2020年・第201通常国会
- 2020年3月27日
- 予算委員会
予算委員会で20年度予算案への反対討論に立ちました。
- 要約
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- 予算委員会で20年度予算案への反対討論に立ちました。 新型コロナの感染拡大が深刻化する中、国民の命と健康を守る政治の責任が問われています。自粛要請で苦境に陥る人達への抜本的な直接支援を。5.3兆円の大軍拡、大企業優遇をやめ、暮らし第一の予算への転換を訴えました。
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二〇年度一般会計予算外二案に反対の討論を行います。
新型コロナウイルスの感染が深刻化、重大化しています。医師が必要と判断した場合にはPCR検査を速やかに実施できるようにすること、医療機関におけるマスクや消毒液など、必要な医材の供給、重症患者の受入れ体制の強化が急務です。
国民の命と健康を守ることに最大の力を注ぎつつ、経済危機からいかに国民生活を守るのか、政治の責任が厳しく問われています。中小企業を始め、企業倒産とリストラ、失業の連鎖を引き起こさない、外需頼みではなく内需、とりわけ家計と中小企業支援に力を集中することが急いで求められます。
政府は、全国一律休校要請、イベント自粛要請、さらには密閉、密集、密接、三条件回避を要請する一方、直接支援に否定的です。感染拡大防止を実効あるものとする上でも、抜本的な直接支援が必要です。
雇用調整助成金の補助率を十分の十に引き上げ、フリーランスや雇用保険に入っていない非正規労働者にも暮らせる水準の所得補償を行うべきです。中小事業者への無利子無担保融資は五千億円、余りにも規模が小さく、対象を広げ、融資枠を二十兆円規模に拡大するよう求めます。
税や社会保険料の減免、家賃、地代、水光熱費、リース代など、事業を継続するための固定経費を直接助成することが必要です。イベント自粛の要請に協力を求める以上、会場のキャンセル料や出演者への支払など、中止に伴う必要経費を補填する支援を具体化するべきです。いつまで続くか分からないという多くの国民の不安に寄り添い、明日の暮らしに希望を持てる経済対策を緊急に示すよう強く求めるものです。
本予算案は、こうした新型コロナの影響と対策の必要性を前提とするものではなく、我が国の社会と経済が求める政治の役割を期待し得ないものとなっています。しかも、その内容は、消費増税の暮らしと経済への打撃が深刻な下で、社会保障の切下げと大軍拡という重大な問題を抱えています。
年金、医療、介護、子育てなど、全世代を対象とする社会保障切捨て路線は転換すべきです。新型コロナ対策でも大きな役割を果たしている公的公立病院の再編統合は直ちに中止、撤回すべきです。
四百五十六兆円に上る内部留保を抱える大企業に対し、5G、オープンイノベーションなど、更なる優遇税制を設け、富裕層への累進課税の強化には後ろ向きです。税金の集め方と使い方を今こそ改め、消費税は五%へと減税すべきです。
軍事費は過去最大の五兆三千億円に上ります。後年度負担は五兆四千億円にも達します。米国製兵器の爆買いをやめ、辺野古新基地建設は中止すべきです。
森友学園問題で、亡くなった近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記やメモの内容が明らかになりました。それ自体が新たな事実です。ところが、安倍総理も麻生大臣も、再調査をかたくなに拒んでいます。赤木氏は、改ざんの経緯を記したファイルを作成し、大阪地検に提出したといいます。その存在が指摘された以上、調査の再開は必然です。本委員会への提出資料の改ざん、虚偽答弁という国政調査権をじゅうりんする事態の真相解明は、党派を超えて徹底すべきです。
森友、加計、桜を見る会、総理自身が刑事告発までされる中、今度は、自らを捜査し、起訴するかもしれない検察の人事にまで介入しています。総理に近いとされる黒川弘務東京高検検事長の定年延長は紛れもない違法人事です。無理筋の解釈変更に合わせるために検察庁法改定案まで修正し、内閣の判断で検察上層部の人事への介入を可能にしようとしています。
法の支配と三権分立を脅かす動きは断じて許すことができません。政治の姿勢を根本的に改めることが必要であることを強調し、反対討論といたします。(拍手)