山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2020年・第203臨時国会

議員運営委員会閉会中審査で緊急事態宣言について質問

要約
  • 参院議院運営委員会で、本日発出された緊急事態宣言について西村大臣に質問。感染拡大防止のために社会的検査の拡充と保健所の体制強化を、また打切り予定の持続化給付金や家賃補助は延長し、持続化給付金第二弾、自治体への交付金増額、雇調金の特例拡充など、予備費を活用した具体的な支援をと追及。

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 一都三県に限らず、各地で感染者数、重症者数が増加し、九都府県で病床使用率はステージ四、爆発的感染拡大の目安に達しているとされます。政府の無為無策と逆行により深刻な事態を招いた責任は重大であります。従来の姿勢を根本的に転換するべきだと考えます。
 日本医師会の中川会長は、現実は既に医療崩壊だと危機感を示しました。救える命が救えなくなる事態は絶対に防がなければなりません。
 軽症、無症状の感染者を発見する、とりわけ重症化リスクの高い場所でクラスターの芽を摘む、そのために、医療、介護、障害者施設などでの一斉、定期的な社会的検査をこの局面でこそ広げて、医療機関の負担を抑えるべきだと考えます。
 しかし、保健所の疲弊は限界に達しています。緊急事態宣言の発出に当たって、その体制強化をどう進めるのか、御答弁ください。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、保健所の負担がかなり厳しい状況で、負荷が大きくなっていることを私ども認識をしております。是非そうした負荷を少しでも軽減できるように対応してきているところでありますけれども、例えば一次補正、二次補正で、電話相談に係る人員の雇用に係る経費の助成、あるいは外部委託、縮小や延期が可能と考えられる業務のリスト化、あるいはHER―SYSの運用改善を行って打ち込みの業務の削減、こういったことも行ってきているところでありますし、支援のために自治体間で専門職を応援派遣し合うスキームの構築、そして、学会等の協力を得まして、これまで千二百名程度の専門職の確保もいたしております。大阪府や北海道にも派遣をしてきたところでありますので、こうしたスキームを活用しながら対応していきたいと思いますが、さらに、三年度の予算案におきましても、保健所の人員配置に係る交付税措置として、配置人員を現行の一・五倍に増員するなどの強化に関する措置を講じるよう盛り込んでいるところであります。
 いずれにしましても、厚労省や都道府県と連携しながら、保健所の負担軽減に全力を挙げていきたいと考えております。
○山添拓君 先々のこともそうですけれども、緊急の対応も求められると思います。
 東京墨田区の西塚至保健所長に伺いますと、昨年四月に検査能力が追い付かなくなった際に、その際に検査体制を思い切って拡充して、十人だった保健所の感染症係は現在八十人に増やして、そして追跡調査の担当班も増やしてきたということでありました。
 ですから、今逼迫しているから検査を絞るということではなく、今こそ検査、保護、追跡、その基本を徹底する。保健所の体制を強化し、同時にまた保健所の負担を軽減するような工夫もできると思うんです。そうした実効ある対策を求めたいと思います。
 もう一点、自粛と一体の補償が今度こそ求められるという点も強調すべき点です。
 飲食店はもとより、法的根拠に基づかずに時短を働きかけるとされている映画館など、今度二十時以降の外出自粛を徹底することになれば、幅広い事業者に影響が及ぶことになります。ところが、政府は、持続化給付金や家賃支援給付金の申請を予定どおり今月十五日で打ち切るとされています。
 大臣、なぜ今、支援の打切り、縮小なんでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 緊急事態宣言で厳しい状況になる事業者が当然影響を受けると、大きな影響を受けるということは私ども認識をしております。
 特に、直接的な影響を受ける飲食店に対しては協力金の増額など支援を拡充しようとしているところでありますけれども、関連する中小・小規模事業者、様々あると思います。そうした方々含めて、私ども、四・六兆円の予備費もありますので、その活用も含めて必要な対策を機動的に講じていきたいというふうに考えているところでございます。
○山添拓君 今、緊急事態宣言を発出しようというときにその支援策が示されていないわけですから、全然機動的じゃないですよ。基本的対処方針で示されているのは協力金の支援だけです。
 緊急事態宣言で自粛を要請する。それは営業の自由の制約となるわけですから、補償は不可欠です。求められているのは罰則ではなく、十分な補償であります。予備費も活用して、持続化給付金の第二弾、自治体への交付金の増額、雇用調整助成金の特例の拡充など、再度の緊急事態宣言に見合った支援を具体化するべきだと考えます。これ、求めたいと思います。
 年末年始、各地で生活に困窮する方への食料支援や相談会が取り組まれました。私も幾つか相談を受けましたが、相談に来られるときには既に限界を超えているというケースが多かったんですね。解雇や雇い止め、あるいはそこまで行かなくても、仕事が減り、収入が減り、月の収入が三万とか五万。家賃を滞納して鍵を取り替えられてしまってネットカフェを転々とする。所持金が数千円。にもかかわらず、本当に大変になったら相談しますと、こう言って生活保護の申請をためらう方が大勢おられました。初めてこういう事態に直面したという方、だから、これから公的な支援を受けることにはちゅうちょがあるという方が結構おられるんですね。
 困難に直面する方にここまで自助努力を強いているのが現状です。共助の支援も限界があります。本来、政治が公助で寄り添うべき場面だと思います。例えば、政府として、テレビやインターネットで、あるいは街角の大型ビジョンに、家賃の支払に困ったらここに相談する、あるいは生活保護は権利だ、返済免除付きの貸付けがあるよと、そういう広告を流して窓口を案内する。コロナ禍においても健康で文化的な生活を営む権利があるんだと、それは政府の責任なんだと、そういうアナウンスをするべきだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、厳しい状況にある皆さん方の生活あるいは雇用、こういったものをしっかりと守っていくのは政府の責任だというふうに考えております。
 年末には、一人親世帯の方々、低所得の方々に再給付という形で、ほぼ全ての自治体で予備費七百三十七億円を活用して実施をしたところでありますし、御指摘ありました返済免除付きの緊急小口資金、これも数多くの方に利用されております。最大百四十万円までということになっております。また、住居を失うおそれがある方に家賃相当額を支援する住居確保給付金ですね、これも十二か月まで延長するということでありますので、こういった対応をこれまで取ってきているところでありますけれども、御指摘のように、広報も含めてしっかりと必要とする方に必要な情報が届くように対応していきたいと。年末年始に、改めて、厳しい方への相談に対応していただいた団体の皆さんにも敬意を表したいというふうに思います。
 いずれにしても、予備費の活用も含めて必要な対策を機動的に考えてまいりたいというふうに思います。
○山添拓君 様々な団体、労働組合、弁護士などが支援活動に当たってきました。そこには実態が集まり、課題も浮き彫りになっています。関係者から総理や大臣も直接話を聞いていただいて、対策の具体化につなげていただきたいと思います。
 昨年の四月と違って、既に暮らしと経済、大きな打撃を受けている中での再度の宣言発出となります。限定的で集中的な対策が効果的だと、こういう方向でされますけれども、しかし、支援については、限定的、集中的ではなく、幅広く、漏れなく、取り残すことのないように行うべきだということを求めまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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