山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2020年・第201通常国会

予算委員会で羽田新飛行ルートについて質問しました。

要約
  • 予算委員会で羽田新飛行ルートについて質問しました。実機飛行確認を経て、「説明会で聞いたよりうるさい、圧迫感で恐怖を感じる」など懸念も。急降下の危険も指摘されています。新型コロナの影響で、羽田発着の国際線は7割が欠航。急いで運用開始する必要はありません。中止、撤回すべきでです。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
三月二十九日、羽田新ルートの運用開始が予定されています。どのような計画ですか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) これ、あれですか、ルートのこれまでの計画のプロセスも含め……(発言する者あり)いいですか。
まず、今世紀に入り、いずれの政権下でも一貫して首都圏空港の機能強化というのは検討されてまいりました。オリンピック・パラリンピック競技大会の会場が東京に決定したことを契機といたしまして、平成二十六年の八月に首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会が開催され、これには東京都を始めとする自治体も交えて協議に入られて、昨年八月に、本年三月二十九日より新飛行経路、羽田空港の新飛行経路を運用開始することを公表させていただいたところでございます。
その見直しにつきまして、まず、南風のときにおいては、十五時から十九時のうち実質三時間程度、空港の北側から着陸する経路と、空路南西、空港南西側に離陸する経路を新たに設定すると。また、北風時におきましては、七時から十一時半及び十五時から十九時のうち実質三時間程度において、空港北側に離陸し、離陸を、荒川上空を北上する経路を新たに設定するということが今回の計画の概要でございます。
○山添拓君 騒音、落下物、事故の危険など、様々な不安や懸念が表明されてきました。
この新ルートの実機テストが行われました。その概要も御説明ください。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
羽田空港の新飛行経路の運用開始に向け、管制官が新飛行経路の運用の手順を確認するほか、新たに設置した航空機騒音測定局の調整を行うため、北風、南風、それぞれ七日間、実機飛行による確認を行いました。
具体的には、北風の運用では一月三十日から二月五日の間で五百二便、南風運用では二月二日から二月十二日までの七日間におきまして七百六十五便の確認を行わせていただきました。
○山添拓君 離陸、着陸、それぞれ騒音の最大値はどうでしたか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
最大の騒音値につきましては、離陸機では川崎市の国立医薬品食品衛生研究所で九十四デシベル、着陸機では港区の高輪台小学校で八十一デシベルを観測しております。
○山添拓君 これ、すごい騒音なんですけれども、昨日の発表によりますと、取りまとめが発表されましたが、二割で想定を上回ったとされています。これは事実でしょうか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
昨日、実機飛行確認における騒音測定結果についての精査の結果を御報告、公表させていただきました。
まず、それぞれの騒音測定局、十九個ございますけれども、大型機、中型機、小型機別で実測値の平均を算出をいたしました。これまで住民説明会でお示ししてきました推計平均値と比較をいたしますと、実測値の平均のうち約六割は推計平均値と同等、二割は推計平均値以下でございましたけれども、御指摘のとおり、約二割は推計平均値以上という結果でございます。
○山添拓君 大臣、二割も想定を上回ったのはなぜなんでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) これ、私、ちょっと専門家じゃないんであれですけど、私が承知しているところですと、まず、高度が高い方が騒音の数値は収まっていて低い方がやっぱりうるさいという一般的な傾向があるのと同時に、ちょっと、ちょっとうまく言えないんですけど、こうターンをするときに吹かすので、その地域は高いところでも大きくなっていると。実は私の実家がその結構大きいところの下に住んでいるんですけど、そうしたところも出てきた。まあ実際実機でやってみて、そうした想定、何というか、そういうことが出てきたと。
ですから、ただ、今考えているのは、想定のこのサンプルというのは限られたものなので、精査をしておりますけれども、なかなか今こうだということがお答えしにくいところもありまして、実は三月二十九日以後というのは、当初、これから本格運用するということでありますが、たまさか今このコロナウイルスの関係もありまして減便されているので、我々の認識としては、やっぱり本格運用に向けた助走期間ということで、そうしたことを重ねることによってデータをしっかり蓄積していきたいと。そして、サンプルを増やして、統計的なものをしっかり分析しながら、その中で平均値を上回るようなものが出てくれば、それに対する新たな、原因究明とともに、対応策を取って、そしてその対応策を取りながら、地元の住民の皆さん、大変心配している方たちについても対話は重ねていかなければいけないと、こう思っております。
○山添拓君 何か、データ、サンプルを取るために飛行するというのはちょっとおかしいのではないかと思いますが、実機飛行確認の期間中、寄せられた電話の件数とその内容について御説明ください。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
羽田空港の機能強化に関するお問合せ等に対応するために特設のコールセンターを設置をしておりますけれども、実機飛行確認中のお問合せの件数は合計件数で五百七十八件でございました。また、コールセンターに限らず国土交通省に直接お問合せをいただいた合計件数としては五百六十九件ございました。
これらのお問合せの主な内容といたしましては、航空機の騒音が大きいでありますとか、圧迫感がある、また、航空機からの落下物が心配だというお声をいただきました。
○山添拓君 これ、私も見させていただきましたが、便数が多い日ほど電話の件数も多かったですし、しかも、説明会で聞いていたのとは違うと、こういう声が強いのも特徴でありました。
落下物についての懸念も絶えません。最近十年間の発生件数について御説明ください。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
平成二十年度から平成三十年度の間に発生をした飛行機からの落下物として国土交通省が把握している件数は二十三件ございます。そのうち、部品が十八件、氷塊、氷の塊が五件となっております。
○山添拓君 十年間で二十三件。
一方で、この間、部品欠落の報告制度というものが行われています。これはどのような制度ですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
国土交通省は、外国航空会社を含む全ての運航者に対して、国際定期便の就航数が多い七空港を離着陸する航空機の機体チェック等を行った際に、部品が欠落していることを発見した場合には空港管理者への報告を求めております。
本制度に基づいて報告された数といたしましては、平成三十年、暦年でございますけれども、報告件数四百十七件、部品個数四百七十九個、それから平成三十年は、報告件数が六百五件、部品個数は七百八十三個となっております。
○山添拓君 ですから、十年で二十個、二十件どころか毎日二個ぐらいおっこちているということなんですけれども、これ、しかも、二年前より去年の方が増えていますけれども、大臣、これどういうことですか。
○政府参考人(和田浩一君) この部品欠落制度につきましては、平成二十九年に実施を始めたものでございますけれども、制度開始後の約二年間におきまして制度趣旨の周知の徹底を図った結果、本制度に基づく報告件数が増加をしてきたものと認識をしております。
○山添拓君 そうしますと、これから周知をすればするほどもっと件数は増えてくるということですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
その数が増えること自体は問題があるとは思っておりませんで、私どもといたしましては、報告の内容を分析して、脱落しやすい部品の情報を航空会社や航空機メーカーと共有することなどによりまして再発防止に努めていきたいと考えております。
○山添拓君 数が増えるの問題がないというのは驚きの答弁ですよ。大臣、国交省は落下物ゼロにすると言っていたんですよ。いかがですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
部品欠落という制度について御説明を申し上げたいんですけれども、落下物は、地上で航空機から落下物があったと発見されたものでございますけれども、この部品欠落報告制度というのは、どこに落ちたかが分からないけれども部品がないということでありまして、この報告をいただいた上でしっかり分析をするというのがこの制度の目的でございます。
○山添拓君 いや、分析は大事ですけれども、しかし、増えることに問題がないという答弁は、それこそ問題だと思うんです。
資料の一枚目にありますように、これまで羽田空港の離発着機は海から入って海に出ると、海上ルートを通っておりましたので、ですから落下物があったとしても分からないと、こういうことがあったと。
大臣、これはその認識お持ちですね。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 多分そういうことも多いと思います。
○山添拓君 こういう中で増便をする、そして都心上空を通る。そうなりますと、都心で落下物が発生する可能性というのは、これ、うんと高まるということになるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
国土交通省といたしましては、航空機からの落下物に対する懸念、また不安の払拭を図るべく、二〇一八年三月に落下物対策総合パッケージを取りまとめて、落下物対策を充実強化をいたしました。特に、未然防止策の徹底の観点から、世界に類を見ない基準であります落下物防止対策基準を策定をいたしまして、本邦航空会社や日本に乗り入れる外国の航空会社に落下物防止対策を義務付けるとともに、空港管理者によります駐機中の機体チェック等を行っているところでございます。
今後とも、この落下物対策総合パッケージに盛り込まれた対策を関係者とともに着実かつ強力に実施することによりまして、落下物ゼロを目指して最大限取り組んでまいりたいと考えております。
○山添拓君 ですから、その落下物ゼロを目指す対策を取る中で、部品欠落の報告件数、個数については少なくとも増えてきたと、これは大問題だと指摘しているわけです。
着陸方法の危険性も指摘されております。
着陸時の標準的な降下角度は日本でも世界でも三度です。ところが、昨年八月、新ルートでは三・五度にすると言い出しました。大臣、これはなぜですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
降下角の引上げにつきましては、できる限り飛行機の高度を高くすることにより騒音の軽減を図るという観点で実施をさせていただきたいと考えております。
○山添拓君 騒音軽減のためだとおっしゃるんですね。
十万人のパイロットが加盟する国際定期航空操縦士協会連合会、IFALPA、約二百九十の航空会社が加盟する国際航空運送協会、IATAが一月に国交省を訪問しました。懸念が示されたんではありませんか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) これ、安全ですから大変重要だというふうに思っております、当然のことながら。
三月四日の東京新聞も見ておりますけど、これ相当正確さを欠いております。このIATAとIFALPAの方が来られて、一月十五日に国交省で専門的な会議をしました。これは、こうした新しい三・四五度というのは実は別に世界でやっている例もあるわけですけれども、この羽田においてこうした新経路をやるに当たって、この点はどうなんだ、ああなんだということの技術的な議論が行われたというふうに承知をしております。その報告は実は十日後にIFALPAのペーパーとして出ておりまして、このことは何をもって出たかというと、いろんな懸念とか、皆さん、世界中のパイロットがどう思っているかといったことを代表して質問をされ、それについて国交省として様々な意見交換を行ったと、そのことをIFALPAの結局は会員の個々のパイロットの皆さんに告知をしたということがこの一連の流れだったと思っております。
その中で出たことは、新飛行経路のうち南風好天時に関して、気温が高い場合は運用上の課題についてはあると思うがどうだとか、そのときは実は三・四五度より少し上、高くなる、構造上高くなる、そのときにそのまま三・四五度より直接入るとやっぱり慣れないので、千五百フィートぐらいから三度にしてスムースに降りた方がいいんじゃないかと、それはどうだろうかと、いや、それはもう全然構いませんというような、そうしたやり取りがあったというふうに承知をしております。
加えて、このやり取りの後に、私も専門家じゃありませんし、この安全性というのは大前提ですから、この新飛行経路について私も引き継いだ事項なので私自身もしっかりとした話を聞かなければいけないということで、三月四日にこの実機飛行をされたJALとANAのパイロットに直接来ていただいて、率直なお話をさせていただきました。そうした同じような課題が出ましたが、彼らは、事前にそうしたことを周知徹底もされているし、パイロットとしての安全性というのは全く問題ないというお話をしていただいて、直接話を聞かせていただいたので、素人の私も大変よかったなというふうに思っておるところでございます。
○山添拓君 今大臣の答弁の中に、世界でもやっているものだというお話がありました。
国交省に伺いますが、日本の空港で三度以上で降下しているところはありますか。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
日本の国内では、稚内空港でありますとか広島空港で三・五度の降下角を採用しているというふうに承知をしております。
○山添拓君 その二つぐらいなんですよ。そして、便数が全然違います。しかも、降下の条件も羽田とは違うんですね。
航空評論家の杉江弘氏は、僅か〇・四五度と思うかもしれないが、コックピットの実感としては、降下時はジェットコースターで谷底に落ちていくような感覚、恐怖しかないと、降下角が大きいほど操作が難しくなり、尻餅事故や機体に損傷を与えるハードランディングにつながるおそれがある、こういうふうに述べています。
こういう懸念がパイロットから出されているということは大臣も御承知ですね。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も杉江さんの緊急出版物も全部読みました。そこで持った、私自身感じた疑問点も全部抜き書きをして、航空局長に責任持って答弁しろと、回答してこいということもやりました。
そのパイロットの皆さんに来ていただいたときも、そのときにお話をさせていただきましたが、余りちょっと表現ぶりはあれなんですけど、杉江さんの当時の時代と今の機材の性能の向上性が全然違う、全然向上しているというようなこととか、そうしたことも言われましたし、先ほど、羽田の新経路が私も危ないんじゃないかと思っていましたが、現実の今の羽田の入る、こうターンをしながら入るやり方とか、伊丹とか福岡の着陸よりは数段安全度というのは高いということをはっきりと言われておりました。
加えて、加えてですね、いろんな急遽の逆風が来たりとか横風が来たときにどうなんですかという質問もしましたが、そうした場合は、マニュアルがやっぱりあって、いきなりシビアアクシデントにはならないように、ゴーアラウンドを必ずしなければいけないとか、様々な、当然のことだと思いますが、安全に対する備えは二重、三重にもなっているということを私は改めて認識したわけでございまして、そうしたことを遵守できるように、加えて、JAL、ANAの機長が一番詳しいわけであるので、外国エアのパイロットの皆さんにもこれ周知徹底するということが大事だと思いますし、そのときに第三者の航空の専門家も一緒に同席していただきましたが、彼が言うのは、パイロットと管制の皆さんの交流というのが案外ないので、そうしたことの、管制と、管制官とパイロットの交流の場もよりつくった方が、これ安全神話には行わない、より安全度が高まっていくというアドバイスもいただきましたので、そうした場はしっかりと設けていこうと、こう考えております。
○山添拓君 大臣、安全安全と強調されるんですが、では伺いますけれども、実機飛行確認で三・五度の進入方式を断った航空会社がありましたね。
○政府参考人(和田浩一君) お答えを申し上げます。
実機飛行確認のときに、社内の準備が整っていないということで、羽田に着陸をせずに目的地を変更したという事例がございました。
○山添拓君 その変更した理由は、急角度を理由の一つとして、社内の手続が整っていなかった、こういうことではなかったですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
羽田の進入方式について、その飛行方式を取ることについて社内で準備が整っていなかったというふうに承知をしております。
○山添拓君 要するに、この進入角度も含めてなんですよ。
大体、三・五度に引き上げたことで騒音低減効果はあるのかと。これ何デシベル下がるんですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
三度の降下角で降りた場合と三・四五度で降りた場合の騒音の軽減効果でございますけれども、三・四五度で降りた方が音の強さは低かったということでございまして、これ各測定ポイントによっていろいろまちまちでございますけれども、大体小さいところは〇・一とか〇・二でありますけれども、大きいところでは一デシベルの差があったということでございます。
○山添拓君 一デシベルですよ。これ、人には判別できない差だと専門家が指摘しております。
実機飛行確認で三度で着陸させた日が一度だけだったんですが、私が数えますと、十五か所のうち十一か所で三・五度の方が騒音が大きい日もありました。これ、軽減していないじゃありませんか。
○政府参考人(和田浩一君) 済みません、ちょっと今私が申し上げた数値が間違っておりましたので、訂正をさせていただきます。
ILS、三度で降下をしたときの音と三・四五度で降下したときの音でございますけれども、少ないところで〇・五、〇・六、そして大きいところで二・七くらいのデシベルが下がったということでございます。
○山添拓君 昨日御説明いただいた、報道でも発表されている、国交省が発表している資料とは違うんじゃないですか。さっきの数の方が正しい。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
二つの種類を発表させていただいておりますけれども、三度で降りたときと三・四五度で真っすぐ降りたときのケース、それからもう一つは、先ほど私が間違って数字を申し上げたものは、三・四五度で降りるものと一旦三・四五度を超えてもっともっと厳しい角度で降りた後に三度に会合するケース、この二つのパターンについて公表をさせていただいているところでございます。
○山添拓君 その上で、私の質問にお答えいただいていないんですが、三・五度のときの方が騒音が多い日もあったと。そうですね。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
実機飛行確認のケースは先ほど申し上げましたとおり七日間でございますので、まだまだデータとしての量が多くないということもございます。
したがいまして、今後しっかりとデータを蓄積して、きちんとした分析をしていきたいというふうに考えております。
○山添拓君 いや、大臣、そこまでして三・四五度にこだわるのはなぜなんですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
これまで羽田の新しい飛行経路を提案させていただいてから説明会を繰り返してきたわけなんですけれども、少しでも音を少なく、小さくしてほしいという御要望をいただいておりました。そのため、様々な方策を積み重ねて、一つずつ積み重ねて、少しでも音が小さくなるようにということで飛行の降下角を引き上げさせていただいたということでございます。
○山添拓君 私の手元にしんぶん赤旗が入手しました国内のある航空会社の内部資料があります。
A滑走路への最終進入地点通過後、三・四五度が公示されています。この最終進入地点が横田空域内に位置していることにこの角度は起因しているのだ、横田空域内のトラフィックと垂直間隔を確保する必要があるため三千八百フィート以上という制限が付されている、そして最終進入地点と滑走路の着地点を直線で結ぶと三・四五度の降下角となるから三・四五度なのだと書いてあります。
事実ですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
新飛行経路の一部がいわゆる横田空域を通過することから、米側とは従来から必要な調整を行っております。当該経路を使用する航空機の安全運航に必要な離隔を確保することとしておりますけれども、その内容につきましては、米軍の運用に関する情報が含まれることから、コメントすることは差し控えさせていただきます。
○山添拓君 更に書いています。
平行するC滑走路への進入、こちらは横田空域には抵触していないんですね。ところが、A滑走路への経路と二キロも離れていないことから、経路近傍の地元住民への騒音軽減の公平性の観点から同様に三・四五度と書いてあります。
事実ですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
先生御指摘の資料でございますけれども、これは私どもの資料ではなくて会社の方の資料でございますので、私どもの方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○山添拓君 コメントを控えるとおっしゃっています。
この資料お渡ししますので、確認いただいて、事実かどうかお示しいただきたい。大臣、いかがですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
いただければ、確認はさせていただきます。
○山添拓君 米軍のためにも、世界的にも異例な危険な着陸方法を取ろうとしている。
羽田のこの新ルートは機能強化のためとされました。これによって発着回数は何回増えるんですか。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
羽田空港では飛行経路の見直し等によりまして発着容量が年間約四万回拡大をいたします。このうち、南風新経路の設定によりまして年間で約一・一万回の増加となります。
○山添拓君 一・一万回、一日三十回、発着でいえば十五便ということです。
今、新型コロナの影響で航空需要は激減しています。羽田空港の減便、欠航の状況について御説明ください。
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりまして、世界的に大幅な減便や運休が広がっております。羽田空港の国際線も、今週は感染拡大前に予定をされていました一日平均約百二十便から約七割減便をいたしまして、一日平均約四十便が運航見込みとなっております。国内線につきましても今月に入ってから減便が相次いでおりまして、現在では一日当たり当初予定の約五百便から二割減便をして、約四百便が運航されている状況となっております。
○山添拓君 今日、羽田空港に到着する国際線は、調べましたら百九便中七十二便が欠航です。
大臣、こうした状況は当面続くんじゃありませんか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 当面続くかもしれませんが、先ほど共産党の委員の方からも質問いただいたように、こういった状況が続いていいとは誰も思っていないはずですよ。観光は拡大しなければいけないわけですし、東京オリンピック・パラリンピックも……(発言する者あり)いや、関係ありますよ、来年のときに開催するわけですから。そのときにいきなりやるよりも、先ほど申し上げましたように三月二十九日から助走期間としてしっかりとした蓄積データをして分析をするというのは、私は正しいやり方だと思っています。
○山添拓君 元々そんなこと言っていなかったんですよ。国際線増便のための新ルートと言ってきたわけです。少なくとも今は、便数の上では、これ必要ないですね。
○国務大臣(赤羽一嘉君) いや、必ず必要なときは来るわけですから、それをぎりぎりまで引っ張っていきなりデータの少ないところで本格運用するよりも、三月二十九日から余裕のあるときにデータを蓄積した方がよっぽど安全度は高いというふうに私は理解をしております。
○山添拓君 いやいや、騒音は想定を超えていたわけですね、部品の欠落は増える一方ですよ。米軍のために危険を冒す新ルートです。しかも、増便という必要性も今の段階では少なくともないわけですよ。中止、撤回すべきじゃありませんか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) いや、皆さんの主張は別に主張としていいですけれども、いや、だって、おたくの委員だって観光を戻さなきゃいけない、北海道だってインバウンド大変だと、先ほど中国、中国の団体が……(発言する者あり)いや、私、ごっちゃにしないというか、同じことですから。まさに観光政策をやる以上はインバウンドを戻すということ大事なんで、そのときには羽田とか首都圏の空港の機能強化というのは避けて通れない話だと思いますよ。私はおかしなこと言っていると思いません。
○山添拓君 それは全然違うと思うんですよ。
私、今日はもう時間がありませんので質問ができませんけれども……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ました。
○山添拓君 資料の四枚目にお配りしておりますように、この間政府がインバウンドと言って訪日客を増やしてきた……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますよ。
○山添拓君 ところが、空港の検疫体制などはそれに全然追い付かない状況になっているわけです。こうしたところを対策取ることなく、とにかく四千万、六千万、数字ありきで進めてきた、この政策自体も見直すべきだということを主張し、質問を終わります。
ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で紙智子さん及び山添拓君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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