2020年・第201通常国会
- 2020年5月27日
- 資源エネルギー調査会
六ヶ所村核燃料再処理施設について
- 要約
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- 資源エネルギー調査会で、六ヶ所村核燃料再処理施設についてその異質の危険性を指摘し、高レベル放射性廃棄物の最終処分先も、モニタリングで噴火の兆候が確認された際の運搬方法も決まっていない、運用期間中に巨大噴火の可能性がないともいえないと追求。97年から24回も延期された施設はもう断念を。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
関西電力高浜、大飯、美浜の三原発の火山灰対策について伺います。
想定を超える火山灰が降りますと、非常用発電機の吸気フィルターが目詰まりを起こすなど、深刻な事態が生じます。施設の設計上重要な問題かと思います。
規制委員会は、二〇一八年十一月、鳥取県の大山の八万年前の噴火規模が従来の評価の十倍という知見を踏まえて、三つの原発で火山灰が堆積する厚さの再評価を求めることとしました。これ、大山からは約二百キロ、関電は厚さは十センチと想定しておりましたが、同じ距離にある京都市左京区越畑で三十センチの火山灰層厚が確認されたことを受けてのものです。
関電が再評価を経て昨年九月に行った設置変更許可申請では、資料一ページにありますが、美浜で十五センチ、高浜で二十五センチ、大飯で二十二センチとされました。その後、審査はどうなっているでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
今御質問にありました大山生竹テフラの噴出規模見直しに伴う火山灰の影響評価につきましては、これまで四回の審査会合を開催したところであります。これまでの審査では、まず原子力規制委員会が指示したDNPの噴出規模が十一立方キロメートルと見込まれることを前提に、関西電力が行った火山灰シミュレーション結果の妥当性について審議したところであります。
現在、このシミュレーション結果及び越畑地点での最大層厚二十五センチという現地調査結果に基づき、関西電力が示した各発電所における最大層厚の妥当性について審査をしているところでございます。
○山添拓君 まだその妥当性が確認されていないということであります。関電の想定より実際にはもっと多かったのではないかと、こういうことも含めて懸念をされている。
資料二枚目を御覧ください。対策を求めるに当たって、更田委員長らが、委員会に先立つ非公開の会議で意思決定していたことが毎日新聞で報じられました。二〇一八年十二月六日に開かれた会議に、更田委員長や石渡委員、規制庁長官ら十一名が出席をし、その際、丸数字で書かれていますが、①文書指導で設置変更許可申請を促す文書指導案と、②規制委員会としての判断を先送りし、関電に火山灰想定の再評価を命じる再評価命令案、その二案併記の資料が配られ、委員長の主導で②案に決まったとされています。不透明な意思決定は、それ自体私も問題だと思います。
今日伺いますのは、委員長は、この時点で、基準不適合、設計変更の許可申請は避けられないと、こういう認識だったんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
大山生竹テフラの噴出規模の見直しに伴う規制上の対応を行うに当たっては、まず、噴出規模の見直しに伴う関西電力の各原子力発電所への影響を評価することが不可欠でありました。で、この時点では、DNPの噴出規模が大きくなると見込まれても、若狭湾の各サイトへの影響はそれぞれの降灰量を評価しなければ分からないため、その時点では設置変更許可申請を命じることはできませんでした。
○山添拓君 ただし、噴出量が大幅に大きくなる、そのために設置変更許可の前提条件に有意な変更を生ずる可能性がある、こう考えていたのは事実ですね。
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは、平成三十年の十一月二十一日の規制委員会並びにその会見で申し上げたことですけれども、噴出規模が変わるのであれば、当然のことながら、層厚は変化する、有意な変化が起こるであろうということの認識は持っておりました。
○山添拓君 ですから、変化し得るだろうと、そういう判断に、認識に立たれていたわけですが、その後、既に一年半にわたって基準に適合しない原発が稼働を続けているということになるわけです。
公表されている音声によれば、委員長は、①の方がすっきりするが、法務上難しいのは私にも分かる、こう述べています。法務上難しいというのはどういう意味ですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
先ほど御答弁しましたけれども、その時点では、まだ層厚や各発電所における降灰量の評価はなされていないわけです。その状態で基準に適合していないという認定をするというのは、事実、その評価結果が出ていない時点で基準に適合していないという認定は、規制委員会としては、規制委員会としてそういった判断をすることは難しいという意味で述べたのであろうと思います。
○山添拓君 単なる法律の適用問題だけではなくて、更に続けて、差止め訴訟なんかだと基準に不適合という論理を生みやすいんだろうな、こういうふうにも述べられて、これを避けるために②案を選んでおられます。これは事業者の立場をおもんぱかったものと捉えられても仕方ない発言だと思うんですね。
これ、なぜ規制委員会がこんなことを考慮するんですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
差止め訴訟、取消し訴訟、私は技術屋ですので、そういった用語の使い方に関して不適切な部分があったのではあろうとは思いますけれども、ただ、そもそもこの大山生竹テフラの調査を行って噴出量の規模想定を見直そうとしたのは原子力規制委員会で、原子力規制委員会が始めたことであります。
したがいまして、この噴出量の見直しに伴う降灰量の変化に関する規制強化に関して原子力規制委員会が事業者の立場をおもんばかるということは全くございません。
○山添拓君 ところが、音声データでは、複数回、差止めと言っています。文脈からしても、これは住民からの民事の差止めを言っているのは明らかだと思うんです。そうであれば、規制行政としてはあるまじきことだと指摘しなければなりません。
現在、関電も設置変更許可が必要だとしてその申請をし、むしろその関電の想定が甘いかもしれない、こういう状況かと思います。基準不適合であることは明らかです。
ところが、大山は活火山ではないから止めなくてもよい、こういう判断をされています。それはなぜですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、その火山の噴出規模の見直しが、これが科学的に妥当であろう、規制に参酌すべき情報であろうという認定があります。その認定の上に立って、今度は、噴出量を変えたシミュレーションによって今度は層厚を評価をしていきます。
しかしながら、大山火山が活火山ではないということは気象庁や火山噴火予知連絡会において既に公にされており、さらに、現在の許可、これまでに行った許可においても、層厚の想定の際に非常に大きな余裕を見込んでいることから、この件に関しては即座に原子炉の停止を求めるというような事案ではないというふうに判断をいたしました。
○山添拓君 規制委員会の火山に対する安全性評価を定めた火山ガイドでは、活火山でなくても将来活動可能性があるような火山は対策するように求めているんじゃないですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) そのとおりです。
○山添拓君 ですから、活火山かどうかということは、安全設計上は区別がないわけです。
ところが、活火山でないということで、大山は活火山じゃないから関電は止めなくてよい、これは矛盾しているんじゃないでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 活火山でないということは、対策を求めないということにつながらない、直接つながるものではないと……(発言する者あり)そのとおりです。
ですからこそ、一定の火山活動を想定して、火山降灰に対する対策を各原子力発電所に対して求めています。そして、それに対して変化を必要とするような知見が、求めるときには更に規制を強化をしていきます。しかしながら、その強化に当たっては、一定の対処するための期間を設けるというのが原子力規制委員会の考え方であります。
○山添拓君 一定の猶予を与えるということでありました。
関電は、層厚の想定が変わっても追加対策は不要だと、こう判断をして、今も稼働を続けているわけです。新たな知見、火山灰の規模が、火山の噴火規模がより大きく、層厚がより厚くなるという新たな知見によって安全基準を満たしていないと分かっていても止めないと。
先ほど来お話ありますように、福島第一事故後にせっかく導入されたバックフィットが、これでは機能不全だと言われても仕方ないんじゃありませんか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは全て国会でもお答えをしていることですけれども、規制の強化が必要だという新たな情報が得られた際に、強化が必要だとなった時点で原子炉の停止を命ずるというような、小さな変化、大きな変化にかかわらず一律に停止を求めるというような判断というのは、継続的な改善をかえって阻害するものだというふうに考えております。
○山添拓君 では、この関西電力に対して、いつまでにその対策を終えるように求めていますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは現在審査をしているところでありますけれども、層厚の変化、十センチから二十五センチという変化の影響等を考えた上で、その対策を、対策期間を設けていくということになるというふうに考えております。
○山添拓君 つまり、それは期限を切って対策を求めるということではないと。今、設置変更許可の申請が来ていますから、その審査を行い、再評価を場合によっては求めて、そして審査の結果を踏まえて対策は取られるかもしれないけれども、少なくともその間は稼働を続けてよいと、こういうことになっているわけですね。
それでは、いつになったら安全基準を満たしたものになるのか全く不明確ということではないですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
これは、特定重大事故等対処施設の設置を求めたときの期限の厳守を求めたのと同様に、期限を設けずにずるずるとということにはいかないだろうというふうには原子力規制委員会としても考えております。
したがいまして、いずれかの時点において一定の期限というものを関西電力に対して示すということは必要であろうと思っていますし、また、いたずらにその期間が長くてよいというものではないというふうに考えております。
○山添拓君 いたずらにということではないとお話ありましたけれども、新たな知見が得られてから既に一年半が経過しているわけです。これは、どうせすぐには噴火しないだろう、そういう、私は、これは新たな安全神話に陥っていると指摘したいと思うんです。大津波は想定しないと決め込んでいたあの福島第一と同様の事態をこれは招きかねない問題です。
次に、五月十三日に新基準に適合していると認めた六ケ所村の核燃料再処理施設について伺います。
再処理の工程では、使用済核燃料を解体し、科学的に処理し、プルトニウムとウランを取り出し、高レベル廃棄物が生じます。プルトニウムをMOX燃料にして再び使う、プルサーマルですが、さらに高次化プルトニウムという使用済燃料問題が生じます。
規制委員会は、今回、エネルギー基本計画との整合性について、経産大臣への意見照会を行っています。エネルギー基本計画には、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、核燃サイクルを推進する、このように記されております。
そこで、経産省に伺いますけれども、高レベル放射性廃棄物や使用済MOX燃料は、今原発から発生する使用済核燃料より有害度が低いんですか。
○政府参考人(覺道崇文君) お答えを申し上げます。
今御指摘のあったエネルギー基本計画では、高レベル放射性廃棄物の減容、まあ量の減少あるいは放射能レベルの低減、資源の有効利用の観点から核燃料サイクルを推進するとしております。
それで、核燃料サイクルを推進するメリットの一つとして今申し上げた点があるわけですけれども、これは一般の軽水炉から使用済燃料が出ますけれども、そのままの状態で全て高レベル廃棄物として処理するよりは、再処理をしてガラス固化体に、本当のそのガラス固化体だけ高レベル廃棄物として、また、その再利用できるウラン、プルトニウムを回収する方が今申し上げたようなメリットが得られるということに基づいて核燃料サイクルを推進しているということでございます。
○山添拓君 より安全になるかのような発言は、私はちょっと信じ難いような気がいたします。
よく、原発の安全性について、五重の防護ということが言われると思います。その最終段階は、燃料棒の被覆管やあるいはペレット、こういうもので囲まれているから安全だというわけですが、再処理施設の場合には、工場に入るなり燃料棒の被覆管というのは切断されるわけです。ペレットは硝酸で溶解されてしまうわけです。裸の放射能が工場内を流れるわけです。そのために容器や配管は硝酸でしばしば腐食をしたり漏えいしたりする、異質の危険を持っているのが再処理施設だと。ところが、その方がむしろ有害度が軽減されると。これはちょっと信じ難いと思います。
規制庁に伺いますが、現在、六ケ所では使用済核燃料と高レベル廃棄物、どのぐらい保管していますか。
○政府参考人(金子修一君) お答え申し上げます。
六ケ所の再処理施設に保管されている、まず使用済燃料でございますけれども、令和元年度末現在で一万二千六十九体、貯蔵容量が一万二千二百二十八体となってございます。ガラス固化体貯蔵設備に保管されているガラス固化体は、現在三百四十六本、貯蔵容量が三千百九十五本でございます。また、海外から返還されたガラス固化体もございます。これが貯蔵量が現在千八百三十本、貯蔵容量は二千八百八十本であると承知しております。
○山添拓君 今後半におっしゃった高レベル廃棄物というのは、これは人が近づけば二十秒で死ぬと言われて、十万年たたないと安全な状態にならない極めて危険なものです。
伺いますけど、最終処分先は決まっていませんね。
○政府参考人(覺道崇文君) 高レベル放射性廃棄物の最終処分先については、現在決まっているものではございませんで、まさにその処分地を決めるべく、政府としても取り組んでいるところでございます。
○山添拓君 六ケ所で中間貯蔵を続けるということになるわけです。この六ケ所に影響し得る火山に十和田カルデラがあります。資料の四ページです。
約三万五千年前の大不動火砕流は、下線を引いておりますが、敷地に到達した可能性が高いと。資料の五ページ、一万五千五百年前の八戸火砕流は敷地に到達したと判断されるとしています。これは原燃の資料です。現に敷地まで火砕流が到達したことが過去あるわけです。ところが、規制委員会は、こうした巨大噴火は差し迫った状態ではない、施設の運用期間中に巨大噴火の可能性を示す具体的な根拠はないとしています。
まず、規制庁に伺いますけど、ここで言っている施設の運用期間というのは何年ですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力発電所でも同様かもしれませんけど、一概に再処理施設の運用期間というものを明確にしているわけではないというふうに理解をしておりますけれども、日本原燃の示しているところによりますと、再処理施設は操業から廃止措置まで約八十年というふうに聞いております。
○山添拓君 資料の六ページにお示ししています。実に八十年なんですね。
今委員長、ちらっとおっしゃいましたけれども、政府としてはその運用期間を定めているわけではないということですね。
○政府参考人(覺道崇文君) あくまで日本原燃が提示をしているということになります。
○山添拓君 政府としての運用期間の定めはないということですね。
○政府参考人(覺道崇文君) ございません。
○山添拓君 原発は四十年だとか二十年延長だとか、そういう話がありましたけれども、再処理施設はいつまで残すかということについて定めもないわけです。
日本原燃は、現在は巨大噴火が可能なマグマだまりが存在する可能性が小さく、マグマの移動、上昇を示す兆候はない、だから現時点では差し迫っていないとしています。
しかし、いつどのようにカルデラが形成に向かうか、大規模噴火に至るか、これは学者も説明できないと言っています。にもかかわらず、操業から八十年にわたって巨大噴火が発生することはない。委員長、これ、どうしてそう言えるんですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。
この十和田の巨大噴火の可能性評価については、火山学の知見に照らした調査を尽くした上で、十和田における巨大噴火の活動間隔、最後の巨大噴火からの経過時間、現在のマグマだまりの状況、そして地殻変動の観測データなどから総合的な評価を行いました。
具体的には、今先生おっしゃった地球物理学的調査、それからマグマの移動、活動等に関する兆候等を確認し、巨大噴火の可能性は十分に小さいと判断をしたものであります。
○山添拓君 今委員長がおっしゃったのは、現在差し迫った兆候が見られない、そうした科学的な根拠はないと、そういう指摘だと思うんです。
現在差し迫った危険がないということはそうかもしれない。しかし、だからといって百年近く先までその可能性はないんだと、こう判断できるのでしょうか。これは昨年末に改定をされた火山ガイド自体に問題があると思います。現在の知見に照らして現在の火山の状態を評価するとしています。これでなぜ、将来にわたって、将来の運用期間中にわたって大丈夫だと言えるのか。
なぜ大丈夫だと言えるんですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
いわゆる火山学における差し迫ったという期間と、それから運用期間の考え方ですが、運用期間もオーダーとして百年のオーダー、数十年のオーダーであります。一方、火山学における差し迫った兆候云々というのはもっと大きなオーダーのものであるというふうに理解をしています。
○山添拓君 つまり、この先四十年、六十年、あるいは八十年、再処理施設の場合の八十年、こういう期間については、今差し迫っていなければ運用期間中起こることはないのだと、こういう知見があるということなんですね。今差し迫った状況でないと確認されれば百年間起こることはない、これが得られている知見だと、こういう説明ですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、審査においては、火山学の知見に照らした調査を尽くした上で、検討対象火山、この場合は十和田ですが、巨大噴火の活動間隔、巨大噴火からの経過期間、マグマだまりの状況、地殻変動の観測データ等から総合的に運用期間中に巨大噴火の発生の可能性は十分に低いという判断をしたものであります。
○山添拓君 そのような科学的な知見がどこかにあるわけですか。火山学の知見から今差し迫っていないと言えれば、将来、施設の運用期間にわたってそのような噴火が起こることはない、こういうことが示されているんですか。そのような火山学の知見は現在示されていないんじゃありませんか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
巨大噴火が差し迫った状態であるというふうに判断をしたのであれば、許可をするような、まあまだ再処理施設については許可に至っているわけではありませんけれども、差し迫った状態であるという科学的な判断をしたのであれば、許可はいたしません。
○山添拓君 ちょっと私の聞いたことと違うことをお答えになっていますが。
では、別の角度で伺います。
火山による影響評価というのは、検討対象の火山の過去最大の噴火規模を前提として行うべきだとされています。ところが、巨大噴火については知見がないので、差し迫っているというふうには認めないわけです。そういう例はないわけです。火山ガイドは、その巨大噴火の場合に、巨大噴火については差し迫っていないので評価しなくてよい、その代わりに最後の巨大噴火以降の最大の噴火規模でよいのだというふうに規定しています。すると、巨大噴火の後の最後の最大噴火ということになりますと、極端に小さい噴火となることもあるわけです。巨大噴火と最後の噴火と、なぜその中間が起こり得ないと言い切れるのか。火山には不明な知見が多いわけです。
巨大噴火後の既往最大だけを対象とすればよいとしているその理由は何ですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
その噴火を想定して、その降灰であるとかそういった影響評価を求めているのは、巨大噴火後の既往最大というのはそのとおりです。
したがって、しかしながら、火山学には残念ながら不確かさも存在することは事実ですので、その想定された層厚であるとか密度に対して十分な保守性を加えた上での設計というものを認可ないし許可をしております。
○山添拓君 保守性を加えたと言いつつも、しかし、巨大噴火の後の既往最大を考慮するだけで構わない、巨大噴火の可能性については無視してよいと。そうなりますと、この立地評価というのは、つまり立地できるかどうか、その評価はもうほとんど機能しない、このガイドで立地不適だとなるようなケースはほとんど想定し得ないということになってしまうと思います。
原燃は、火山活動のモニタリングをすると言っています。モニタリングで巨大噴火の兆候が確認されればどうすると言っていますか。保管している使用済核燃料やガラス固化体、高レベル廃棄物をどこへどうやって運び出すと言っていますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
現時点までにおきまして、巨大噴火が差し迫った、そして原子力発電所における停止に相当するような措置をとらなければならなくなったときに、使用済燃料を、保管している使用済燃料ないしはガラス固化体を運び出すという話は、日本原燃からこれまでのところ聞いておりません。
○山添拓君 つまり、決められていないということなんですよ。
何か起こった場合に備えてモニタリングをしているという、今はそれは兆候が見られないので許可を与えるとしても、モニタリングをして何か兆候が出てきたら対策を取るということに火山ガイド上も日本原燃の申請上もなっているはずなんですけれども、そのとき何をするかということは決められていないわけです。いや、搬出する方法もその行き場もありません。使用済核燃料を搬送できる船というのは日本に二隻しかないと言われています。ガラス固化体の輸送船は日本に一つもありません。高レベル廃棄物に至っては、そもそも運び出すことが想定もされていない代物であります。
時間ですので終わりますけれども、六ケ所再処理施設は、九七年に完成予定だったものが二十四回延期をされ、建設費と追加安全対策費、合計二兆九千億円、当初の四倍に上って、いまだに見通しが立っていません。これはもうやめるべきだと、核燃サイクルにしがみつく政治は変えるべきだということを指摘をして、質問を終わります。
ありがとうございました。