2021年・第204通常国会
- 2021年8月25日
- 議院運営委員会
議院運営委員会閉会中審査で「検査難民」などについて質問しました。
- 要約
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- 議院運営委員会で「検査難民」について質問。 オリパラでは7月から75万件、1日約1万4500件の検査をしています。 検査を大規模に拡大し、感染実態を把握すべきと質問。 保健所の指示がなくても、本人が陽性者と一定の接触した場合には、医師の判断で検査すべきではないかと指摘しました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
東京が制御不能と言われる感染状況の中でパラリンピックが開会されました。ブルーインパルスで人が集まる、開会式をやって人が集まる、テレビのニュースも短縮バージョンになる。緊急事態宣言の緊張感をわざわざ弱めていると言わなければなりません。
組織委員会は、都内で九病院、都外で二十病院をオリパラ指定病院に指定し、競技会場の医務室では対応できない重症者などを救急搬送するとされています。ところが、その指定病院の一つである都立の墨東病院は救急の受入れ要請を断りました。コロナ対応を優先するためです。これは当然の対応だと思います。ほかの病院も事情は同じです。
厚労省と東京都は都内全ての医療機関にコロナ対応を求め、最大限の入院患者を受け入れるよう要請もしています。これは拒めば勧告、公表と、制裁までちらつかせてのものです。一方でコロナ対応に最優先で取り組めと要請しておきながら、他方でパラ対応もという、これは医療機関に対して矛盾した要請で、無理を強いることになるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、パラリンピックの大会組織委員会によれば、都内九か所、都外二十か所の病院に協力をいただいていると承知をしております。引き続き指定病院からは協力いただく旨の意思表示をいただいているというふうに聞いております。
ピークとなる八月二十八日には、医師は百二十人程度、看護師は百五十人程度と想定をしておりますし、選手村に入られるアスリートの方のワクチン接種率が八八%ということでありますし、さらに、選手村に出入りする国内関係者については毎日検査を行うということであります。さらには、プレーブックのルールに従って行動を厳格に管理をしているということであります。現時点での陽性者の数も〇・〇三%と低い数字となっておりますし、二十三日時点で、海外から来日された選手、大会関係者のうち、入院されている方、重症者の方はいないというふうに聞いております。
引き続き、医療、パラリンピック、この医療の体制とそして都内のコロナ対策の医療の体制、しっかりと国民の皆さんの命を守れるように対応していければというふうに考えております。
○山添拓君 いや、それがもう難しい状態になっているわけですよね。搬送困難事例が生まれているわけですよ。パラ選手であっても搬送は困難だと、受け入れられないという対応になることは十分あり得ると思うんです。パラ関係の陽性者、既に百六十八人です。基礎疾患があって重症化リスクの高い選手もおられます。これではパラ選手の安全、安心も確保できない、おぼつかないと思います。国民も選手も命を守れない事態です。パラリンピックは中止し、コロナ対策に集中するべきだと改めてお伝えします。
菅総理は昨日、自民党の役員会で、自宅療養に万全の体制づくりを進めると述べました。しかし、急変したときの搬送先が確保されていなければ、結局は救える命が救えなくなります。だからこそ今、臨時の医療施設が求められています。
特措法三十一条の二では、医療提供に支障が生ずる場合には臨時の医療施設で医療を提供しなければならない。提供しなければならないと義務にしています。これは都道府県知事の義務ですけれども、それでは、政府としては何をするんでしょうか。国の施設を提供するとか、医師や看護師、輪番でもいいから派遣してもらうように強く要請をしていくとか、あるいは設置、運営の費用を負担するとか、だから急速に進めてほしいと、こういう働きかけを国として、政府としてやるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおりでありまして、昨日、私、今回指定をする地域の知事とお話をしましたけれども、それぞれに臨時の医療施設の活用を強く求めたところであります。これ、もちろん病床の確保状況にもよりますので、病床確保されているところをまず使いながら、しかし、その見込みも想定して、今後増えてくることを考えれば、臨時の医療施設を考えてほしいと、体育館でもベッド並べてもこれはできますので、そういったことを求めたところであります。
その上で、人材確保も必要となってまいりますので、看護協会と連携して、潜在看護師、職員への呼びかけの実施、あるいは必要な医療機関への看護師を派遣する仕組み、これ派遣元への支援を拡充をしたところでありますし、さらに、臨時の医療施設への医療従事者の派遣についても、八月十六日から単価を引き上げて、二倍に引き上げているところであります。さらに、設備や人材確保、緊急包括支援交付金が活用できますので、これでしっかり支援をしながら、必要な臨時施設を、臨時の医療施設も確保し、必要な方が必要な医療を受けられるように、対応を厚労省中心にしっかりと構築をしていければというふうに考えております。
○山添拓君 自宅療養を原則とする方針は正式に撤回するべきだということも申し上げたいと思います。
東京では八月以降、検査の陽性率が二〇%を超えています。千葉や神奈川、三〇%です。これ、検査が追い付いていないことは明らかです。保健所が逼迫し、同居の家族なのに検査してもらえない、保健所から連絡もないというケースが伝えられています。検査難民というべき事態が現に起きています。
そこで、保健所の指示がなくても、本人が陽性者と一定の接触をした、そういう申告をした場合には、医師の判断によって積極的に検査を行い、これ行政検査として扱って、国の費用として負担、国の費用で負担すると、そういう医師の判断で徹底して行うべきだと、積極的に検査を行うべきだと、これ徹底すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、感染拡大している地域では保健所の負担がかなり過大になってきておりまして、濃厚接触者なり行政検査を行う範囲がなかなか特定しにくい、時間が掛かるようになっております。
御指摘があったように、医師は高齢者施設や医療機関において範囲を定めて行政検査を行うことは可能でありますので、このことについて厚労省は随時事務連絡で周知を図ってきたところでありますし、さらに、保健所の負荷軽減のため、会社や学校で陽性者が出た場合に、その会社、学校の判断での検査について、陽性の発生した会社、学校などが保健所の基準に従って検査対象のリストを作成、提示をして、保健所は確認するだけで、一人一人誰が濃厚接触者とかそういうことはやらずに、学校、会社の判断で提示をして、そのリストで保健所の個別の判断を待たず迅速に無料で行政検査を実施できる旨、改めて厚労省から通知をしているところであります。
こうした取組を進めて検査しっかりと行われていけるように、厚労省中心に対応していきたいというふうに考えております。
○山添拓君 オリパラでは、七月一日以降、合計で七十五万件検査をしました。一日平均一万四千五百件です。これは東京都全体の一日当たりの平均とほぼ同じだけをやっています。オリパラで検査できて都民に対して検査できないということは、これはあり得ないと思います。検査、大規模に拡大して、感染の実態を把握するべきだとお伝えしたいと思います。
臨時国会の話が先ほど出ていました。大臣は、法案はすぐできるものじゃないから臨時国会開かないんだと、そういう趣旨のことを話されましたけれども、それは政府の都合です。憲法では、国会で四分の一以上の要求があれば、内閣は臨時国会を召集決定しなければならないと、こう書いています。ですから、直ちに臨時国会を召集して、もうこの時間だけでは、審議するべきことは山ほどあるのに、時間が足りなさ過ぎます。総理も出てこられません。臨時国会を開会すべきだと改めてお伝えして、質問を終わります。
ありがとうございました。