山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2023年・第212臨時国会

墜落オスプレイ 原因究明し撤去を

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
質問の予定を若干変えまして、まず宮澤副大臣に伺います。
派閥のパーティー券のノルマの有無やノルマを超えて売った場合の扱いについて、先ほど来の質疑で防衛大臣は答弁を改められました。副大臣も答弁改められますか。

○防衛副大臣(宮澤博行君) お答え申し上げます。
先ほども答弁させていただいたとおり、この場は政府の立場でお答えするものと認識しておりますけれども、私の所属する清和政策研究会について申し上げれば、塩谷座長がこれから事実関係を精査する旨のコメントをしておりますので、今後、事実を確認の上、適切に対応するものと認識をしております。

○山添拓君 前回も私質問したんですよ。御自身では、御自身のパーティー券の扱いについて調査はまだされていないんですか。

○副大臣(宮澤博行君) 政治団体において事実関係を確認の上、適正に、適切に対応するということでございますので、私といたしましては、まずは政治団体による事実関係の確認について注視をしたいと考えております。

○山添拓君 いや、何か人ごとのようにおっしゃっているように私には聞こえます。
副大臣、議院内閣制の下では、国民は大臣も副大臣も直接選ぶことはできないわけですよ。ですから、そうやって答弁を拒まれれば拒まれるほど不信が広がっていくと思うんですね。どう認識されていますか。

○副大臣(宮澤博行君) 私といたしましては、まずは政治団体による事実関係の確認について注視をし、その上で適切に対応したいと考えております。

○山添拓君 いや、私は、政治と金の問題でまともに説明をされない、その時点で、これは大臣お二人についても言えますけれども、その時点でとても適材適所とは言えないと思います。
ただ、この問題は明日以降の、明日の集中審議でも議題になるかと思いますので、今日は予定していた質問をさせていただきたいと思います。
十一月二十九日に発生した米空軍オスプレイの墜落事故を受けて、米空軍の特殊作戦司令部は六日、オスプレイの運用停止を発表しました。これを受けて、海軍、海兵隊全てのオスプレイの運用停止を決めたといいます。
大臣に伺いますが、大臣がこの情報をお知りになったのは今日午前中の衆議院の安保委員会の最中ということでよろしいでしょうか。

○防衛大臣(木原稔君) まずは、この点初めて私、当委員会で答弁いたしますので申し上げますが、今般の米軍オスプレイの事故については、米国東部時間の十二月五日、米軍は捜索救助活動を終了することを決定し、乗員八名全員の死亡を宣言いたしました。この間、自衛隊を含め、海上保安庁、米軍、さらには現地の漁業関係者を含む関係者による懸命の捜索救助にもかかわらず、全員が無事に家族の元に帰ることができなかったことは誠に残念であります。我が国及び地域の平和と安全を維持するため日夜任務に献身していた八名に対し、心より哀悼の誠をささげます。
その上で、米空軍は、日本時間の七日の九時台に、調査が継続している中、リスクを軽減するため米空軍CV22オスプレイの運用停止を指示し、また、初期的な調査情報は潜在的な物質的不具合が事故を引き起こしたことを示唆しているが、根本的な原因は現時点で不明であるとし、この運用停止はCV22が飛行活動に復帰することを確保するための原因と推奨策を導き出すための徹底的な調査を行う時間を与えるものである旨、ホームページで発表した。その時間は、申し上げたとおり、日本時間七日の九時台に公式に発表しましたので、私はその九時前からもう衆議院の安全保障委員会で座っておりましたので、この情報を、このホームページの情報を正式に得たのは、その衆議院安保委員会の時間帯にバックシートから情報をもらったということになります。

○山添拓君 大臣自身がその情報を知ったのもそのタイミングということですね。

○国務大臣(木原稔君) 米国とは、累次申し上げていますけど、私が私レベルで、あるいは各レベルでそれぞれ今回の米軍オスプレイの事故について情報交換をしている中で、本日ひょっとすると新たな情報が発信されるかもしれないというような、そういった事前の連絡は、中身は正式には不明ですが、いただいていたところであります。

○山添拓君 要するに、運用停止、全機運用停止ということをお知りになったのは今日の午前九時以降、委員会が始まってからということなんですね。それは、私も同じタイミングなんですよ。ヤフーニュースも流れました。LINEニュースも来ました。防衛大臣がこういう重大な情報をキャッチするタイミングが一般の方と同じタイミングだということなんですね。これは驚きですよ。
昨日の米軍事専門ニュースのブレーキング・ディフェンスによりますと、こういう情報もあります。米空軍特殊作戦司令部の広報担当者がこんなことを言っているんですね。オスプレイの運用の一時休止は安全性の懸念に関してではなく、同僚たちに悲しむ時間を与えるためだ、こういうふうに語っていますよ。大臣、これは御存じでしたか。

○国務大臣(木原稔君) 私が一般の皆さんと同じタイミングでまず情報を受けたという、その点でございますけれども、米軍とは様々なやり取りをする中で、私自身、常にこの日本における米軍オスプレイの飛行の見合せというのは要望していたというわけであります。その飛行の安全が確認されてから運用再開ということを常に申し上げてきていた中で、そういった私からの要請、あるいは外務大臣始め政府からの要請に対して、今回、何らかのそういった報告があるのではないかという、そういう連絡は事前に受けていたということになります。
済みません。ちょっと、済みません、質問についてもう一度。

○山添拓君 質問したことに答えていただきたいんですよ。
米軍の軍事専門ニュースでは、オスプレイの運用の一時休止というのは、安全性の懸念に関してではなくて、同僚たちの死を悼む時間を与えるためだと、こういうこと言っているんですよね。その情報を確認されていないから御答弁なかったんだと思うんですが、確認されるべきですよ。つまり、こういう調子ですから、少したてば、また事故などお構いなしに飛行再開しかねないですよ。
そして、大臣、今、飛行の見合せをこれまで要請してきたとおっしゃっていましたが、この委員会ではそんなことおっしゃっていないですよ。飛行の安全を確認してから飛行するようにと求めてきたんだと。どれだけ聞いても、運用停止とは求めていない、飛行停止とは求めていないと、そう言われてきましたよね。いざ米軍が止めたら、元から求めていましたかのように、そういう答弁姿勢自体が私は多くの皆さんから不信を持たれると思います。
防衛省に伺いますが、基本的な事実関係確認します。
この事故機の機体番号、横田基地への配備の年月日、事故に至るまでの飛行時間、お示しください。

○防衛省 地方協力局長(大和太郎君) 米空軍のCV22オスプレイについては、二〇二四年頃までに計十機が横田飛行場に配備される計画となっており、二〇一八年十月一日に五機、二〇二一年七月六日に一機の配備が完了したものと承知をしております。
米側に対しては、事故の状況等についての早期の情報提供を求めるというところでありまして、御指摘のような点も含め、米側に確認を行ってまいります。

○山添拓君 事故を起こした機体がいつ配備されたものか、どういう機体番号か、その基本的な事実すら防衛省は知らないとおっしゃるんですね。
オスプレイは、特有のクラッチの不具合、ハード・クラッチ・エンゲージメントというものが知られています。海兵隊の報告書は、八百時間以上飛行した機体の特定の部品を有する機体でこのハード・クラッチ・エンゲージメントが発生する傾向があると説明をしています。
この事故を起こした機体は、部品交換していたものでしょうか。

○政府参考人(大和太郎君) 米軍の専門部局からは、ハード・クラッチ・エンゲージメントはギアボックスの構成要素であるクラッチに関連する部品、IQAを原因として発生しているものであって、使用時間が八百時間を超えるIQAの交換により、当該現象の発生を九九%以上低減可能であるとの説明を受けています。
この部品交換の措置は、全てのオスプレイに搭載されている使用時間八百時間を超えるIQAを新品のものに交換するものでありまして、現在飛行している米軍オスプレイは部品交換が完了した機体か部品交換を行う必要がない機体のいずれかであるとの説明を受けているところであります。

○山添拓君 ですから、事故機はそのどっちなんです。

○政府参考人(大和太郎君) 事故を起こした機体の部品交換の有無も含め、米側に確認を行ってまいります。

○山添拓君 何にも確認されていないわけですよ。
海上保安庁は三日、この事故機の部品や残骸を米側に引き渡したと公表しました。
外務省に伺います。
日本で起きた事故です。なぜ引き渡さなければならないんですか。

○外務省 北米局長(有馬裕君) お答え申し上げます。
日本側が回収した事故機の部品等の引渡しは、米側からの協力要請を受け、日米地位協定及び合意議事録の規定を踏まえ協力したものである、ものでございます。日米地位協定第十七条十(a)及び十(b)に関する合意議事録において、日本の当局は、通常、米軍機の機体のような米軍財産について、捜索、差押え又は検証を行わない旨定められております。この規定は、米軍財産には、その性質上、高度な軍事性や機密性を有する場合があることや、その捜索や検証が徹底的かつ綿密に行われるためには、当該財産を所有し、それを熟知した米軍が一義的に取り扱うことが適当であること等を踏まえたものでございます。
いずれにしても、政府として、引き続き関係省庁及び米側とも緊密に連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

○山添拓君 地位協定の下で、当然のようにおっしゃるんですけれども、同じ米国の同盟国でも、同じような扱いではないですね。委員会の皆さんは御承知だと思いますが、イギリスでもドイツでもイタリアでも、その国の当局が調査をしますよ、関与しますよ。あっさり引き渡してしまうのは日本ぐらいです。海上保安庁は屋久島漁協の皆さんに協力を要請したんですね、捜索、救助、部品や残骸の回収など。協力させるだけさせておいて、後は米側に丸投げですよ。これ、余りに無責任です。大体、米側に原因究明など期待できるのかと。
資料お配りしておりますが、これは先日福山委員も示していたオスプレイの事故や緊急着陸の履歴です。今年九月だけで五回、予防着陸、緊急着陸があります。防衛省に伺いますが、この五回は、原因はいずれも警告表示があったためと書かれているだけです。なぜ警告表示があったのか、把握していますか。

○政府参考人(大和太郎君) 日本国内における米軍オスプレイの緊急着陸は一件であります。そのほか、予防着陸というのが二十三件あるということでありまして、予防着陸というのは、パイロットが飛行中に何らかの通常とは異なることを示す航空機の兆候を察知した場合に、危険の未然防止のために必要な手段として行う着陸であると。また、緊急着陸は、航空機の航行に影響する異常が発生した場合に、その危険を回避するために速やかに行う着陸であるというふうに承知しているところでございます。

○山添拓君 いや、なぜ警告表示が出たのかと。パイロットがなぜ緊急に対応しなくちゃいけなかったのか、その原因について米側から報告を受けていますか。

○政府参考人(大和太郎君) その件については、今お答えできる材料がございません。

○山添拓君 つまり、一つも原因明らかにされていないんですよ。ですから、何の対策もなく飛び回り続けていると、こういうことですね。
オスプレイが制御不能に陥る事象として、先ほども述べたハード・クラッチ・エンゲージメント、この可能性は否定できません。今回の事故でも懸念はあると思います。この事象が過去に日本国内でも発生したという可能性があります。防衛省は、今年八月以降、米側に確認中だとしてきました。確認できたんでしょうか。

○防衛省 防衛政策局長(加野幸司君) お答え申し上げます。
お尋ねの件でございますけれども、米側からは、現時点においてはまだ確定したものはなく、調査中であるという連絡を受けております。現時点においても米側が調査を行っている段階にございますのを承知しておりまして、現段階で新たにお伝えできるものはありませんけれども、引き続き米側に対しまして事実関係について確認を行ってまいります。

○山添拓君 皆さん、これが緊密に連携をしているという日米関係ですよ。日米同盟の下で事故やトラブルがあっても、原因究明まともに行わない、説明もしない、これが日米同盟の実態ですよ。
ちなみに、伺いますけれども、なぜハード・クラッチ・エンゲージメントが起きるのか、根本原因は解明されたんですか。

○政府参考人(加野幸司君) ハード・クラッチ・エンゲージメントの根本原因ということでございますけれども、こちらにつきましても、今、米軍において調査中であるというふうに承知をしてございます。

○山添拓君 米軍予備役の支援団体、リザーブ・オーガナイゼーション・オブ・アメリカ、これはオースティン米国防長官にオスプレイの即時飛行停止を求める書簡を送付しています。
もう質問終わりますけれども、ますます増えていくエビデンスはV22オスプレイに重大な欠陥があることを示していると、この事務局長が言っているんですね。オスプレイは三十四年前に最初の試験飛行を行い、十五年前に配備された、今頃はもう信頼性を持って機能しているはずのときだと。米軍の航空機で他にオスプレイのような致命的な傾向を持つ航空機は全くないと。米国内で米軍関係者からもオスプレイの致命的欠陥が指摘されています。
飛行の停止はもちろんですが、欠陥機のオスプレイは、これ米軍についても自衛隊についても撤去すべきだと、これを重ねて求めて、質問を終わります。

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