2020年・第201通常国会
- 2020年5月14日
- 議員運営委員会
議運委員会で、緊急事態宣言一部解除について質問
- 要約
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- 議運委員会で、緊急事態宣言一部解除について質問。 感染拡大防止のため、満員電車を避ける、広いオフィス、多人数での会食は避けるなど、「新たな生活様式」への移行が求められます。ならば、導入のための制度的、財政的支援が必要ではないか。 西村大臣も「定着させていくのは何より大事」と答弁。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
政府は、三十九県について宣言解除を予定しております。しかし、感染拡大の第二波が確認されれば、再指定や、東京などで六月以降再延長が必要となる場合もあり得るかと思います。その際、感染の広がりをどのように把握するのか。
先ほど大臣は、より厳しい目で見るのだと、こう答弁されておりましたが、陽性率や実効再生産数、新規感染者の倍加時間、いろいろ言われておりますけれども、いかなる指標を重視していく方針なのか。また、いかなる指標であっても、正確な把握には広範な検査が必要です。しかし、現状は、専門家会議も認めるとおり、検査数が少なく、感染状況が正確に把握できておりません。
西村大臣は、先ほど衆議院で我が党の塩川鉄也議員に対して、PCR検査は必要な人が迅速にできる体制をつくることが重要だと答弁されています。特に、解除される三十九県、現時点で迅速にできる体制になっているんでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) まず、再指定の件でございますけれども、このウイルスは本当になかなかゼロにすることができない、どこに潜んでいるか分からない中で、小さな波が起こってきたときに、それを地域のクラスター対策でしっかりたたける範囲で今水準が落ちていれば解除しているわけでありますが、その小さな波が大きくなりかけたときをしっかりと見付けて、そして、最初に指定したときよりもより厳しい目で見ながら再指定を行っていくことを考えております。したがいまして、直近一週間の新規感染者の数をしっかり見る、あるいは倍加のスピード、急激に増えてきたときのスピード、感染者不明の割合、こうしたものを総合的に判断をしていくことになります。
その上で、そうしたものを見付けるためにはPCR検査の体制がしっかり整っていないといけないわけでありますが、検査を行っている数、それからその陽性率ですね、これも大事でありまして、陽性率がやっぱり高いと、本当に必要な人、重症化するような人しか行っていないと。より広く行っていると陽性率が低くなっていきますので、この陽性率の低さなどもしっかりと見ていきたいというふうに考えているところでございます。
○山添拓君 解除をする三十九県について現時点で迅速にできる体制を確認されたのかというのはいかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 専門家の皆さんの御判断もいただいておりますが、その陽性率なども十分に低いということ、検査も行われているという判断をしているところでございます。
○山添拓君 大臣そうおっしゃるんですけれども、相談件数が横ばいであるにもかかわらず一日当たりの検査数が伸びていないと、これ現実だと思います。一部解除をされた地域を含めて、検査体制の拡充がいよいよ重要だということを指摘させていただきたいと思います。
次に、政府は、新規感染者数が限定的となった地域においても感染拡大を予防する新しい生活様式に移行していく必要があるとしています。人との間隔は二メートルを空ける、あるいは仕事はテレワークやローテーション勤務、時差通勤でのんびりと、あるいはオフィスは広々と、こういう呼びかけをされています。しかし、現実には、オフィスはそこまで広くない、満員電車を避けられるのか、新しい生活様式と言われても無理だと感じる人も多いです。
感染拡大防止のために政府が要請するのであれば、新しい生活様式を可能とするような制度的あるいは財政的支援が必要ではないでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、新しい生活様式を定着させていくこと、これは何より大事であります。
国民の皆様には様々な御不便をお掛けしますけれども、例えばテレワーク、なかなか中小企業、小規模の方はこれテレワークできにくいというところがあると思いますけれども、テレワークの補助金なども用意をいたしておりますし、また、今、無償で様々なサービスを提供する、これ内閣官房のホームページでも公表して、紹介をしております。
こうしたものを活用いただければと思いますし、また、中小企業向けに、オンライン化をしていくんだということでITの補助金であったり、あるいは、今回の二百万、百万の持続化給付金と別に持続化補助金というものを、これは中小企業対策で昨年度の補正で三千六百億円確保いたしておりますので、その中でこうした補助金をうまく活用していただきながら様々な職場での工夫もやっていただけるように、政府としてしっかりと支援をしていきたいというふうに考えております。
○山添拓君 持続化のための支援というのはまさに今急場をしのいで持続をしていくというものですので、新しい生活様式を求めるというのであれば、これはそれぞれの努力だけではどうにもならないということが多々あると思うんです。ですから、それは、国民に新しい生活様式を求めるのであれば、政治は新しく何をするのかと、これ示すべきだと思います。
宣言が解除される地域であれ継続をされる地域であれ、三密を回避して蔓延防止、これが引き続き求められると想定されます。多くのクラスターが発生をしたいわゆる夜の町、これ、バーやナイトクラブ、カラオケやライブハウス、これらが引き続き利用自粛の要請がされるだろうと思われます。大規模なイベントの開催も同様ではないかと思います。解除の有無を問わず、政府が名指しで利用、開催の自粛を求めて、そのために休業を余儀なくされ収入が激減をするという業種が出てきます。
こうした業種に対しては、やはり自粛とセットの補償、特別の支援が必要だと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 国民の皆様に様々な自粛をお願いする中で、事業者の皆様にも、大変厳しい状況に置かれていること、本当にもう切実な声を伺っております。補償であるかどうかと、この名称に関わりなく、我々、全力でこの事業継続、そして雇用、生活を守っていくことを応援していきたいというふうに思っております。
今般、もう支給が始まっております二百万円、百万円の持続化給付金、これも、例えば家賃などにしても、全国の平均が三十七万円とか五十七万円とかの、そういった調査もございます、中小企業のですね。これは、そうしたことからするとかなりの部分をカバーできるのではないかと思いますけれども、更に足らない部分、家賃であったり雇用調整助成金の引上げであったり、あるいは苦しい思いをしている学生さんの支援であったり、こうしたことに対してしっかりと迅速に、検討を急いで対応していきたいというふうに考えております。
○山添拓君 今回解除の対象とならない八つの都道府県では、徹底した行動変容の要請が続くことになるんだと思われます。しかし、五月六日の宣言の延長後、新たな事態に見合った新たな経済的支援は示されていない状況です。今おっしゃった学生、家賃あるいは雇調金、それらに加えて、やっぱり一回限りでは足りないという持続化給付金や生活困窮者への支援、一層の経済対策が必要だと思います。
影響の長期化に対応できるような対策、野党の提案も踏まえて、暮らしと営業、希望が持てる政策、二次補正を直ちに進めるよう求めて、質問を終わります。