを強く指摘しておきたいと思います。
今日は、続いて、刑法の性犯罪規定について伺います。
大臣は、所信表明の冒頭で性犯罪に触れ、フラワーデモでこれまで声を上げられなかった性被害の当事者が声を上げていることに言及をされました。これは私は大事なことだと思います。
資料の三ページに毎日新聞をお付けしましたが、三月八日、国際女性デーに合わせて各地でフラワーデモが行われました。東京駅前からのネット中継は六千人以上が視聴をしました。呼びかけ人の北原みのりさんは、性暴力は私たちの日常で起きている、生活の場で声を上げるんだという人が各地で立ち上がったと話しております。この声に政治は真摯に向き合うべきです。
性暴力の根絶を目指す多くの人が求めている課題の一つが刑法改正であります。一七年の改正では、暴行・脅迫要件の撤廃、緩和、あるいは性交同意年齢の引上げなど、多くの論点が先送りをされ、附則の九条では三年後を目途とした見直し規定が置かれました。今年は二〇二〇年で、その三年後に当たりますが、法務省の提出予定法案の中には刑法、性犯罪規定の改正案はありません。今、法務省内ではワーキンググループが設けられ、実態調査が行われて、これはもうじき取りまとめが発表されるということですけれども、今年二〇二〇年、三年後だから今年刑法改正が更に進められる、こういうふうに期待していた方は多いと思うんですね。拙速な進め方であってはなりませんけれども、課題は当時から明確だったわけですから、早期に今後の道筋を示すべきだとお伝えしておきたいと思います。
法務省に伺いますが、ワーキンググループは、三月三日、取りまとめ骨子案と題する中間取りまとめを公にしました。ヒアリングなどで指摘をされた刑法や刑訴法の課題としてどのような点を整理しておりますか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
お尋ねに関しましては、まず刑事の実体法に関するものといたしまして、暴行、脅迫の要件や心神喪失、抗拒不能の要件を撤廃すること、また、地位、関係性を利用した犯罪を創設することなどについて指摘がなされているところでございます。
また、刑事の手続法に関するものといたしましては、公訴時効を見直すこと、司法面接的手法を用いた聴取の録音、録画を公判での証言に代えて証拠とすることができる制度を創設すること、起訴状等において性犯罪の被害者等の氏名を記載しない制度を創設することなどについて指摘がなされているところでございます。
以上でございます。
○山添拓君 これら指摘をされた事項については、いずれも今後設置をされる検討会などで適切に検討課題としていっていただきたいと思います。
ワーキンググループに報告をされた調査研究では、性犯罪被害者の心理や行動に関する分析結果として、性犯罪被害者が示す反応や行動には様々なものがあり、必ずしも強い抵抗を示すわけではない、身体的抵抗より言葉による抵抗が多い傾向が見られ、全く抵抗していない者が相当数いたと、こういう記載があります。
一方で、無罪あるいは不起訴になった性犯罪についてはどのようなことが分かったとされていますか。
○政府参考人(西山卓爾君) 研究におきましては、検事が精神科医等の指導、助言を受けまして、被害者の心理等につき、心理学的、精神医学的知見を収集し、それらの知見を踏まえ、過去の性犯罪事例を分析したところでございます。
お尋ねの点でございますけれども、まず、強姦罪あるいは強制性交等罪の無罪判決の分析によれば、無罪判決の多くは意に反して姦淫された等の被害者供述の信用性に疑問があるとされたものであり、その事情として、被害者の反応や言動の不自然性のほか、供述と客観的証拠との不整合や供述の不合理な変遷など、複数の要因を総合的に考慮するものが多かったとされております。不自然性を指摘された被害者の反応や言動としては、容易に逃げたり助けを求めたりできる状況であったのにそのような行動を取っていないことなどがあったとされております。また、無罪判決の中には、被告人は被害者が同意したと考えて行為に及んだ可能性が否定できないなどとして、被告人の故意を否定した事例があり、その理由として、被害者が拒否する態度や抵抗を示していないことなどが指摘されたということでございます。
次に、不起訴、これは嫌疑不十分でございますが、とされた事例の分析におきましても、被害者供述の信用性の判断や被疑者の故意の認定に当たり、前同様、被害者の反応や言動について指摘するものがあったが、被害者供述の信用性の判断では複数の要因が総合的に考慮されており、被害者の反応や言動のみを理由とするものはほとんどなかったということでございます。
そのほか、準強姦罪あるいは準強制性交等罪の事例分析におきましても、心理的抗拒不能状態や被告人の故意の認定に当たり、被害者の被害時の言動等を考慮している事例があったということでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。
いろいろ留保を付けて説明をされたんですが、しかし、大臣も聞いていただいてお分かりになりましたように、心理学的、精神医学的な知見としては、必ずしも強い抵抗を示すわけではない、あるいは全く抵抗していない者もいたとされているのに、実際の事件では、被害者が抵抗を示していないから同意がなかったとは言えない、あるいは被告人に故意なしと、こういう事例が生じているわけですね。もちろん最後は総合考慮かもしれませんが、抵抗がないということが不起訴、無罪、その理由になっているということがあります。
得られた知見、心理学的、精神医学的な専門的な知見は、直ちにこれ捜査や公判で生かされるように徹底すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘をしっかり承ってまいりたいと思います。
私の、今、私的勉強会においても、専門的な医師の方に来ていただいてお話を聞いたところでございますけれども、そういった知見を今後様々な捜査、そして法制度に生かしていけるように、それに何がしたいかということを検討してまいりたいと思います。また、ワーキンググループの取りまとめ、またその後の会議体においてもしっかり生かしていきたいと思います。
○山添拓君 是非そうしていただきたい。
ワーキンググループでの調査のうち、裁判例の調査、不起訴事件の調査は、現在まだ取りまとめ中ということで明らかにされておりません。無罪判決で何が無罪の理由とされたのか、不起訴事件で何が嫌疑不十分の理由とされたのか、暴行、脅迫、心神喪失や抗拒不能要件、あるいは被告人の故意がどのように判断されたか、被疑者、被告人と被害者との具体的な関係性など、こういったものが分かるように分析するべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
委員のおっしゃった点がまさにそのとおりでございまして、その点が分かるような形で調査を行っているところでございます。
○山添拓君 昨年十二月十八日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが当時TBSワシントン支局長の山口敬之氏にレイプされたとして、損害賠償請求の判決が出されました。
詩織さんは、お酒に弱いわけではないのに、被告と飲食したすし屋で記憶をなくしました。すし屋を出て乗り込んだタクシーでは、詩織さんが近くの駅に行ってくださいと述べたのに、被告の指示でホテルに向かい、詩織さんをタクシーから引きずり出すように降ろし、足下がふらつく中、部屋へ向かいました。そして、被告は避妊具を着けずに性行為を行いました。
判決は、性行為の合意の有無についてどのように認定していますか。
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) 御指摘のありました判決の二十九ページの十行目から読み上げます。
(五)本件行為についての合意の有無。ア、前記一(二)を可に認定したタクシー内における原告と被告のやり取り、タクシー降車時及びタクシーを降車してから本件居室に入室するまでの原告の状況からすれば、原告は当時の記憶は喪失しているものの、原告が本件居室に被告と共に入室したことが原告の意思に基づくものであったとは認められない。
次に、両当事者の供述について見ると、前記のとおり、本件居室内における本件行為に関する被告の供述には、重要な部分において不合理な変遷が見られ、客観的な事情と整合しない点も複数存するなど、その信用性に疑念が残るものであるのに対し、本件行為時に意識を回復した後の事実に関する原告の供述は、客観的な事情や本件行為後の原告の行動と整合するものであり、供述の重要部分に変遷が認められないことからすると、被告の供述と比較しても相対的に信用性が高いものと認められる。
以上のとおり、本件行為に至る原因となった本件居室への入室が原告の意思に基づくものではなかったと認められることに加え、信用性が相対的に高いと認められる原告の供述によれば、被告が、酩酊状態にあって意識のない原告に対し、原告の合意のないまま本件行為に及んだ事実及び原告が意識を回復して性行為を拒絶した後も原告の体を押さえ付けて性行為を継続しようとした事実を認めることができる。
イ、そうすると、被告による上記行為は原告に対する不法行為を構成するものと認められる。
以上でございます。
○山添拓君 ありがとうございます。
この事件は、当初、準強姦事件として捜査され、裁判所が逮捕状を発付していたにもかかわらず、直前に逮捕が中止され、不起訴となり、検察審査会でも不起訴相当の議決がされました。やっとの思いで民事裁判に訴え出て、こうした判決を得た、異例の経過をたどったと言ってよいと思います。
民事事件と刑事事件とではもちろん要件が異なります。手続が異なりますし、証明の程度も異なります。しかし、民法上の不法行為、違法だと認定されたことの意味は私は大きいと思います。
大臣に伺います。
これは一般論で構いませんけれども、同意のない性行為が民法上違法とされるのは、これはいかなる権利や利益が侵害されたからだと考えますか。
○国務大臣(森まさこ君) 一般論として申し上げますと、同意のない性行為によって、相手方の性的な自由を侵害したということを民法七百九条が定める不法行為に該当するものと考えます。
○山添拓君 性的な自由、大臣の答弁ではそのような言い方になりました。
この同意のない性行為がいかなる権利を侵害するのか、このことを私たちきちんと考えなくちゃいけないと思うんです。
父親が娘に性暴力を行っていた事件が昨年三月に無罪とされた名古屋地裁岡崎支部の判決は、意に反する性交の全てが処罰されるわけではないと、こう判決しておりました。この事件は、今月十二日、名古屋高裁で逆転有罪となりましたが、今の刑法には、暴行脅迫要件や抗拒不能という要件があります。そのため、抵抗できないぐらいの状況が求められ、同意していないというだけでは罪にはなりません。そういうケースはたくさんあるだろうと思いますが、それで当然だと判決は述べていたわけです。
資料の四ページに毎日新聞の記事をお付けしました。
弁護士の角田由紀子さんは、刑法が成立した明治時代の家父長制を中心とする家制度がその背景にあると指摘をしております。結婚は、家同士の結び付きを図る意味が大きく、女性の意思を問わない結婚も多かったと、性交だけ、性行為だけ、女性の同意がないとできないという概念はなかったのだろうと指摘をされています。
その上で、刑法改正でこうした問題を解決していくためには、自発的な同意の有無を判断基準としているスウェーデンのようにすべきだと主張もされています。
大臣、これから刑法改正を議論していくに当たって、我が国もこうした方向に踏み出すべきではありませんか。
○国務大臣(森まさこ君) 諸外国の性犯罪の規定は様々でございまして、一概に申し上げることは困難でございますけれども、強制性交等罪におけるいわゆる暴行脅迫要件を撤廃し、不同意の性交を処罰する規定とすべきとの御意見があることは承知をしております。
平成二十九年の刑法改正の際には、暴行脅迫要件について、その撤廃や緩和を図られることはなかったわけでございますが、平成二十九年の刑法一部改正法の附則第九条により、同法の施行後三年を目途として検討が求められているのは、委員の先ほどの御指摘のとおりでございます。
その検討に資するように、法務省では、先ほど御指摘いただいたワーキンググループで性犯罪の実態把握等を進めてきたところでございまして、骨子が出ましたけれども、その全体版をなるべく早く取りまとめるように、累次指示してきた結果、今月末頃までを目途に何とかその結果を取りまとめるよう事務方が努力しているところでございますが、被害者支援団体等から寄せられた様々な御要望も踏まえつつ、今ほどの委員の御指摘もしっかり踏まえながら、具体的な検討対象を決めていく、現時点ではなかなかその方向性まではお示しする段階にはございませんけれども、充実した検討を、先ほど委員から、拙速はいけないけれどもなるべく早くという御意見もいただきましたので、迅速に検討を進めてまいりたいと思います。
○山添拓君 多くのフラワーデモなどで立ち上がっている、声を上げている皆さんが本当に期待をできるような、そういう検討、議論を進めていただきたいと思います。
駐日スウェーデン大使のペールエリック・ヘーグベリ氏は、二〇一八年七月にスウェーデンで改正をした刑法についてこのように語っています。全ての人が性に関して自ら決める権利を持っており、性行為は双方の自発的なものであるべきだという考えが根本にある。抵抗しないのなら性行為に前向きだということにはならない。相手の明確な同意がないままに性行為をした場合、違法になり得るということだと、こういう指摘をされております。
日本でも、同意のない性交は違法だと明確にする、その法規範が求められているということを指摘をいたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。